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勇者の先輩  作者: Mr?.YK.
第一章 新学年、開幕。
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第1話 3-E(落ちこぼれではないですよ?)

ああああああああああああ(ry


………すみません、水曜日に更新すると言っておいて遅れました。




注:第一話なのは確かだけど説明多過ぎて辛い。

しばらくは説明増し増しだけど許してヒヤシンス

現在の家でもある商店を出て大通りを進む。






皇城を中心として円を描いて広がる皇都エフラストルムにおいて、マルカティア商会の本店・本社は西側商業街でも東側、やや貴族街寄りにある。


しかし、本店がそこにあるだけで貴族街寄りに店を構える事はない。

周りの他商店もそうだが、東西南北に存在する大通りの何処かに本店、他3つの大通りにほぼ必ず支店がある。


ここでこの話をしたのは、商会幹部の子供達も皇立学園に通っている為で、必然的にその辺の話が入ってくる為だ。
















ふと2年前に聞いた説明を思い出しながら東に向かって歩いていく。




商業街から貴族街へと入り、両側には貴族たちが自身の権威を示すべく建てた豪邸が建ち並ぶ。


いつ見ても壮観だが、幾つか無駄に技巧を凝らしたものもあるから好感度が上がるかと言われれば微妙なところだ。

そもそもこの地区に来る事はない普通の平民達からすれば豪邸自体が嫌味ったらしいのだろうが。








そして貴族街の奥に辿り着き、城門を通る為に検問所へ向かう。




皇立学園は皇城と隣接しており、皇城エリアのうち北東部分の敷地が学園として整備されている。


南や西側からの場合は一度皇城エリアに入り、内部に整備されている道を使って向かうことになる。


皇城エリアとその外側の貴族街とを隔てる城壁の内外の通行は通常皇城関係者、つまり貴族や商会幹部など以外は不可能だが、学園生は関係者として処理されており、学園に通っている間は通行可能となっている。








「おはようございます。通行証を見せてください。」


「こちらを」


「………ありがとうございます。

今年も一年よろしく、セルジュ君」


「こちらこそ、エルさん」




検問所で通行証の確認業務をしていたのは昨年度から担当されているエルさんだった。


普段城門を通るのは地位の高い人ばかりなので、身分自体は平民な俺と、平民出身の軍兵で学力も高いからここに警備兵長兼任で配属されたエルさんとは次第に仲良くなった。


規律正しい軍兵だろうと、生真面目な筈がないのは当たり前であり、実は休日に一度食事に連れて行って貰ったことがあるくらいの間柄だ。




互いに顔見知りだろうが業務は間違いなく行わなくてはならないので、こちらも通行証と生徒証を見せて許可を得る。


ちなみに通行証と生徒証は別であり、これはどちらかが偽造されても片方だけでは許可しないようにする為である。

なお両方偽造されても学園が発行したリストがちゃんとあるのでバレるとのこと。対策はキッチリされているということだ。

















城門まででおよそ20分程に、皇城エリア内に広がる綺麗な庭園の中に整備された道を歩くこと10分、合わせて片道30分程歩いて。




エフガルム帝国皇立学園に到着した。


城門を潜ってから進んできた道は学園内を突っ切って一周しており、その両側に施設が広がっている。


初等部、中等部、高等部に分かれており、それぞれが原則五年制である。


さらに高等部以降も研究者(隣接して皇立研究所がある)や講師(研究者兼任可能)としてこの学園に居ることも出来るので、人によっては幼少から老人になるまでずっとここで過ごしている人もいる。




高等部の校舎の入り口横の掲示板にクラス分けが掲示してあった。


「ふむ………3-Eか」


Eと聞くと終末感を感じるが、それをいえばクラス分けは階級分けがあることもなくA〜Fまであるので特に何かあるわけでもない。






校舎は三階建てで、一年生と二年生が三階、三年生と四年生が二階となっている。


五年生の教室も一階にあるが、四年生の後半ごろから卒業に向けて各々の行動が分かれるのであまり使われていない。


一階の残りのエリアは講師や事務員の為の事務室で、研究者兼任の場合は別途研究室を持っている人もいる。











靴を脱ぎ、入学時に配布されたスリッパに履き替える。

結構よれよれになっているが、まだまだ使える愛用品の一つだ。


階段の使って二階へ。向かって左に三年生、右側に四年生の教室が並ぶ。


E組の教室は左側の真ん中である。






教室へ入ると、およそ席の半数が埋まっていた。


1クラスあたり30人前後で、このクラスは31人間居る。


現在時刻が8時を少し過ぎたぐらいで、今日の集合時間が8時30分とされているところを考えると、新学期で動きが早くなるのは皆同じといったところか。




「おはようカチア。また同じクラスになるとはな」


「おはようセルジュ。ホントよ、どうして三年連続でこうなるのよ。腐れ縁ってやつかしら」


「ハハ、違いないな」


「そうね。今年もよろしく」


「こちらこそ」




彼女はカチア・ノルディア。マルカティア商会と同様、皇都に拠点を置くノルド商会の会長の孫であり、次の次の会長になる権利を持つ者の一人である。


そういう立場にある彼女と俺との距離は当初大きいものだったのだが、所属先というか、家が商会関連であること、その商会が互いに凌ぎを削る関係にあること、何よりそれらで話をするのが2年連続どころか3年目になっているので気づけば一番よく話す間柄になっていた。なお恋愛感情は間違いなくゼロである。そういう面の関係はないし。


