普通
「ふふ、いいですのよ?」
レイア様はどこか嬉しそうな様子で、私に言った。
この方も私のように、地位があるために本当の自分を出せなかったのかな‥‥‥
「‥‥‥私、ずっと一人でしたの。もちろん慕ってくださったり、お世話してくださったりする方はいるのですが、何と言いますか‥‥‥寂しさがいつもありました。でも、何だか貴女とお話ししているとそんなことを感じなくなりますわ」
その言葉を聞いたとき、私はこの方が思ってたよりも何十倍も普通の女の子なんだな、と思った。
高い地位にいるがために感じる孤独のようなもの‥‥‥私だって、外に出れずにずっと一人だったし、こうしてレイア様と話すと楽しい。
やっぱり、私も王女というフィルター越しに、異常に立派な方だと勝手に決めつけていたのかも‥‥‥
本当は普通の女の子なのに‥‥‥
「嬉しいです‥‥‥そう言ってもらえて」
私も同じく笑顔をレイア様に向けた。
この人も普通の女の子なんだと思えば、急にリラックスしてしまう。
「ふふ、是非お友達になりましょう」
「はい!」
私に早速友達が出来た、それは私より遥かに地位が上、だけどそんなことは関係ない。
やはり、外に出るのは楽しいことがいっぱいあって、帰りたくないなぁ‥‥‥
「着きました」
しばらく経って、馬車は城の中へと入り止まった。
馬車のドアを執事が開けると、まずはレイア様、次にフェリアさん、そして私、最後にルリという順番で降りる。
城の中は広く、廊下の幅が本当に町の道路と同じくらい広かった。
床はゴミやホコリ一つない綺麗な赤いカーペットが敷かれて、とても綺麗。
そこをフェリア様の案内で歩いていく。
どうやら私達の部屋を紹介してくれるらしい。
「ここよ」
しばらく歩いて、一つの部屋に辿り着いた。
「ここが二人の部屋、別々にしようかと思ったけど別にいいでしょ?」
「別々にしていただきたかったのですが、まぁいいでしょう。お部屋をご用意してくださりありがとうございます」
不服そうにルリはそう言って、フェリアさんにお辞儀する。
私もルリの言葉にムッとなったが、いつものことなので特に言い返さずに同じくお辞儀した。
そして、部屋の中へ。




