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ゲームの果てに  作者: 痛すぎる人
1/1

第1話:1時間くおりてぃだよ。

夏の日差しがキツい…

 とか普通のラブコメとかだったらこういう感じで始まるだろうが、俺は違う。なんでかって?…そうだな、まあ簡単に説明すると俺、小鳥遊蛍は部屋から出てこないヒキニートなのだ。(しかも3年半くらい。)

 ある人は言う。「ニートとヒキニートは全くの別物だ」と。否、それは間違った考えだ。ニートというカテゴリから離れてないのであれば結局ニート、又は無職と言われてしまうのだ。

 ソースは俺。ドアの向こう側にいる母に「いい加減に学校に行け」と言われ、音楽作成中だったものだから「仕事中!」と言ったらそれと同じような返しが来た。

 たまにいるのが「部屋でいつも何してるの?」って聞いてくるヤツ。アレなんなのん?「お前無職なのに部屋から出ないでバイトもしないとかお前の人生オワコンだろ?」っていう裏の意味が丸見えだよ?あと10枚くらいオブラートに包んでくれない?心にグサグサ刺さって死ぬから。

 と、頭の中で考えながら俺は今新しく入手したまだベータ版のオンラインゲーム、『Hell of War』のランチャーをクリックしていた。

 『Hell of War』はベータ版の今でも日本を含むアジアのサーバーだけでも5万人を超えるユーザーが常にオンラインになっており、全世界総ユーザー数は一千万を超える、俗に言う「今話題の人気ゲーム」の一つと言える。

ジャンルはファンタジー系アクションゲームで、敵をバンバン倒しレベル上げをしてボスに挑む、バトルアクションゲームの典型と言える。ただ他と違う事が2つある。

 一つはこのゲームの要となる、世界初の[NC端子(Nerve-Connection)]の採用だ。このNC端子の最大の特徴は、首と胴体の付け根に独特の磁気ヘッドを装着・固定し、そこに繋がるケーブルやインバータ(信号変換装置)を通してPCと同期、操作を頭で行うというものだ。5感すべてに電気信号を送ることによって、脳に現実に見ている景色とはまた別の景色を上書きして見せることが出来る。これが一つ目の他と違う事。

 二つ目は、このゲーム、不思議な事にベータ版がここ5ヵ月ずっと続いていて、攻略Wikiなどのスレでも

「開発陣営やる気あんのかコレ」

「ワイの金…」

「なんか問題あったんじゃね?」

と不安の声が増えている事だ。

 ちなみによくパッケージ裏にはクレジットやら会社の名前が書いてあるが、このゲームのパッケージ裏には「現実を捨てろ。」というワケの分からないスローガンなのかキャッチコピーなのかも分からない1文だけが描かれていた。

 早速目の前が真っ暗になった。視覚神経の同期が始まった様だ。続いて身体が動かなくなり、耳も何も聞こえなくなる。感覚的には麻酔みたいだな。


 目の前が暗くなって5分くらいか?少し時間がかかるな…と思っていた次の瞬間。

 ドォォォォン!

 耳鳴りがするほどの大きな音。爆発音だろうか?動揺していた自分の前に広がった景色は…

 

  美しい街の景色だった。

 

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