第四話「きみをおうえんする」
彼の所属する野球チームの試合を応援しに来た。
運動なんてガラでもない彼女だったが
彼がバッターボックスに立った瞬間に「いっけーーー!」の応援
彼はその声に応えるかのようにホームランを叩き込んだのだった。
◇
声にすることで
声にすることで
力になるなんて
声にすることで
声にすることで
キミに届くなんて
そんなこと無いのに
そんなことあり得ないのに
呼吸が止まりそうな瞬間
刹那 震える空気の流れ
時間が止まってしまって
キミしか見ていない私
声にすることで
声にすることで
力になるなんて
そんなこと
そんなこと
あり得ないのに
呼吸が止まりそうな瞬間
刹那 震える空気の流れ
血潮の流れに突き動かされて呼ぶ
キミの名前
声にすることで
声にすることで
この声でしかキミの力になれないとしても
声にしてキミの名前を呼ぶ
声にならない声で 声だけじゃ伝わらない声を
◆
もしも理由ってヤツが必要なら
君の声が聞こえた
それだけでスイッチが入る単純なメカニズム
ニヒリズム気取りながら
君と一緒だと巧くリズムを刻めない そんな嘘を重ねて
何気なく欠伸した素振りで
君の横顔を盗み見してさ
鼓動のリズム 加速して歪む
No Control 制御不能 理由不在のまま
やっぱり君を追いかけていて
もしも理由ってヤツが必要なら
君の声が聞こえた
そんなシンプルなアンプルを飲み干す感覚で
錯覚でも その隣が失格でも 幻覚を追いかけても
君を探している今この瞬間の全て
トリガー引いて フリックする感情
クリックしただけじゃ届かない 君に伝えたいリリック
knock? 弾道に叩きつけて
Swing 自分の中の弱さ甘さそれを叩き潰す感覚で
全部、理由は君なんだ。