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僕、なぜか幽霊と同居しているんです  作者: 三峰時雨
第二章
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第二章 その3

「天城くん。帰ろー。」

「はぁ~。長かった。」

 午後4時ぐらいまでの試験。大学は1コマが90分とかなのだろうから試験は長いのが当たり前。

 外に出ると川内さんが「模試どうだった?」と聞いてきた。

 僕は無言で首を横に振った。

「まあ、明日の放課後に図書室で自己採点しよ。」

 そう言うと川内さんは「じゃあ明日ね。」と言って駅の中へ入っていった。

 僕は帰る途中でコンビニに寄ってお弁当を買って帰った。


「あら、悠くんお帰りなさい。お疲れ様です。」

 夏奈は僕のベットに座って本を読んでいた。

 僕は自室のテレビの電源を付けて、録画しておいた昼のニュースを見ながらコンビニで温めてもらったホカホカのお弁当に手を付けた。

「今更なんだけどさ、お前ってご飯とか食べなくても生きていけるんだな。」

「言われてみればそうですね。」

 気づいてなかったオチですかそれは?

「まあ無機物ってこともあるからかもしれませんね。」

 無機物。間違ってはないと思うが、触ることができるという感触があるのに無機物とは言えるのであろうか?いや、無機物と有機物の間か?それともこの幽霊自体が有機物かも。

「でも食べることもできますよ。」

「食べ物が浮くけどな。」

 僕から見ればロングヘアーの女子高生が食べている絵になるが、他人から見れば完全にホラー映像である。

「でも食べないってことは味が分からないですからそこがとても残念なんです。」

「これ、食べるか?箸の持ち手を使えばいいでしょ。」

 そう言ってまだ手を付けていない海老フライを差し出した。

 夏奈はその海老フライをじーっと見つめ、読んでた本をしおりを手早く挟み、パタッと少し乱暴気味に閉じてその後パクっと半分ほどを口に入れた。

「んー。美味しい!この味久々!!」

「喜んでいただけたことで何よりだ。」

 幸せそうに食べる夏奈を見て僕も思わずほほ笑んだ。

 もっともっとと要求する夏奈を見て、僕は下の台所から割り箸を一つ持ってきて夏奈に渡し、2人でほとんどおかずしか残っていない1つのお弁当を分け合いながら食べた。


 今度からは夏奈の分も買ってあげよう。

そう思った俺だった。


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