2話
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
2017年初投稿
本日は2話連続掲載します。
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目を覚まして部屋に備え付きの時計で時刻を確認するとあれから5時間近くもの時間を寝ていた様だ。
部屋から出て指揮所に向かうと室内にはユーネとその副官に参謀が数人いた。
皆グランツの姿を確認すると席から立ち敬礼をして来るので答礼を返す。
1番の上座に座ると他の者たちも席に着く。
「私が休んでいた間に何か変わった事はあったか?」
質問すると参謀の1人が席から立ち上がり
「はっ!第3小隊が魔物と出会い会敵致しましたが問題なく対処しました。負傷者は無く魔物には十分にL-IIレザー銃が効果を発揮致しましたが、会敵したのは総統閣下の知識にありました低級の魔物でしたのでそれ以上の物には効果があるかどうかはまだ確認出来ておりません」
「そうか、了解した。他には?」
「はっ第2小隊が目指した東方方面は海岸部に到着しました。以降その周辺を索敵しましたが目ぼしい物は特にこれと言った物は発見出来ておりませんが、船着場に最適の場所を複数箇所発見致しました」
「わかった。次は第1小隊はどうなった?」
別の者が席を立ち報告してくる。
「はっ!北方方面担当の第1小隊も同じく海岸部に到着しました。まだ西方方面担当の第3小隊が探索を完了しておりませんので確証は得ていませんが、恐らくここは島では無いかと愚考します」
その言葉に他の者たちもやはりそうかと頷いている。
「うむ、私もそう思う。では、ここを島と仮定して他に住人などが居ないかの確認へ移れ」
「はっ!ですが総統閣下恐れながら意見陳情しても宜しいでしょう?」
そう言って挙手したのはユーネだ。
「構わん言ってみろ」
「はっ!現在の人員では調べ終わるのに幾分か時間がかかり過ぎるかと思われます。よって追加の人員を希望致します」
ユーネの意見に他の面々も頷いている。
「その意見には私も賛成だ。すぐに二個大隊2000名余りを用意する。更に砲兵中隊も追加する。それに伴ってミスロバ大尉には私の副官として大佐に昇進させる事にする。そしてミスロバ大佐の副官のラッテン少尉には現在の第1中隊の中隊長に任命して大尉に昇進とする」
2人は席から立ち上がり敬礼して「「はっ!拝命致しました!」」と元気よく返事をする。
それに1つ頷き答礼する。
その後二個大隊を召喚してそれに伴い2人の階級章が変わる。
砲兵中隊は基地に待機して緊急事態に備え二個大隊を島の探索に当てる。
第1大隊大隊長のコンラッド中佐と第2大隊の大隊長ラーム少佐を呼び2人にも指示を出す。
基地もあれ(最初に建設した物)から規模を少しずつ拡大し、工兵部隊や整備部隊、補給部隊の後方支援組も続々と召喚させて戦力の充実化を行なった。
最初にいた海岸は喫水線が深かった場所がありそこには軍港を作り戦艦を数艦用意した。
更には原生林を開拓していきそこを更地にして十分な広さを確保するとコンクリートを敷いて行き、空軍基地を作り数多くの輸送機や戦闘ヘリを駐屯させた。
他にも色々な設備を設置し島を要塞化して行く。
更には衛星も二基召喚してそれに伴い衛星基地局も作り打ち上げた。
これにより初期にあったポイント10,000,000ポイントは現在657,800にまで減少した。
特に衛星が高かった一基100,000ポイントも必要だった。
そしてWW7専用の人型機動兵器ティターンの第一世代機アルサース型一個大隊56機を召喚した。
大きさは約10m程で体型は重装甲でズングリとした体型だ。
型には二砲のカノン砲が載せてあり口径149.1mmある。
腕には突撃銃が装備されており腰には刃渡り3m程の短刀が装着されていて近接戦になればこれを抜き戦う。
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そして暫く経つとこの島を隅々まで調べ終わった。
そして打ち上げた衛星写真からの情報で周りにも似たような小さな無人島の島々がある事が判明した。
よってこの島々にも調査団を送り基地を建設した。
この周りの島々を我が国の領土として此処に軍事国家フリーデ国を建国する。
フリーデは平和を意味してこの戦乱の世を武力によって平定すると意味を込めて作った。
