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僕、なぜか幽霊と同居しているんです  作者: 三峰時雨
第四章
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第四章 その3

 テレビでは満開の桜の特集が流れていた。

「裕くん。ちょっと夜桜見に行きましょうか。お花見しましょ。」

「奇遇だな。僕もちょっと今から花見をしたくてだな。」

 僕はあのことを告げられて少しした時にそこに1度夏奈と行きたいと思った。地元の人から見れば桜の名所でもあるがうちらは地元ではない。

 ただ元地元で、今住んでいるところも埼玉の桜の名所として名が知れているが僕はこっちの方が綺麗だと思っている。

「ねえ。電車使うけどいいか?」

「フッフッフ。奇遇だな。夏奈も電車で行こうと思ってたんだ。」

 僕の真似をしてきたというのは分かった。下手だな。

 時刻は午後の10時前。十分間に合う。

「よし。行こう。急いで準備するよ。」

 そう言って僕は急いで準備すると家族にバレないようゆっくりと家を後にした。


 電車でゆらゆらと揺られて30分。目的の場所に着いた。

 僕と夏奈はその30分一言も喋らなかった。ただ分かったのは目的地が同じということ。


 覚えてるんだ―――。


 中央口という改札を出てからすぐ。

 左手にある階段を上っていく

 意外と足腰が鍛えられる階段。上り終わって少し進むと階段。上り終わって少し進むと階段。というのが繰り返されている。

 なんか…疲れた。

 足腰が鈍っているというのは分かった。こんな急な感じだったっけ?正直に言ってもう10年以上前の話だ。道は覚えていたものの坂の角度や景色は完全に覚えていなかった。

 明かりの灯った灯篭が僕達を道案内をしているようだった。

 その灯篭の道を進んでいくと子供用の遊具がいっぱいそろえられたところに着いた。

「覚えていたんですね。」

「いや、ついこの前思い出した。」



 ―――そう。10年前のあの時を。


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