俺はある事情から、彼女は家系自体が幹部筋で、商会の深いところまで知っているから下手に親密になって話すと情報が漏れる場合があるからだ。


商人にとって情報は命。互いにそれがわかっているから、日常会話こそ普通にしているが、それ以上にはならないということだ。




理論立てて説明したが、純粋にそりが合わないという方が大きかったりする。

うん、こいつとの未来だけは絶対無い。


………つーか、コイツが好きな奴知ってるしな。




というのも─────




「おっ、ようセルジュ。それにカチアも」


「ようジェイド。一年ぶりだな」


「その言い方だと一年間一度も会ってなかったように聞こえるけど、俺らはほとんど毎日会ってただろうが」


「でも私は本当に一年ぶりよ?」


「そうだったな。久しぶり」


「そ、そうね、久しぶりね」




コイツはジェイド。俺と同じ特待生で、一年生の時はカチア含めて同じクラスだった。紆余曲折あって現在はマルカティア商会東側支店で俺と同じように働いて暮らしている。


そんでもって、見ての通りカチアが一目惚れした男である。双方に問い質しても詳しい答えは聞けなかった(一目惚れであることも小一時間問い質して聞き出した)。




「にしても、知ってるわよね?皇帝が勇者を異世界から召喚したって話」


「あぁ、しかもこのクラスの人数と同じくらい」


「異世界の学校のとある教室にいた奴ら全員って、全員強い保証はあるのか?」


「そんな詳しいところまで知らないわよ。………で、問題はここから。その人たち、今日から二年生に特別クラス作って編入されるのよ」


「「!?いや、知ってたけども」」


「知ってたんかい!!!

ゴホン、そうじゃなくて、貴方達特待生は面倒な事になると思うわよ」


「あー、自分の力に慣れてない勇者達の教育を手伝うんだっけか」


「確かに、めんどくさそうだな」


「まぁ、自分の実力も上げられるだろうしいいだろうと俺は思うがな………」


「そん時にならなきゃわからない、ってとこかしらね」


「「そうだな」」






特待生というのは、俺やジェイドといった平民が、貴族、豪商といった、所謂上流階級向けのこの学園に入学する為の、ほとんど唯一といっていい方法である。


一般人とは遥かに異なる能力を持ち、しかし学園の授業料が支払えない(それなりに裕福な平民家庭が一年間に使う額で高等部一ヶ月の学費ぐらいに考えてくれるといい)者たちが、学園でその才能を伸ばすために学費免除を中心とした処置が受けられるものである。

なお奨学金制度は別で存在するが、特待生の場合は、免除された学費は支払う義務が起きない。しかし、特待生に相応しい存在を維持しているか年度改めの時に確認され、そこで相応しくないと学園側に判断された場合はその次の年度から学費の支払い義務が発生するため、支払えなければ学校から出ていくことになるなど、割とシビアだったりする。






そして、勇者達と同世代で、実力が伴っている特待生は勇者達と互いに交流し、その力を伸ばしていくようにとの国の意向というわけだ。


その分普段の授業以外にも時間を取られることになるが、別にこの考え自体はいいものだと思っている。

……………双方に厄介な者が居なければという注釈付きだが。











そんなこんなで話していたら先生が来たので席に着く。




この後の始業式の段取りを説明されて、講堂で始業式をして(勇者達は居なかった)再び教室に戻り、明日からの予定を確認して解散となった。


よく考えたら当然なのだが、二年生のエリアに勇者達が居る事は無かった。

元々教室が一階層に12部屋ちょうどで全室埋まっているから尚更場所がないのだが。




………実はクラスに皇女が居たり他にも顔見知りというか印象に残るタイプの人は居たが、挨拶を交わした程度で特に何も無かったので割愛する。











こうして俺の学園生活三年目は幕を開けた。




これからの動乱は誰の目から見ても明らかだったが、それが予想通りかどうかはまた別の話である。

当初(先週時点)の予定では昨日の1時ちょうどに、つまりプロローグ投稿のちょうど一週間後に更新する予定だったのですが、火曜時点で忙しく書き上がらず。

仕方なしに夜が開けて、そしたら余計に忙しくて昼間に書けず。

「水曜日に更新するって言った!嘘は言ってない!」ってことでギリギリ狙ってたら日付過ぎてました………(日付の変わる大体30秒前に完成。そこから更新は無理だぜ………)


今後は遅くても一週間を目標に、書けたらその日の翌日1時更新をモットーに頑張ります。ので、どうぞよろしくお願いします。




次回は多分三人称視点。とは別に人物紹介書くと思います(主に作者が忘れない用)。

人物紹介は割り込みで先頭に持ってくる予定ですが、しっかり警告を何度も繰り返しますので本編最新話の読了後に閲覧するようにしてください。なんか色々と台無しになりかねないので。

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