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東方時空伝  作者: こっぴゃん
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第十三話 「奴ら」の目的

夕方の空の下、霊夢は神社前を箒ではいていた。

「訓、何時になったら帰るのかしら...」

「何だ?姐さん、訓が恋しいのかい?」

「な、何よ股助!そんなわけ無いじゃない!!」

そんな話をしているとふと霊夢の目に訓が映った。訓は背中から血を流しながら、妖怪を担いでいる。

「ど、どうしたのよ!?」

「あ、ただいま......

ちょっとこいつを頼んでいい?」

訓は妖怪を降ろすとその場に大の字になって寝転んだ。

霊夢は礫を呼んで妖怪を運んでもらい、自身は神社から手当ての道具を取りに行った。香蓮は神社の中から心配そうに覗いている。

霊夢は訓の手当てをしながら結果を聞いた。

「それで何か掴めたの?」

「まあ、香蓮さんが襲われた理由の予想は大体ついた。

後はあの妖怪から聞き出す。」

手当てが終わると訓は、刃を置いて香蓮の元へ行った。香蓮は訓に笑顔を見せたが、少しの不安もあるように見える。

訓は香蓮、霊夢、礫、股助の四人を呼んで妖怪が寝ている部屋に向かった。妖怪はある程度の手当てをされた状態で布団の中にいた。累計2日も動ききりの訓を差し置いて妖怪はいびきをかいて寝ている。これには訓も怒りのあまり、思い切り蹴ってしまった。

「あ"あ"ぁ"、痛ってぇ~...」

「ほら起きろ。言ったはずだぞ?お前には用が有るって。」

ひとまず布団をしまって、皆は居間に行った。

「さて、まずは自己紹介をしよう。

俺はアンドリュー・ダ・ヴインチだ。偵察や暗躍を得意としてる。お前らが相手した角の女、青龍様の直属の部下だ。」

「お前、彼処(あそこ)に何の用で居たんだ?」

「簡潔にいうと、彼処に有った書物の抹消だ。」

「と言うと?」

「お前が居たということは、彼処に有った書物は一応は見たんだろう?

書物を見れば我々の目的の半分は分かってしまう。青龍様はお前が詮索するのを恐れて俺に仕事をあたえられたのだ。」

「なるほど...まあ理解したわ。

じゃあ、俺らが1番知りたい事を聞きましょか? お前らの目的は何だ?」

「......俺も詳しくは知らないが、何でも[星の赤子]の能力を使って、幻想郷を変えるとか変えないとか。」

「ふむ...これまたTHE・悪役だね。(異変が無い時点で東方要素皆無だなw)」

おいおい訓、小説でメタい話をするな。by作者

ひとまずの目的は分かった。さてこれからは拠点を聞こうとしたその時、突然地鳴りがした。全員が外に出ると、神社の鳥居の上に二人の女性が居た。うちの一人は青龍だ。

「ここが...奴らの住処か。」

「ねえねえ青ちん、もう攻撃してもいい?」

「駄目だ朱雀、まだ奴を捕まえてないだろう。」

二人は鳥居から降りると、礫を見た。

「な、何だ主等?」

「お前、玄武では無いのか?」

「何を言ってるんだ、俺は礫だ!玄武などではない!!」

そう言いながら礫はロックブラストを放った。しかし朱雀はとてつもない速さでかわし、青龍は腕に風の様なものをまとわせて受け流した。

「ぬ、その能力は文殿と同じ『風を操る程度の能力』か?」

「違う...とだけ言っておこう。さて、では我々は帰るとするか。」

青龍は背中を見せ、歩き始めた。その隣には、居たはずの朱雀が居ない。

「お、おい...相方は何処に行ったんだ?」

「私なら此処だよー☆」

訓が横を見ると、其処には霊夢と香蓮を背負った朱雀が笑っていた。

え?一体何があったんだ?いつのまに二人を......

訓にはその場の状況を理解できなかった。

「何をしてるんだ朱雀、早く帰るぞ。」

「はーい!」

「ま、待て!二人を返せ!!」

訓は刃を出し、旋風斬を繰り出す。

刃の風は青龍らをめがけて飛ぶも、雷が落ちてかき消される。

二人は(またた)く間に消えてった。

「く、股助!頼む!」

「既につけてる!」

訓は刃をしまうと、その場に膝を曲げて地面を殴った。香蓮だけでなく、霊夢までもが連れ去られたのだ、相当悔しいのであろう。礫は訓にかける言葉が見つからなかった、むしろこの状態で話しかければ、訓により傷を与えてしまうと感じたのである。

しかし、股助は訓の顔を蹴り飛ばした。

「落ち込んでる暇が有ったら、何か行動を起こせよ!今の状態をよく把握してるのはお前だ、そのお前が動かなければ誰が二人を助けに行くんだ?」

「股助......そうだよな、何してんだよ俺って...」

訓は立ち上がると、アンドリューの元へ行った。

「おいアンドリュー、お前はアジトが何処か、当然知ってるよな?」

「知ってるとも、しかし俺は青龍様を裏切れない。」

「ほう?ならお前に選択肢をやろうじゃあないか。

①俺達にアジトを教え、青龍を裏切る。その際、俺はお前を助ける。

②今此処で死ぬか。

どちらか選ばせてやるよ。」

「く、セコイ奴だ。仕方が無い、連れてってやる。ただし、戦闘には介入しないからな。」

「よし、なら行きたい所がある。礫、股助も来てくれ!」

「うむ、了解した。」

「俺はパス、面倒な事はお断り。手下が現地に行ってるからそいつに頼め。」

「分かった。よし行くぞ。」

そう言うと訓、礫、アンドリューは魔理沙の家、文の家に行った。

二人を呼び事情を説明して、加勢してくれるように頼んだ。

「ふーむ、霊夢が危機なら私が行くしか無いな。いいぜ、行ってやる!」

「私は、新聞の為に取材ということで!」

こうして五人はアンドリューの導きにより、青龍達のアジトへ向かった

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