第二章 その1
「おかえりなさい。おふろにする?ごはんにする?それとも か・な・ちゃん?」
「寝る。」
2学期始業式を終え、帰ってきた後にすぐ汗ばんだ肌着を脱ぎ、洗いたてのに着替えて自分の部屋のベッドにバタンと体を預けた。
部屋は涼しかった。
「そろそろ帰ってくるかなと思っていたのでエアコン付けておきました。」
「サンキュー。」
時には役に立つ事あるんだな。
「それでそれで、どうでした?」
「何がだ?」
「葵ちゃんの『ブ ラ』透けて見えましたか?」
時には本当にド変態な事も言う。
「見えませんでした。」
「じゃあ他の女の子――」
「見えませんでした!!」
こいつ…何でこんなにも変態なんだよ!実はド変態な女装がめちゃくちゃ上手い男性とか言わないよな?
僕自身も変態じゃないと言えば嘘になるけど……。
「悠くん。こんなにも暑いのに透けなくて残念でしたね。」
「何でだよ!!!」
「だって、思春期の男の子はこういうのが好みなんでしょ。」
間違ってはないが…、
「いくら思春期の男だとはいえども全世界の男全員がそうってわけじゃないからな。」
「あら…残念です。」
「残念じゃない!!!」
分かっていて言っているのか素で分からないのかは分からないがたったこれだけで疲れが一気にドッと出た。
はぁ…とため息を一つついて僕は毛布を被ってベットの上で丸くなった。
「あ、そうだ悠くん。明後日は全国高校生模試テストでしたよね。」
「んー。」
「ちゃんと復習とかしなさいね。一応受験生なんですから。」
母親みたいなことを。
「んー。少し寝たら…。」
夏奈が何か言ったような気がしたが僕はそのまま意識が遠のいていった。