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雪山
雪山を捜索しにきた三人。
近くでみてみると雪というよりは
軽く凍ったような霜だった。
「不思議なこともあるんだな、この時期に
こんな風になるなんて」
「ええ、普通ではありえないと思います。
広範囲にまで及んでますからね」
「なるほどね〜、…あれ?」
ふと恵美が山の上の方を見て何かに気づいた。
綾人達も見ようとしたその時だ。
さっきまで晴れていたのに急に吹雪が
始まった。
「ちょっ!いきなりなんだ!」
「わかりませんがこのままでは危険です!
一旦戻りましょう!」
「待って!でもあそこに…」
「いいから恵美!早く!」
綾人に手を引かれながら下山する三人。
恵美が言っていた方向には…白い着物を
きた女の子が立っていて綾人達を見ていた。
「あの人達…誰だろう…また悪い人…かな…」
そう言って吹雪の中に消えて行く。