暗黒の皇帝(仮題)
ありがちなファンタジーの世界で、勇者と人類、魔王と魔物達の戦いが終わって数十年後。
勇者を倒した魔王と配下の魔物達は、我が世の春を謳歌している、はずであった。
魔物が貴族として君臨する人間の街は、何故か豊かになり、ならず者や腐敗した政治家と小役人は姿を消し、魔物も残った人類も私服を肥やそうともせず、民衆のために力を尽くしていた。
そんな理想郷のような国の中に、大きな悩みを抱えた人間が一人。それは魔王から王様となった国王その人であった。
自分と同じ悪人を始末し過ぎた結果、人間の街は遺伝的に良い人で溢れ、誰も反乱を起こしてくれない。
簒奪した国の姫は、民衆を解放して腐敗を追放した魔王に喜んで嫁ぎ、最後まで王様を尊敬したまま天に召され、さらに魂を売ったはずの悪魔は、数々の善行により魔界を追われ、羽根が真っ白になって天使にされて天界へ旅立ってしまう有様。
このまま自分が死ねば、退屈な天国に召されてしまう。
危機感を覚えた王様は、かつて勇者と共に魔王軍と戦った僧侶を召還し、パーティーを組んで自分を倒すよう依頼する。
僧侶も、この間違った運命を正すため、そして世界の誤った営みを理解するためにも、王様の計画通り、無能な勇者の孫を巻き込み、新たな戦いを始める。
王様は、かつての「ひみつ基地」に戻り、元は悪魔だった天使復活と降臨の儀式に着手する。
しかし、汚かった基地は「王国発祥の地」として巡礼者に整備されてしまい、白亜の神殿と化していた。
呆然としながらも、準備を始める王様。天使が降臨すれば、今度こそ自分が望んでいた混沌と無法の世界がやって来る。王様の明日はどっちだ?
勇者を倒した魔王と配下の魔物達は、我が世の春を謳歌している、はずであった。
魔物が貴族として君臨する人間の街は、何故か豊かになり、ならず者や腐敗した政治家と小役人は姿を消し、魔物も残った人類も私服を肥やそうともせず、民衆のために力を尽くしていた。
そんな理想郷のような国の中に、大きな悩みを抱えた人間が一人。それは魔王から王様となった国王その人であった。
自分と同じ悪人を始末し過ぎた結果、人間の街は遺伝的に良い人で溢れ、誰も反乱を起こしてくれない。
簒奪した国の姫は、民衆を解放して腐敗を追放した魔王に喜んで嫁ぎ、最後まで王様を尊敬したまま天に召され、さらに魂を売ったはずの悪魔は、数々の善行により魔界を追われ、羽根が真っ白になって天使にされて天界へ旅立ってしまう有様。
このまま自分が死ねば、退屈な天国に召されてしまう。
危機感を覚えた王様は、かつて勇者と共に魔王軍と戦った僧侶を召還し、パーティーを組んで自分を倒すよう依頼する。
僧侶も、この間違った運命を正すため、そして世界の誤った営みを理解するためにも、王様の計画通り、無能な勇者の孫を巻き込み、新たな戦いを始める。
王様は、かつての「ひみつ基地」に戻り、元は悪魔だった天使復活と降臨の儀式に着手する。
しかし、汚かった基地は「王国発祥の地」として巡礼者に整備されてしまい、白亜の神殿と化していた。
呆然としながらも、準備を始める王様。天使が降臨すれば、今度こそ自分が望んでいた混沌と無法の世界がやって来る。王様の明日はどっちだ?