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初戦闘



「ふー着いた着いた、うおっ!?これは...」


京太はある一点を凝視していた、そこにあったのは...ゴブリンの死体というよりは肉片に近いような物だった。半径7m程まで血液や体の一部が飛び散っており、これをやったのがかなり技量の高い者である事を示している。それが人間の仕業なら褒められるべきだが、魔物の仕業だと一概にも褒められない。何故ならそこまで技量の高い..言い換えれば強い魔物がいるのだから。そしてこのゴブリンを殺したのが魔物の仕業だと言うのに等しい証拠があった。一つ目はゴブリンの死体に牙で噛まれた跡や爪で切り裂かれた跡がある、二つ目はゴブリンの素材がそのままであることだった。一つ目はそういう傷を付ける武器で攻撃した、と言われれば納得出来ないこともない。しかし二つ目の素材を取らないという行為は人間であればあり得なかった。冒険者であれば間違いなく魔物の素材を取るし、それが村人や商人であっても変わらない、だとすればそれは魔物以外の何者でも無いだろう。


(モンスターの仕業というには十分だな、この血もまだ乾ききっていない。って事はそこまで遠い所にはいないはず、よしこれなら魔法が使える。)


「風よ、我の魔力を使いその身を波動と化せ、そしてその波動によりこの森に潜む者を日の元に晒せ《ウィンドソナー》!!」


京太が風魔法ウィンドソナーを発動させると京太を中心とした不可視の風の円が広がり、しばらくすると風の円の一部が角となって返ってきた。すると波動が変形して人の背程の竜巻になると角となって返ってきた場所に進んでいった。


「ギャオオオオオオン!?」


「お出ましか、この世界での初戦闘、存分に楽しませてもらうぞ!!」


その言葉を言い終える直前で剣を鞘から抜くと上段に構えた。そのまま京太が視線を送っていた場所から黒い毛に覆われた狼がやって来た。


「食らえええええええ!!」


そう叫ぶと力の限りを出し上段から思い切り剣を降り下ろした。狼はそれを左に跳んで避けると跳躍の勢いをそのまま利用して着地地点の地面を蹴り前足の爪を突きだしながら大きく口を開き鋭く尖った牙を見せつける様に接近してきたが京太は焦る事もなく剣の腹で狼の胴体を叩くと、突きだしてきた前足を掴み今度は地面に叩きつけた。狼は素早く立ち上がろうとしたがそれより速く剣を狼の脳へと突き出し狼の動きが止まるとゆっくり剣を引き抜いた。


「何か呆気なかったなどうせならもうちょっと歯応えのある奴が良かった。収納!!」 

京太がそう言うと黒い狼が影に飲まれていき完全に無くなると黒い影の入り口は閉じて消えていった。


「これがアイテムボックスか、便利だな半径1mでしか収納を発動させられないが。」


アイテムボックスという魔道具の感想を述べながら森の中を歩くのだった。








「嘘だろう正直に言え幾ら何でもあり得ない筈だ。あの魔物が殺られる筈無いだろうっ!!」


「しかし、魔物の魔核に仕込んでいた魔道具の反応が消え近くにいた者に調べさせると本当に居なかったのです。」


「そんな訳が無い!!あれはランク6モンスターだろっ!!そこら辺の冒険者に倒せる魔物じゃない!!」


「はい、確かに今のこの国の技術で作成、強化した魔物です。それにランク5程の力も持っています。ですが本当に反応が消えたのです。」


「じゃあ!!誰がっ誰があの化け物を殺ったんだ!!あのブラックフェンリルを!!あれを殺せる冒険者は今っあの街にいないはずだっ!!」


「ぐっ......分かりました誰が殺したのか部下に調べさせますので、少々お待ちを。」


「くそっあれを作るのにどれだけ掛かったと思ってるんだ!!白金貨6枚だぞ!!俺が出世するための資金を無駄にする気か!!いいから一秒も待たせるなさっさと行け!!」


「........了解しました。」


「バタン」という音がすると一気に静かになり先程怒声を上げていた男が言った。


「全く、使えない奴だ情報を謝るなんて。それにしてもランク5等ではなくて3.4 程度のモンスターだったんじゃないのか。本当に使えない奴らだ。」







「なあ素材の買い取って貰いに来たんだが。」


「ええ、こちらのカウンターに置いて貰えれば...」


受付が無言になったのも当然だろう京太は何一つ素材を持っている様には見えない。軽そうな鎧を着ているだけで他には鞘に収まった剣ぐらいしかない。しかし、それだけでアイテムボックスを持っている事を察せ、と言うのは酷だろう。


