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私の為に死んでください。

ども。初めましての方は、初めまして!前回から見てくだっている方はお久しぶりです!やっと、お気に入りの2作目の投稿です!どうぞごゆっくりご覧ください!

白く、枯れた大地に少女は歩いていた。

「タスケテ…。」と、何度も何度も呟きながら。

もう少女の体力は限界に達していた。

「モウ、ム…リ……。」

バタンッ!

「ダ、レカ………。」

目の前が良く見えなくなっていく。

――死にたくない。

声に出ていない声は、乾いた風に奪われた。



――それがあんたの望みなの?

誰?

――さあ、誰かしら?あなたの望みを教えて?

望み…?

…生きたい。

――生きたいの?

ええ。生きたいわ。

さ、さあ!望みを言ったわ!早く叶えて…?

――命に関わる願いは、それほどの犠牲を伴うわ。

いい。私が生きるならそれで…。

――……あなたの願い、叶えましょう。――――――



――――――ハッ!

目が覚めると、見たことない広く蒼い世界が広がっていた。

下を見ると真っ白くモヤモヤした…


「雲…?」


があった。って、ん?


―――――バタバタバタバタバタバタ…。


足をブラブラブラさせた。

うん。やっぱり。


「ここは、空…?」


しかも浮いてるし…。


「お、降りたい…。」


っていうか、どうやって降りられるんだろう…。


「馬鹿言ってんじゃないよ。」

「え?」


その声は真後ろから聞こえた。


「だ、だだだだだだだだd」


バサバサバサバサバサバサバサ…。


「誰ですかぁぁああああ!!」


ビックリして、急いで前に向かって進みながら後ろへ振り返る。

動揺しすぎて後ろから聞こえる、何かがはばたく音は後で考えよう。


「だから言ったじゃない。『さあ、誰かしら?』って。またいつか話すわ。」


その声は、目の前にいた、羽の生えた年上っぽい女性が話していた。


「あなたは、私に願いを叶えてもらったため、永遠の命を貰ったの。『死神』という命(?)をね。」

「…は?」


いきなり話し出したかと思えば何言ってんだこの人…。


「だから、まず、死神としての基礎を教えてあげるわ。」


え?ま、まって…


「まず、鎌の出し方ね。第一は…」

「ちょっと待ったああああああああああああああああああああああ!!」


段々話を進めやがって…私の都合を考えずに…


「何?私の説明に不満でも?」

「ありすぎ…。」


ちょっと待って、【え?なんで?】って顔されても当たり前だし。


「じゃ、じゃあ言ってみてよ。何が不満?」


全部…なんて言えないしな…


「ゆっくり説明してください…。頭の整理がまだ…。」

「はあ!?じゃ、じゃあ、最初から説明しろと?」


いやいや、【信じられない!?】みたいな顔されても…


「ま、まあ、そうなりますね…。」

「はあ~、うんざりだわ…。…じゃあ、もういいわ。説明するのも面倒だし、今さっきまで私が言ってた事、思い出しながら整理してくれる?」


ええ~…。


「出来るんですかね…。」

「ええ。出来るわよ?《人間》という器を超えたあなたなら、出来る。自分を信じなさい。」


そ、そんな事言われてもな~…。


「やり方は…?」

「そんなの簡単よ。人間の時みたいに、昔の事を思い出そうとすると出来るわよ。」


じゃ、じゃあ、さっそく…。

…さっきの会話を思い出しながら、整理してみよう…。


「あなたは、私に願いを叶えてもらったため、永遠の命を貰ったの。『死神』という命(?)をね。」

「…は?」                                                                                        ≫


…おお、出来た……よし。ここね…

…私は、この女の人に死ぬ間際に願いをかなえてもらい、命を貰った。それも、永遠の…『死神』…。これは、私が永遠に死神という仕事をしなければならない事を示す…。

…と、言う事?

わたしが…死神…?

じゃ、じゃあ、今いるここは……『あっち(死の世界)』…?

お、おおお…。だんだん理解出来てきた…。

解ったけど、ついでに思い出されたこのことも簡単に理解できるかも…


≪「だ、だだだだだだだだd」


バサバサバサバサバサバサバサ・・・。


「誰ですかぁぁああああ!!」    ≫


この、《バサバサバサバサバサバサバサ・・・。》の部分は、私の背中を見れば…。

そう思いながら、後ろを振り向いた…。


「うお…。」


後ろには、根本は真っ黒で、先が少し白い…『羽』が、生えていた。

…これが、死神の羽…。

ん?そう言えば…死神は羽が生えてないんじゃ…?


―――それ、いつの時代の話よ…。


え?誰?

…さっきの女の人…?どうやってるんだろう…。


―――あなたの脳内を勝手にのぞかせてもらってるわよ。ついでに会話に参加させてもらったわ。


つまり、脳内に語りかけてる…。みたいな…?


