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鋼鐵の海神  作者: 月野原行弥
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世界観

 平成の終わり頃、世界は太陽嵐による電波障害に見舞われた。太陽の異常活動が有害な電磁波をもたらすことで電波も電子機器も使用できない状況に追いこまれてしまったのである。当初は一過性の現象と考えられていた太陽嵐はなん年も続き、人々は不安に苛まれるようになっていった。その有害な電磁波を浴び続けることによって癌の発生率が激増し若くして命を奪われるものが増え続けるにつれ人々の不安は頂点に達した。

 人々は電磁波の届かない地下へ逃れようとしたが、このことを見越して地下への利権を買い占めていた一部の資産家や投資家によってそこはすでに独占されてしまっていた。そのため地下へ移住するには多額の費用がかかるようになり地下へ移り住むことができた富裕層が上流階級、地上へ残らなければならなかった中低所得層が庶民へと階級が分かれ始めるようになっていった。国によっては富裕な上流階級が貴族となって権力を握り帝政が復活したところも少なからずあった。

 この傾向に拍車をかけたのが人間の寿命がはなはだ短くなったことである。以前であれば働き盛りであった四十代で死亡する人間が大幅に増えたことにより労働力の不足が深刻化した。それを補うため成人年齢が引き下げられ十代後半から二十代前半の世代が社会の中心となっていった。しかし、それだけでは手が足らず以前は男性がほぼ独占していた政治、経済、軍などの中枢へも女性が進出することが当たり前になっていった。このような若い世代を、地下に身を潜めることで比較的長い寿命を保つことができた老獪な貴族階級が手玉に取ることで社会を自分たちの意のままに操ったのである。

 また電子機器が使えないということはコンピューターによる原子力発電の安全な制御も不可能になったということも意味していた。人類は残り少なくなった石油資源を奪い合って世界は再び戦争へと突入していった。

 兵器もコンピューターなしではミサイルや超音速戦闘機などを制御できるはずもない。必然的に人力で制御できるものへと退化せざるを得ず、そういう兵器が歴史上最も進んでいた第二次世界大戦中の兵器のレプリカが主力兵器として用いられるようになっていた。



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