「出現」


「え?」


しかし京太は無言の受付に対して躊躇いなくアイテムボックスを使って素材を取り出した。


「これの値段はどれぐらいだ?」


「あ、はい!!これは...ブラックフェンリル!?なんでこんなモンスターが!?ってアイテムボックス持ち!?」


「ブラックフェンリルって本当かよ。」


「あんな弱そうな奴があのブラックフェンリルを倒せる訳が無いだろ。」


「それよりなんかアイテムボックスって聞こえたんだけど...」


「聞き間違いだろアイツがアイテムボックスを持ってる筈が....」


「何か黒い渦からなんか出てきて....あれ本当にフェンリルじゃないか!?」


「あの漆黒の毛並み白く輝く鋭利な牙、間違いないブラックフェンリルだ!!!」


「それで幾らだ?」


そんな会話は聞いていないとばかりに京太は値段を聞いた。それに対する受付の答えは.....


「ぎ、ギルドマスターに聞いてきますので少々お待ち下さい!!」


上司に聞いてくると言うものだった。かなり早い速度で行ってしまった受付を待っていると数人の冒険者が近付いてきた。


「なあ、あれフェンリルだろならその金俺らにくれないか?」


その一言にかつてのいじめ三人組を思い出してしまった京太は多少ムカつきながら言った。


「金をくれ...だって、お前らにやる金なんていちえ..違うな鉄屑貨一枚もない。」


この国では鉄屑貨が日本で言うと一円の価値であることを思い出した京太は一円といいかけたのを鉄屑貨と言い直した。そしてそれを言われた冒険者達は何も思わない訳ではなく


「お前ちょっと表出ろ。」


「ああ、いいぞフェンリルに比べたらお前らなんてゴミクズ同然だ。せめて三秒はもってくれよ。」


「てめぇ腕の一本や足の一本は覚悟しろよな。」


京太はそれを聞いた上で無視し冒険者ギルドを一旦出てさっきの冒険者達にこう言った。


「お前らが俺の金を欲しいって言うなら俺も何かしら貰おうか...そうだな白金貨3枚貰おうか。」


周りに聞こえる様にわざと大声で言った京太に対して躊躇いなく言った。


「良いぜ。」


「じゃあ全員で来いこっちは一人行ってやるから。」


「お前正気か?勝ち目なんてあるわけないだろ。」


「クッククク笑えてくるぜ、これだから新人脅しは止められねえ。」


「来ないのか?じゃあこっちから行くぞ。」


短く言った京太は男達との距離を一瞬で縮めると手加減した拳を一人の鳩尾へ放った。男はその瞬間に気絶して吹っ飛んでいった。残りの二人は唖然としていたので一人を気絶させもう一人を気絶させ無いようにして殴ると気絶している男から金貨を奪い自分の金貨も差し出した。


「....25.26.27.28.29..30..丁度だな。もしまた新人脅しをしていたらその時は....」


そういってから剣を抜き重力に任せて振ると石畳を抵抗なく切り裂いた。そしてその剣を起きている男に向け...


「もう止めます止めますから!!」


「拳じゃなくこの剣を...突き立てるか。」


そう言って冒険者ギルドへと戻って行った。





冒険者ギルドへと戻ると受付に人がいたので査定が終わったのかと思って近付くと


「ギルドマスターがお呼びです。」


「そうか」


と短く返しさっき貰った白金貨をアイテムボックスに仕舞い受付の人の後ろに付いていった。





(うわっ頑丈そうな扉だな、まあエクリプスなら余裕とまではいかないかもしれないが切れそうだ。)


その頑丈そうな扉に受付の人が何かのカードを翳すと扉から「ギュイーン」という音がしてから扉が開いた。その扉の先には金髪で長髪そして身長の高そうな中性的な顔立ちの人がいた。







遅れてしまいすみません『モンスターなんてやってられるか』を更新したので良ければ見てください。

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