―――ま、そんなとこかしら…。


ふっふふふ…。


―――ん?何笑ってるの?


い、いえ…前にもこんなことあったなー。なんて…。


―――…。今は、そんな事考えてる暇ないわよ。

   …で?整理ついた?


あ、はい。

ん?いやいや、さっきの≪―――それ、いつの時代の話よ…。≫の理由を、聞かせてもらわないと…。


―――あ、ああ。それね。その言葉通りよ。羽ついてない死神なんてもう何十年居ないわよ。


どうして?


―――いや、船を漕ぐ死神が、「船漕ぐんめんどーい」とか言い出して、仕事しなくなったから、見かね   た神様がそいつに羽を与えた。それを羨ましがった他の死神たちが天国へ行き、直々に神様にお願   いして、もらったっていう説はあるけど…。本当の理由は知らないわ。


へえー。


―――で?信じた?


ま、まあ、とにかく信じないと話が進まないんでね…。

…理解はしました。


―――あっそ。……


―――……え?


ん?


―――……。


え?何?私が何とかしなきゃいけないの?


―――あたりまえじゃない…。早く戻ってきたら…?


い、いや、やり方を…。


―――あら。教えてなかったかしら。


いやいやいや…。教えてもらってない…。


―――あ、そっか。そうだったわね。簡単よ?お腹の底から「あああああーーーー!」って叫ぶか、頬を引き千切るほど引っ張るか。この二つね。


じゃ、じゃあ、叫ぶ方で…。


―――そ。じゃ、どうぞ。


あー…。


―――まだまだじゃない。あああああーーーー!ってほら!


も、もうっ!あああああああああああああ!!!!



――――――ハッ!


そこは元の雲の上の世界だった。


「戻ってきた…。」


あれでよかったのか…。


「おかえり。」


目の前にはさっきまで会話(?)をしていた女の人がいた。


「ただいまです…。」


女の人は、はあー、と溜め息を吐いたかと思うと


「あんたさー」


不貞腐れた顔で話しだした。


「敬語とタメ口がゴッチャになってるから、どっちかにしてくれないかしら?」


ああ、そういえば。ずっとそうだったな…。


「じゃ、じゃあ、タメ口で…良い…ですか…?」

「あんたがそうしたいなら、そうすればいいじゃない。」


少しつまらなそうに言った。


「なら、それで…。」


自分で言うのもなんだけど、ちょっとぎこちないな…。


「でさー…。」


少し呆れているみたいだな…。


「ん?」

「本題。…入ってもいいかしら?」

「…えーっと」


なんだったっけ?


「いいわね?言うわよ?」

「う、うん…。」


まだ思い出せて無いけど…。


「まず鎌の出し方ね…。」

「あっ…。」


そうだ。…でも、そんな大事なことでもないような…。

とか思いながらも、女の人は淡々と話を進めた。


「鎌のデザインは持ち主の羽の模様で変わるの。あなたの羽は羽先が白くて、他が黒いのね…。」


女の人は、私の背中を覗き込みながら言った。


「じゃあね、頭の中に鎌を持ってる自分を思い浮かべてみて?」

「うん…。」


ポーズは…ってどうでもいいか。

私は刃先を下に、鎌を構えている私を思い浮かべた。


「・・・も・・・て・・じゃ・・・・」


ん?良く聞こえないんだけど…。


「もうそろそろ、起きてもいい頃じゃないの?」

「…うわっ!」


目を開けるとまた、お姉さんが呆れ顔でいた。


「あんたさ…。一つの事に集中すると、周りが見えなくなるタイプでしょ?何分目ぇ閉じてるのよ…。」


女の人は、はぁ~…。とため息をついてからまた喋り出した。


「…ところで、それが貴女の鎌ね…。うん。いい形ね。」

「うん?」


そう言いながら手元を見る。すると、手には羽と同じ色をした鎌が握られていた。

…でも、その鎌は私の想像を超えて…


「…ちっさ…。」


…小さかった。その小ささは言わば、草刈りの時に使う鎌の大きさ…。

ちらりとお姉さんの方を見ると、自慢げな顔をしている。でも、私の方を見て、【何その顔?文句あんの?】って顔した。っていうか顔が全てを語った。

あー、今から言うんだろうな~。っと思いながら鎌を眺めてると…


「その鎌、文句あんの?」


…やっぱり。言うと思ったんだ…。

はい。大ありです。

そんな顔しながらも質問に答える。


「い、いやぁ…想像してたのより、ち、小さいなぁ~なんて…。」

「あんたねぇ~…。」


お姉さんはまたまた、呆れ顔で言い出した。


「経験の無い死神の鎌なんて、そんなもんよ?もっといっぱい、人をあの世に連れて行って初めて、あんたの想像してる大きさにたどり着けるのよ。あまり、夢見過ぎない事ね?」


