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魔族襲撃 前編


「キャアアアアアアアア!!!!」


炎が燃え盛る音などものともしない叫びが辺りに響く、しかしそんな叫び声など知ったことではないとばかりに突き進んでいく。直ぐ側に棒を持った男と震えている少女がいた。


「く、来るな化け物!!!や、止め」


「ザンッ」という音がすると棒を持っていた男の首が落ちた、だがその首を落とした張本人である黒い鎧兜を着た影はまた人を殺す為に歩くそして殺す。火に逃げ惑う人々を追い自分は火など効かないといっているかのようなゆっくりとした歩き方で火に囲まれ動けない人間を殺す。黒い鎧を着た影はそれを繰り返し今また一つ殺す筈だった。


「だ、誰か...助けて....」


震える声で助けを求めて来る少女の声など聞こえていないと言われても納得してしまうような動きで剣を上に掲げ一気に降りおろした。「ザンッ」という音と人の肉や骨を断ち切る感覚がしなかったのを疑問に思う時間すら与えられず黒い影は斬られ鎧兜を残して消えていった。


「水よ、巨大な波となりて業火を鎮めろ《アクアウェーブ》」


黒髪で軽そうな鎧を着た人物がそう言うと巨大な波が現れ、燃え盛っていた炎を消えて先程までの惨状が嘘のようになった。


「う、嘘...」


「大丈夫?」


黒髪の人物が話し掛けてきたのに反応したのは話し掛けられてから15秒程経ってからだった。


「あ、有り難う私は..ティア」


「ティアか、俺は京太、冒険者だ。えっとお母さんやお父さんは...あゴメン余計な事聞いちゃったね、あっちに安全な場所があるから一緒に行こうか。」



「あ、うん」


ティアは今一状況が飲み込めていないのか即座に言葉を発声出来ない、そう考えた京太は少しずつ話す事にした。


「ええと、今何歳?」


取り敢えず当たり障りの無い会話から始めるべきだと思った京太はまず年齢を聞くことにした。元の世界だったら失礼な事になるのだろうがこの世界にはそういうものはなくそれを知っていたのか知らなかったのかは分からないが京太は取り敢えず年齢を聞いた。


「17歳です。」


「へえ、そうなんだ。因みに俺は18歳。」


(この少女の名前はティアで17歳か両親はさっきの黒い影に斬られた人達か、なんか目の前で親を殺されるなんて結構苦痛だろうな。まあ俺の親は勉強勉強って言うだけの精神論を振りかざす只の屑だったな第一熱でも風でも時には新型ウイルスに感染しても学校行かされたし、そんなのは言い訳だ、の10文字で片付けられ、学校で咳しまくって菌呼ばわりされるの悪循環だった、赤の他人よりたちの悪い存在だったな。)

京太がふとティアの方を見ると暗い表情をしていて目は虚ろで生気が感じられなかった。ティアもこちらの目線に気付きこっちを向いて軽く微笑んでくれたがその表情は苦笑いと普通の微笑みを足して2で割った様な、そんな感じの笑いだった。だが今までの惨劇で心が何処と無く沈んでいた京太は胸のつっかえが取れるような感覚を覚えた。


「もうすぐで着くからちょっと歩くスピードを速めよっか。」


「は、ハイ」


このままではあの黒い影がまた来ると思った京太は歩くスピードを速めた、しかしそんなことはお構い無しに黒い炎が数個程空から降ってきた。


「炎!?《アクアウォール》」


「えっ何?」


行きなり自分の目の前に黒い炎と水の壁が出現した事に驚いたティアはつい声を出してしまったが京太は黒い炎が水壁とぶつかり蒸発したのを確認すると黒い炎が出てきた方向に手を出し呪文を唱えた。


「水よ、槍の雨となりて降り注げ《アクアランスレイン》」


「なにっ!?」


「槍の雨だと....何でそ...んな..物...が...」


「撤退だ!!撤退しろおお!!!」


「死に..たく...無い...」


水の壁により視界はボヤけ音も捉えられなくなっていたティアは何起こったかの分からないがこれは人じゃなくて魔族だが死ぬ様子を見せるのは酷だと思った京太が水のの壁を弄り半透明にして音を遮断した結果である。。


「え、何が起こったの?...」


京太は空から落ちてきた魔族を素早く高熱で燃やしてティアの周りの水の壁を崩した。


「ん?何かあった?」


「何でもない。」


何もなかったかのように聞いてくる京太に対して自分が幻覚でもみたのかと思いながら焦土を踏みしめ進んでいると頑強そうな素材で作られている階段と壁があった。


「さあ、着いたよここが避難所、ここにいれば安全だよ。」


「有り難うございました。では.....」


「うん、じゃあね。」


京太はまだ黒い影や魔族が居るかもしれない、と思い走り出そうとした。しかし背中からなにか柔らかい感触がしたので後ろを向くとそこにはティアが京太の背中に抱きついていた。


「一緒に行きたいです。」


「でも.....」


「怖いんです、それに.....」


「それに?」


何故か頬を赤らめて目を逸らしていたので聞くと...


「一緒に....いたいんです!!」


「え?今なんて....」


(え?今なんてまさか「一緒にいたいんです。」って聞こえたんだけど、俺遂に幻聴か若しくはさっきの魔族に精神魔法使われた?でも..精神耐性Lv10だから殆ど効くはずが...)


「もう何回言わせるつもりですか!!恥ずかしいのでもう言いませんよ!!」


「え?....今『一緒にいた..』」


「や、止めてくださいよ、恥ずかしいじゃないですか....」


「う、うん、ところでさ当たってる。」


「え?何がですか?」


「胸...が....」


「あっ」


ティアの元々赤かった顔が沸騰した様に赤くなりゆっくりと離れた。


「いや、別にいいからそこまで落ち込まなくても....」


「もう、その事については話さないでください。」


その後何度か近づいて来るのはきっと魔族が怖いからと京太は解釈した。







「これは......」


「酷いな..........」


ティアと京太がしばらく歩くと人の黒焦げになった死体や骨だけの死体、焼け焦げた建物等があった。


すると近くの建物から声がした。


「親分!!こんな所に金がありますぜ。」


「こっちには干し肉がありやす。」


「お前干し肉なんかで俺が納得すると思うか?」


「分かりました、金目の物を探しやす!!」


「分かったかじゃあ次は二階にい..」


「スパッ」という音がすると3人の魔族は呆気なく人生を終えた。


「キョウタさんどうかしました?」


そう訪ねてくるティアに京太は


「なんでもないよ。」


と答えるのだった。







「くそっ厄介だこいつら鎧の防御は硬い剣の扱いはそれなりそして動きも早いどうにかなんねのか。ってうおっ!?」


彼が驚いたのも無理は無いだろうさっきまで戦っていた黒い影が吹き飛んでいったからで、しかも他の黒い影も吹っ飛んでいったのだから。


「なんだ、何が起きたあああ」


さっきまで嘲笑とも取れる表情が焦り、戸惑いいった表情になり、辺りを見回している。


しかしまだ終わらなかった。魔族5人の内3人の首が落ち残り2人の魔族は翼をはためかせ空へ逃げたが飛び立った先には一条の光の柱がありそのまま2人の魔族を跡形もなく消し去った。


「5人全員死亡か、魔族っていうのは弱いな。」


「いや、キョウタさんが強いだけだと思います。」


全員の後ろから声がし、その場にいた全員が後ろを向くとそこには黒髪の少年と金髪の少女がいた。




今日は二話投稿したいと思います。そしてやっとヒロインを登場させることが出来ました。

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