平定の為に争うとは矛盾しているがそうでもしなければ争いは終わらない事をしてっているからだ、例えそれが仮初めの平和だとしても我が国は突き進むだろう。
衛星写真から我らがフリーデ国の居場所は大陸から離れた場所にある。
つまりフリーデ国は島国であり海洋国家となる。
フリーデ国から大陸まで凡そ500km離れている。
今拠点にしているこの島はフリーデ国の本島にあたりこの島の名はオリジネ島にした。
1番端の島には外に対しての監視塔と監視装置各種を設置して迎撃用兵器も隠して配置した。
領海内は絶えず警邏艦隊がパトロールして魔物の対処や侵入者の警戒に当たっている。
建国から数週間が経ち問題なく運行している。
グランツは現在ティターンの第1世代機アルサース型を改良した機体を試乗していた。
ガルリア重工と言うティターンや戦車などを整備や製造する工場を作りそこにアルサース型の改良を依頼していた。
召喚以外でも新たな機体を作れないかと試してみた結果だ。
射撃訓練や格闘訓練、本番さながらの演習をして確かにこの機体はアルサース型よりも性能は上がってはいるが第2世代機にはまだまだ及ばない。
この改良した機体名はアルサース改と呼ばれて第1世代機の隊長機にする事が決定した。
それ以外にも問題点などをガルリア重工のCEOと整備責任者や研究開発者を交えて会議をしている時に警報が鳴った。
因みに兵士以外の職業の人間も召喚が可能で現在のフリーデには民間人も多数在籍している。
楽しそうに買い物をする親子、そんな親子を呼び止め商品を進める商人など活気に溢れていたがそんな平穏な光景は突如起った警報によって失われる。
市民達は避難シェルターに軍の誘導に従って加速的速やかに安全に行われた。
グランツは自身の警護部隊を率いて司令部の建物へとHMMWVに乗り急がせる。
司令室に着くとそこにはグランツの副官のユーネが居た。
そして階級章を見れば変わっていた。
軍の規模の拡大に伴って現在は副総統の地位へと昇進している。
そしてグランツの後ろには秘書官筆頭のアルネール・キミッシュも付いてくる。
グランツに気づいた司令室の面々が席を立ち敬礼をする。
それに答礼を返しながら状況の説明を促す。
「ユーネ。この警報は侵入者だが何が侵入した?」
前にも二度程領海内に大型の海洋型魔物の大群が押し寄せて警報が鳴った事がある。
その時は警邏艦隊だけで見事迎撃に成功した。
今回もまたその類の類だろうと思っていたが、彼女の顔を見るにどうやら違う様だ。
「はっ!領海内に入ったのは二隻のガレオン船です。国旗から判断しますにパルミオン王国海軍の物かと」
ユーネからの報告に頷く。すると後ろに控えていたアルネールがパルミオン王国についての事細かに書かれた資料と共に口頭で詳細を話してくれた。
現在フリーデは確認されている二大陸に諜報員部隊を各地に放って情報収集活動をさせている。
その結果からまだどの国もフリーデ国の存在を知り得ていない事が判明している。
フリーデがあるこの島々は元々どの国にも所属しておらずここら辺に島がある程度の認識しか持たれていない。
近づいて来るパルミオン王国の現状は非常に苦しい局面な立たされていると言えるだろう。
それと言うのも隣国であり大国の1つである帝国に勇者なる者とその仲間が数週間前に異世界から召喚された。そして帝国はその者達の力を(主に大義名分に使われて)用意て侵略戦争を始めた様だ。
パルミオンは現在各国に救援要請を発しているが救援要請に応える国は居らず逆に虎視眈々と領土を狙って国境に軍を配備する始末だ。
なのでこの王国所属の軍船は(幸い沿岸部の国なので)別の大陸にまで救援要請を出しに向かっている途中らしい。
各国にはエーテル通信機と呼ばれる無線通信機器が存在し遠く離れた場所と会話出来るがまだまだ距離には限りがあり、大陸間を繋ぐ程の距離は届かない為に使節が派遣されたとの事。
基本的なエーテル通信機単独だと精々100km四方が限界であり各地に中継施設を設けているのが各国の現状である。
その二隻のガレオン船は偶々我が国の領海と知らずに侵入して来た可能性大だそうだ。
なので此処は警邏艦隊を派遣し事情説明に向かわせる事にした。
警邏艦隊の艦隊は全てアイオワ級なのでその一部の艦隊4隻を派遣した。
さて、相手はガレオン船だ。アイオワ級で十分だろうがこちらの世界には魔法が存在するので念の為に上空にEC665ティーガーを5機配置する事にした。
そして出撃したアイオワ級艦隊4隻がパルミオン王国のガレオン船2隻を視界に収めたと連絡が入った。