第七話 相談屋開設
帰ってきたぞー!!!
失踪したけど帰ってこれて良かったわー。
あ、小説の書き方を少しかえました。
「霊夢ー、蔵を借りていい?」
訓は蔵を前に大声で霊夢に聞いた。
「いいけど、何するの?」
「内緒で。」
訓は蔵の中にあえる物を全部出し、雑巾掛けした。
霊夢は蔵にあった物を整理しながら訓に質問した。
「訓、何する気?」
「だから秘密だって…よし、次はっと。」
雑巾掛けが終わると訓は何処からかボロボロの家具を持ってきた。この家具類、前回の雑貨屋で訓が格安で買った物である。店主いわく、あまりにもボロボロで買い手が居ないと困っていたらしい。訓は机、椅子、ソファなどを配置した。
すると訓は神社から大きな板と墨汁がたっぷり付いた筆を持ってきて何かを書き始めた。書き終わると訓は霊夢に誇らしげに見せた。そこには
「河海斬相談屋」 と書いてあった。
「相談屋?向こうでやってたのを此処でもやるの?」
「別に良いじゃん、誰かの役に立ちたいんだよ。それに此処なら参拝もしてもらえるし。」
霊夢は少し考えるとニヤついた。どうやら賛同してくれる様だ。
訓は板、もとい看板を蔵(相談室)にかけた。相談屋が出来ると訓は紙を持って文の所へ行った。
「文さん、俺の事を新聞に載せてくれ!」
「ああ、良いですよ。」
文はあっさりと引き受けた。話を聞くとどうやら新聞の記事をどうするかなやんでいたらしい。一面を決める事は出来たらしいが他を考えていなかったらしい。訓はどの様な記事にして欲しいか注文を書いた紙を渡し帰った。
翌日、新聞には大きく訓が載っていた。写真は最初に会った時のものであった。訓はその記事を切り取り額縁に入れて飾った。
すると相談室の扉が開いた。
「あの、此処は、そだんやであってます?」
そこには90歳程のお婆ちゃんがいた。
「そだんや?…相談屋じゃなくて?」
「ああそうそう、あのうよ、私のよ、眼鏡しらんかえ?」
訓は耳を疑った。まさか最初の相談が眼鏡しらんかえ?ふざけんなよ~。しかも頭の上にあるし。
「お婆ちゃんの眼鏡見た事無いけど頭の上のは?」
「んあ?あ、ホントーだ、ありがとーよ。」
お婆ちゃんは笑顔で帰って行った。
(はあ、記念すべき一つ目の相談が眼鏡かよ)
心の中でそう言いながら相談内容を本に書いた。訓は相談内容をどんな事でも残そうとファイルしていた。
すると次は女性が来た。
「ねーねー、此処が相談屋?」
そこには漫画に出てきそうな格好をした主婦がいた。
「はい、そうですよ。」
「あーそう、良かったわー。ねえねえ、私の話を聞いてくれる?」
「はい、何でも話して下さい。」
その後、主婦は色々な話をした。ゴミを分別しないでだすご近所さんの話、特売日の話、姑の介護の話etc…
「あらもうこんな時間、帰らないと。今日はありがとね。」
約3時間程話していた。いやあ、長いながい。訓は相談内容をまたもや書いていた。
この後4人程来たが、内容はどれも相談と言うより雑談であった。コーヒーについて、野菜の育て方等。
太陽は傾き、空は赤くなっていた。 するといきなり男の子が息を切らしてやって来た。
「お兄さん!助けて!!」
「どうしたんだ?そんなに急いで。」
「妖怪が…妖怪が!!」
「襲ってきたのか!?」
男の子は黙ってうなずいた。
しかしなぜ訓なところに来たのか、霊夢ではないのかと訓は疑問に思った。だが今はそんなことより里へいさがなければ。訓は刀を取り、自転車に男の子を乗せ村へ向かった。
村に着くとそこには咲夜と黒い3mほどの猿妖怪が20体程いた。
「咲夜さん!」
「訓さん!手伝って下さい!!」
咲夜はナイフを投げ、妖怪は真っ二つになった。手はピクピクと動き、流れた血のなかにある妖怪の顔は怒りが見えた。するとある村人が妖怪に暴言をはいた。
「へっ、ざまあねぇぜ。猿めが」
すると他の妖怪達の動きが止まった。不思議に思った訓は妖怪の近くへ寄った。妖怪はいきなり吠え、体を赤くし5m程になった。どうやら怒ったようだ。妖怪の動きは速くなり咲夜のナイフも訓の刀も当たらなかった。
すると咲夜は能力を発動し、妖怪の動きを止めた。能力の対象外だった訓は一気に妖怪を斬った。能力が解けて皆が動けるようなる時は妖怪は肉片となっていた。
里の人間達は喜んだ。咲夜と訓は胴上げされ讃えられた。
後日、文々。新聞には妖怪と戦っている訓がうつっていた。
「相談屋河海斬訓、紅魔館メイド長十六夜咲夜により人間の里救われる」という見出しだった。その日から、相談屋河海斬は幻想郷中に知れ渡った。
もう失踪はしないぜ。




