自己紹介
入学式がこれから始まる。
どうやら何かあるらしいが、はたしてなんなのか
生徒達が体育館に集まると入学式が始まる。
校長が不在のため教頭が立って話をし
最後にある話題を出した。
「えー今世界では謎の精神病が流行っていると
聞きます。噂では影のようなものに襲われる
ことによって起こるものだと…みなさんも
夜中に出歩いたり危険な所にはいかない
ようにして下さい。」
その話を聞いた恵美は以前自分に起きていたこと
を思い出していた。
(あれは幻なんかじゃなかった。実在したんだ)
(じゃああの時助けてくれた人はなんだったの?)
恵美がう〜んと考え込んでいると静香に
話し掛けられる。
「恵美ちゃんどうしたの?今日は考えこむこと
多いね。恋でもしたの?」
と嬉しそうにニヤニヤしながら言ってくる。
「ちょっと!そんなわけないよー。ただ最近色々
あったなって」
「ふーん、とりあえずクラス発表もうあるみたい
だからみて帰ろ」
「うん」
二人で体育館を後にし、クラス発表の紙がある
場所まできた。
「えーっと、私は…1-Bか。」
「やった⁉︎一緒だね」
どうやら静香と一緒のクラスになったみたいだ。
「じゃあ帰りにちょっとだけ寄り道でも…あれ?
あの人って」
そう言って静香がどこか見ながらいうため
振り返ってみると
「あっ今朝門の前にいた人!」
相変わらずぼーっとしたような感じの少年がそこ
にいた。
恵美達の会話に気づいたのかこちらを振り向く。
「ぼくに何か用ですか?」
少年は少し微笑みながら話し掛けてきた。
「いや、その、今朝門の前で何してたのかなぁ
と思って」
「今朝…?あぁ、あれは風を感じてたんです。
気持ちの良い風が吹いていたから」
「あー、確かに春風って感じだったね。
遅くなったけど、私は香坂恵美
恵美とでも呼んで。
こっちは親友の静香。」
「よろしくねー。静香でいいよ」
「恵美さんと静香さんですね、よろしくお願い
します。僕は遠峯綾人。綾人でいいですよ。」
「じゃあ綾人くん!クラスはどこだった?」
「今探してたとこです。えっと…あ、1-Bですね」
「なら私達と一緒だね、一年まずよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
「綾人くん、この後恵美ちゃんとお茶でもしてく
つもりなんだけど一緒にどう?」
「いきたいですが、今日はやることがあるため
またの機会にでも…」
綾人はそう言いながら恵美を見ていた。
「ん?どうかした?綾人くん」
「いえ、以前どこかで見たことがあるような気が
したのでつい」
「そう言われると私も見たことあるような…」
二人して考えこんでいると横で静香が
ニマニマして見ていた。
「ちょっと!何ニヤニヤしてるのよ!」
「いやぁ、これが運命ってやつなのですかねぇ」
オホホホと笑いながら歩き出す静香
「じゃあまたねー綾人くん」
「ちょっと静香!もう、ごめんね綾人くん。
じゃあまた時間あったら一緒しようね」
「わかりました。ありがとうございます。」
綾人は走っていく二人を見送ると考えていた。
(もしかしてあの子あの時の子かな?)
そう考えながら綾人も帰路に着いた。
入学式が始まり、謎の影の話しがでた。
噂といっていたが、恵美には心当たりがあった。
その後ついに綾人と出会いをはたす。
はたしてこの後二人はどうなっていくのか。