第十八話 第二ラウンド
いやーこれいつお終わるか分からなくなってきたな…
今年度中にはおわらせたいですね。
「こ、ここはどこだ?」
訓が目を覚ますと、そこには真っ暗な世界が広がっていた。
あぁ...これ死んだな。
そう思った訓は、大の字になって寝転んだ。
すると、どこからか訓を呼ぶ声が聞こえてくる。聞いたことの有るその声は次第に近づいて来る。
「河海斬訓、起きろ河海斬訓。」
「誰だよさっきから!」
辺りを見渡すと、目の前に火の鳥が現れた。
「あんた誰?」
「まあこの姿では俺だと気付かないか。鳳凰だ。」
「あれ?あんたそんな姿だったっけ?」
「神にも色々あるのだ。
それより、お前死ぬぞ。」
「あれ?もう死んだんじゃないの?」
「いや、お前の意識が有るということはまだ死んでいない。
いわば生死の境に居るという事だ。」
「ふーん、で?」
「お前の身体を俺に渡せ。
今、お前が死ぬならば身体は空になる。ならば俺に渡すのだ。」
「いいよ、貸してやる。」
「貸す...だと?」
「ああ、俺はまだ死なねぇ。
あんたの用事が済んだら返してもらうぜ。」
「ふん、死ぬ間際というのに...
よし、貸してもらうぞ!」
「おう。」
訓は目をつぶり意識を失った。
「そういえばこの剣、返すぞ。」
白虎は肩に刺さった剣を抜きゆっくりと持ち上げる。
そして素早く振り下ろすと、 既のところで訓は目を覚まし剣を掴み止 めた。
「第二ラウンドと行こうか、ビャク。」
「お、お前は…」
あまりの衝撃に白虎はおろか、その場の全員が驚いた。
「訓殿?」
「いいな、この身体は。
以前とは比べ物にならない程の力だ!」
訓は立ち上がり万歳をした、その後ろ姿には有るはずの傷が無かった。
「な、なぜ傷が…」
「分からない、だがひとつだけ確かな事がある。
彼は訓殿では無い。」
訓の変化に気付いたのは礫だった。
「文殿、訓殿から何か異様なものを感じないか?」
「……確かに、妖気ではないですけど、ありますね。」
二人の会話を聞いて、白虎は訓に質問をした。
「お前、まさかオウか?」
白虎の質問に対し、訓はニヤリと笑い今までとったことの無いような構えをして答えた。
「そう、俺は鳳凰だ。」
そう、訓の身体には今鳳凰の魂が入っている。訓自身の魂も体内にあるが、身体の主導権を渡した時から身体から離れつつあるようだ。
簡単に言うと、身体は訓で中身は鳳凰なのだ。
そんな説明をすると、一同は首を傾げながらも理解せざるをえなかった。
そんな中、口を開いた白虎は突然笑い出した。挑発されるのが嫌いな鳳凰は、一気に駆け出し白虎 に「双纒手」を食らわせた、白虎の巨体はその衝撃に耐えきれず後ろに吹っ飛ばされたのであった。
「く、流石はオウだな…ただでさえ身体の破壊力が高い上に、貴様の技があると厄介だ。」
「そう言いながら仁王立ちしてるビャクもそうとう凄いがな。」
白虎は弾幕を放ち攻撃するも、鳳凰は身体に響く程の大声を出し弾幕を消した。
「え、何ですか?今の?」
「あれは気合だな。
体内の気を凝縮し発生と共に外へ発する為、衝撃が辺りに響くという訳だ。」
白虎はそのまま斬撃を飛ばしながら近付く、鳳凰は交わしながら白虎に突きを当て身体を回転させてさらに裏拳をした。
韓湘子 という技である。
血を吐いて倒れながらも鳳凰の足を掴む白虎、立ち上がると共に鳳凰を持ち上げ投げ飛ばした。
鳳凰は壁にめり込み大ダメージを受けた。
「く、くそ…流石にこのままじゃ勝てないか。」
壁から出てきた鳳凰は両手から黒い炎を出していた。
「あれは…『 獄炎を使う程度の能力』か。」
「獄炎?」
白虎の呟きを聞いた礫は白虎に質問をした。
「獄炎?ただの炎ではないのか?」
「ふん、キサマに答える義務はない!」
そういうと白虎は身体を戻して傷を消した。
