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第二話「きみとまたであう」

転校初日、同じクラスに彼がいた。席は隣同士。彼が教科書を見せてくれる。

「よろしくね」と彼女が言った。

「よろしく」と彼が言った。



きみが いた

きみが て を あげて

わたしは こえ に ならなくて

きみが こえ に した こえ は

とても あたたかく て

ぜんぶ きみ で あふれてる




ヒンヤリとした世界

時間がまるで停止したようで

まるで違うセカイでイチから冒険を始める物語の主人公のようで

無機質で 温度を奪われた

冷たすぎる世界に

きみは 声だけで 手招きだけで

その笑顔だけで 呼吸した空気だけで

色や音や温度や感覚を色塗って

全部 君で 溢れだすから 



きみが いた

きみは こえ を あげて

わたしは こえ に ならなくて

きみが て を のばした こたえ で

まっすぐに ふれて

むきしつ な おんど で

うばった せかい を こわすの 


きみが いた

きみが て を あげて

わたしは こえ に ならなくて

きみが こえ に した こえ は

とても あたたかく て

ぜんぶ きみ で あふれてる



全部、君で溢れてる。





まっすぐに

手をのばす

誰かの薄ら笑いも

後ろ向きな言葉も

悪意と善意の打算も弾き飛ばして

跨いで 瞬くより速く

手をのばす


君の寂しそうな顔が萎んで

君に不安そうな表情が少し霞むように

君のひとりぼっちを 壊してしまいたい と思うから

道に迷った仔猫を保護したよ感覚だけじゃなくて

消えてしまいそうなエガオとか その手の暖かさ 空気を震わす声に伝播して君の声が僕の中の足りなかった何かを満たす感覚で埋めてさ

まっすぐに まっすぐに

手をのばしたい それだけを単純に思う本能に従うyes or no?

答えは思案するまでも無く


まっすぐに 手をのばす

恐れないで 手をのばす

「今」だから手をのばす

君にだから手を伸ばす

理由不在 それでいい

笑われても 後ろ指を奴らが指しても

もう一度出会えた君とのチャンスを殺させない


「君」だから手をのばす

まっすぐに まっすぐに

手をのばしたい それだけを単純に思う本能に従うyes or no?



空気を震わす声に伝播して

君の声が僕の中の足りなかった何かを満たす感覚で埋めてさ

まっすぐに

まっすぐに

手をのばす

誰かの薄ら笑いも

後ろ向きな言葉も

悪意と善意の打算も弾き飛ばして

跨いで 瞬くより速く

手をのばす


まっすぐに

まっすぐに




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