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ギルドマスター

京太が扉を開けるとそこには漆黒の椅子に座っている金髪で長身の人物がいた。唯一おかしなところは右手を前に出して何か言葉を呟いていることだがその答えは直ぐに分からされる。


「風よ、弾となりて敵を撃て《ストームバレット》」


「なっ!?」


金髪の人物の右手に風が集まり次の瞬間、凄まじい速度で風の弾丸が打ち出された。


「光よ、盾となりて風を包め《ライトシールド》」


光の正方形出現すると打ち出された風の弾丸を包み込む様に光の正方形が広がり球体となって風の弾丸を包み込むと風の弾丸の勢いは弱まりしばらくすると完全に消滅した。光の球体もしばらくすると霧散していった。


「そ、そんな《ストームバレット》を《ライトシールド》で防ぐなんて...」


金髪の人物は目の前で起こった事が信じられないとばかりに顔を驚きの色に染めた、が直ぐに状況を理解したのか、顔を普通の状態にすると自己紹介をした。


「僕はウィリーフ・フォンギック、ウィリフと呼んでくれ一応ギルドマスターをやっている。先程の魔法はほんの実力確認だからそこまで怒らなくても....」


京太の右手が背中の鞘に収まっている剣の柄に触れているのを見て恐る恐る、といった形で言葉を発した。


「あれが実力確認だと、俺が防いでなかったら大変な事になっていたぞ。」


「偶然ブラックフェンリルの死体を見つけて調子に乗っているランク1冒険者の性根を叩き直そうと思っただけさ、それにちゃんと結界張ってあるよ。」


「まあいい、俺を呼んだのは実力確認だけか?」


「本来なら死体をどこで手に入れたのか、とか聞く予定だったんだけどそこまでの実力があるならブラックフェンリルを倒したってのもあながち間違いじゃないかもしれないねえ。」


「本当に倒したぞ、でも大して強くなかったけど。」


「ブラックフェンリルを大して強くない、ね信じられないよ、僕でさえランク5は多少手こずったのに君はどうやって倒したんだい全く。」


「まあ、殴って地面に叩き付けたら死んでた、って感じだな。」


「………………嘘でしょ........」


「なんか妙に傷が少ない思ったら、殴っただって...僕だってフェンリル系を倒すときには魔法を使ってるんだよ、それを素手でなんて化け物じゃないか。」


「化け物ってお前も十分化け物だろ色んな意味で。」


「色んな意味ってなんだ色んな意味って、ところで今考えたんだけど一つ依頼を受けてくれないか。」


「何?」


「実はね魔族が攻めてくる足掛かりとして国にの近くの森にある小城を築いて住み着いちゃったんだよね、でこのままだと厄介だから魔族討伐隊を編成して送ったんだけど魔族が思いの外強くてね。討伐し切れなかったから、その......」


「俺に討伐してこい、か。別にいいぞ。」


「本当かい!!!」


「その代わり白金貨5枚とブラックフェンリルの売却金そしてギルドカードのランクアップしてもらおうか。」


「引き受けてくれるのかい!!!!じゃあこれにサインしてくれ。」


ウィリフは机の引き出しから一枚の紙を取り出すと京太の目の前の机に「バン!!」と音をさせて置いた。


「これはコントラストペーパーと言って書いた内容に反すると罰を与えるという魔道具さ。」


「これにサインすればいいのか?」


「そうだよ、ここの空欄に名前を書いてくれ。」


京太は自分の名前を書くとギルドマスターに渡した。


「これでいいのか?」


「バッチリだね、因みに場所は君がブラックフェンリルを倒しにいった森の近くにある小城だから、城ごと吹っ飛ばせるなら吹っ飛ばしてもいいよ。え~とキョウタって言うんだね。」


