第三章 その1
「明けましておめでとうございます。」
「こちらこそ、明けましておめでとうございます。」
学校の始業式。元旦に神社で会っていてそこで新年のご挨拶をしたが、なぜか学校でも今年2回目の新年のご挨拶をした。
しかし、川内さんが着ていた赤い振袖は可愛かったなぁ。
「天城くんは正月はどう過ごしたの?」
「悠くんは完全に寝正月でしたよ。」
お前何時からいた。
「まあ、食っちゃ寝生活だったな。あ、でもセンター試験対策もちゃんとやってたよ。」
「ほんとー?」
「まあ悠くんは食っちゃ寝ながらも勉強してましたね。」
「そう。夏奈ちゃんが言うならそうなんだろう」
僕の信用性の無さ。
「2人とも。あと11日しかないから今日からがっつりやっていきましょう!あ、教えられるところは教えるよ。」
「もう2週間切ってるのか――」
ついこの前まで二百何日だー何ヶ月後だーなんて言っていたけれど時間が過ぎただけででもう11日前に迫っていたのか。
あっという間だな…。
「――よし。頑張るか。」
「2人とも今日時間空いてますよね。」
「空いてるよ。川内さんは?」
「勿論!」
お、やる気満々だな。
「じゃあ今から図書館で缶詰しよう。」
その言葉で僕達はそのまま図書館へ向かった。