鳳凰は距離を縮め白虎の身体の傷あった箇所に炎を纏った手刀を当てる、すると当たった箇所から黒い炎が一気に広がり白虎を包んだ。
間髪いれず鳳凰は獄炎を纏った掌底を白虎の左胸に打つ、白虎は血を吐きながら後ずさりをしている。
「く、た、体内まで焼かれてる様だ…」
胸を抑えながら鳳凰を見つめた。
「さあ、早く身体を戻してかかってこい。それとも、こんなので天下のビャクがやられるのか?」
鳳凰は尚も獄炎の左足で白虎の横顔を蹴り飛ばし、白虎は倒れた。
「ふむ、虎の丸焼きか。不味そうで食べる気にならん。」
倒れたままの白虎に近付きため息をする鳳凰。
「どうした?二百年前はそんな程度ではなかった筈、本気を出せ!」
倒れている白虎の腹を思いきり蹴る鳳凰、すると白虎はゆっくりと立ち上がり鳳凰を見つめた。
「そんなに俺を見つめるのが好きか?」
「いや、確かにキサマの言う通り、本気を出さないとな…」
そういうと白虎は能力をフルに発動させた。
体内のエネルギーを解放しようとする彼の周囲には雷が鳴り、床はヒビを出しながら揺れている。
「ハァァァァァ!!」
叫びと共に雷は止み、白虎は禍々しくも見蕩れる程の美しい姿になっていた。
さっきの人と見間違えてしまいそうな姿とは裏腹に、琥珀の体毛、刀のような爪、そして凍てつく瞳、まさに「虎」と言わんばかりの姿を見せたのだ。
「これが、『獣神化』だ。
我ら四神に有りし真の姿、しかも戻す程度の能力によりパワーは絶頂期のものを再現する!」
「やっと本性現したな?」
そういうと鳳凰は瞬時に白虎の目の前に移動し、獄炎のかかと落としをする。しかし白虎はこれを右手で止め、左手の爪で鳳凰の顔に差し掛かる。鳳凰は避けるが爪は右肩に刺さり、そのまま投げ飛ばされた。
すると鳳凰の身体は霊夢や香蓮の入ったカプセルに当たった、カプセルは割れて中に居た2人はガラスの散らばる床に落ちそうになる。
とっさに文が二人を掴み落ちるのを防いだ。
二人を礫の元へ連れ横にした文、その顔は怒っているようだった。
「訓さん!もう少しで二人が…二人が怪我しそうでしたよ!」
そう言いながら鳳凰の方を向くと、その身体にはガラスが刺さり血まみれになっていた。
「さ、訓…さん。」
「鳳凰だ、烏天狗は黙っていろ。」
よろめきながらも立ち上がる鳳凰、身体からは流れる血は止まらず足も震えていた。
「くそ、やはり所詮は人間の身体か…持たない。」
とうとう鳳凰は膝をつき、動けなくなった。
高らかに笑いながら白虎は鳳凰に近付き、その頭を蹴り飛ばした。
「どうだオウよ、俺に再び負けるのは…」
よろよろとしながらも立ち上がる鳳凰、その手は何かを探しているようだった。
「や、やめろ。死にぞこないめ。」
独り言を言っている鳳凰を見て白虎はさらに笑う。
「フハハハハ!
とうとう気がふれたか!」
白虎は爪による斬撃を飛ばした、鳳凰は獄炎でこれを止めようとするが、力が残っておらず食らってしまう。
とうとう大の字になって仰向けになった鳳凰、白虎はゆっくりと近寄り鳳凰の頭を軽く蹴った。
しかし反応はなく気を失っている様だった。
「ふん、これまでか。」
白虎は霊夢や香蓮の方を向きニヤリと笑った、その瞳は勝利を確信した目だった。
「では、星の赤子共を返してもらうぞ!」
二人を抱きかかている文に襲いかかる白虎。
すると突然白虎の動きが止まった、何があったかと辺りを見渡すと白虎の腹に剣が刺さっている事に気付く。
白虎が後ろを振り向くと、そこには床に手を付き息を荒くした鳳凰が居た。
「まだだぞ…まだ……終わってねぇ。」
そういうと鳳凰は刀を手に取りゆっくりと立ち上がった。
「さ…訓さ……ん。」
なんか、間を空けて書くと文章が訳分からなくなりますね。汗
気をつけます!