「城を吹っ飛ばすのはお宝ありそうだし止めとくよ。」


「吹き飛ばせる事は否定しないんだね。」


「まあ、出来ることは出来るけど魔力消費は疲れるし詠唱も面倒臭いから。」


「ハハ、もう驚き通り越して呆れてくるよ。」


「俺は出会っていきなり攻撃してくる奴がギルドマスターだった事が今でも信じられない。」


「残念だったね僕が王都ギルドマスターウィリーフ・フォンギックさ。」


「ハァーまあいい取り敢えず今日はもう遅いから帰らせてもらってもいいか。」


「うん、いいよ。」


「あ、一応聞いとくが魔族って必ず殺さないとダメか?」


「う~ん出来る限り殺してほしいけどそんな必ず殺せとは言わないよ」


「そうか、じゃあな」


京太が居なくなった部屋でギルドマスターは一人で呟いた。 


「あの新人面白そうだな。」









「ったあれがギルドマスターだなんてこの国終わってるだろ。」


京太はそんな独り言を言ってフラフラと王都の道を歩いていた。


「ふう、やっと見つかった。『草原の羊亭』かここの草原に羊なんか居たっけな~まあ、羊型のモンスターなら居そうだな。」


そんな事を言いながら扉を開け一直線に自分の部屋まで歩くと鍵を差して部屋の扉を開けてゾンビの様な足取りでベッドに倒れ込んだ。


「あー疲れた、あんまり長く座ってるもんじゃないな。ギルドマス..面倒臭いな確かウィリフっ呼んでくれって言ってたっけ。ウィリフと話すときは手短に話そう。うわっ眠いもう寝る、御休みなさい......」









ある薄暗い部屋に息を乱しながら一人の男が入ってきた。


「ブラックフェンリルを倒した者が分かりました!!」


「分かったのか!!早く言え!!!」


走ってきた男は一旦呼吸を止め大声で言った。


「キョウタ、という者がブラックフェンリルを倒したという報告が!!」


「誰だそやつは!!」


「最近ギルドに加入したランク1冒険者でアイテムボックス持ちらしいです。」


「ランク1冒険者なぞに負ける作品だったのか!!ん、待てよアイテムボックスだと!?それはアーティファクト級の魔道具ではないか!!何故そんな物を人間族ごときが!!」


すると隣にいた男が言った。 


「ギャリック様、アイテムボックス程の魔道具を持っている輩です、きっとブラックフェンリルも何かの魔道具で殺されたのでしょう。つまり私達があの国を手に入れればそやつのアイテムボックスやその他諸々の魔道具が手に入るのです。また一つ目標が増えましたね。」


「そうか、わしがあの国手に入れればアイテムボックスも....クククク、ガハハハハハ。」


(ふっこれだからバカは操りやすい確かにアイテムボックスはあなたの物となるでしょう一瞬だけはね。そのあと敵襲見せ掛けてあなたを暗殺してしまいましょう、ククク)


「それでは暗黒者共の生産を始めろ。一刻も早くあの国を襲撃するんだ。」


「はい、分かりましたギャリック様一生貴方が生きている限り私は貴方に仕えます。」


「おお、頼もしいなレノスよ。これからも宜しく頼むぞ。」


「ギャリック様に仕えられるなんて有り難き幸せでございます。」


(そう、貴方が生きている限り私は一生貴方に仕えますよ、生きている限りはね。)











「んーあー、ってあれもう夜か。」


京太が目を覚ますと窓から入ってくる明かりは寝たときの夕日の日差しより優しい光だった。つまり外は夜である。という考え方をしたのである。しかしこの考えは一つだけ間違っていた。


「逃げろぉおおおお!!!」


「みんな魔族が攻めてきたぞおお!!!!」


「ひ、ひい助けてくれええええええ!!!!」


「まだ、まだあそこに私の子供がああああああ!!!」


「熱いよぉぉぉぉぉ!!!」


「痛い痛い痛い痛いいいいいい!!!私は貴族だぞおおお!!そんな小僧より私を!!!私を助けろおおおおお!!!」


「緊急依頼発生!!緊急依頼発生!!冒険者の皆様は至急ギルドに集まって下さい。緊急依頼発生!!緊急依頼発生!!冒険者の皆様は至急ギルドに集まって下さい。」


怒号や悲鳴様々な声が飛び交う中で京太は思った。


(魔族!?確か森の小城に住んでいるんじゃ、まさか!!!攻めてきたのか一先ずギルドに向かおう。くそっ魔族め絶対に殺す!!!)


京太は魔族への憎悪を押さえながらギルドに向かった。この惨劇を一刻も早く終わらせるために....




魔族が遂に物語に関係してきました。さてどうんなるんでしょうか?次回は3月22日更新です。

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