はい。すいませんでした。夢を見過ぎました…。

…現実見ろてか…。


「…はい…。」

「よし…。」


お姉さんはふー、っと息をついて、やけにすっきりした口調で話し出した。


「あなたへ教える事(基準)は、全て教えたわ!あなたも私も自由の身!……さーって、最初の獲物ね…。」


そう言い終わると、お姉さんは何処からか丸い水晶を取り出した。そして、透き通った水晶に手をかざして、目を閉じる。すると…


「うお…。」


水晶がほんのり光ってきた。何だか、見てると気持ちがホンワカに~―――

チラリとお姉さんの方を見ると、お姉さんも顔がホンワカしてる~

でも、ハッ!って顔してまた目をつむる。っていうか、死神が癒される一品持ってんじゃないよ。

あんたのハッ!であたしも目覚めたわ。

数秒くらい経った。

すると、水晶の中にある一人の少年が浮かび上がった。ベッドでうつろな顔を浮かべ、外を眺めている。


「誰?」


見る限り、年は17か…。あれ?何でわかるんだろう?


「さっきも言ったでしょ?死神だからできるの。」


心読まれた…。ていうか…。


「心読めるの?死神って…。」


そういうと女の人は、ピラリと一枚の紙切れをどこからか出して私の顔に勢いよく…


バンッ!――――――


「いった!!」


貼り付けた。

は、鼻が…。骨逝ったんじゃないの…?

痛みに耐えてると、紙がすぐに透けて頭の中に…入っていった。

…どうなってんの…?


―――聞こえる?


「うわっ!」


な、なにこれ…?頭の中に直接、言葉が…?しかもこの声…。あの女の人?


「はぁ~…。」


隣で女の人が溜め息付いた。まだ痛みが残ってるけど、少し目を開ける。

また呆れてる…。何に呆れてるんだよ…。


「…あんただよ…。」


おや…また言われてしまいました。

また、お姉さんはまたまた、溜め息を吐いて「さ…。」と言うと…


「この男があんたの最初の獲物。名前は…猫鼠(ねこなか) 犬助(けんすけ)…変な名ね…。」

「なまえ…?」


思いっきり聞いたことないフレーズが飛び出て、固まる私。

名前…?なにそれ?聞いたことないんですけど…。

私の【は?】という顔を見た女の人は指で空中に四角を描き、口パクで何か言うとボンッ!っとお姉さんの手に分厚い本が置かれた。


「何それ…?」


目の前にお姉さんが開いた本は、いきなりどうして読書をしてるのか解らない…。

っていうかすげえな。死神。神かよ…。でも、ある意味神か。


「これは辞書と言って、あらゆる言葉の意味が分かる本よ。」

「ふーん…。」


初めて聞いた。そんなの…。辞書ね…。

お姉さんはしばらくその、『辞書』と言う物をペラペラめくった後、聞きなれた溜め息を吐き、また呆れ顔で言い出した。


「いい意味が見つからないから、グダグダに説明するわよ…?」

「う、うん…。」


聞いてみないと、グダグダかどうかわかんないじゃん。

お姉さんは、う~ん…。と、しばらくうなった後「えーっとね…」と喋り出す。


「名前って言うのは、…これは?」


そう言うと、お姉さんはさっき出した辞書を指差して言った。

それは勿論。


「辞書…。でしょ…?」

「そうね?」


そう言うとお姉さんはふぅ~と息を吐き、また話を進める。


「はい。あなたが言ったそれが名前よ。」


そう言う。

…ん?どゆこと…?


「意味解らないでしょ?」

「う、うん。さっぱり…。」


少し顔を覗くと【やっぱり】って顔してる。

当たってたね…。


「う~ん…。」


お姉さんは頭を抱えている。末には…。


「ああああああああああああああ!!!」


ビクッ!―――――


絶叫。

どうした急に…?ビビったわ。


「じゃあこれはっ!!」


大声で自分の頭を指差す。


「あ、頭。」

「そーよね!?はい!それが名前~!」


まだ何を言ってるかわかんないよ…。

わたしが【は?】と言う顔をすると、また絶叫。勘弁して…。

…ん?でも、解ってきた…かも…。


「ほんとに!?」


お姉さんは、期待してるような目で私を見ている。

また、心読まれてる。

…地味にね…?ほんのちょっとだと思う…。


「よかった~…。」


お姉さんは、清々しい顔で汗を拭う動作をしている。そして、よし…。というと。


「やっと本題の本題に行けるわね…。」


と、トホホな感じで言う。


「ああ。あの男の人の事か。」

「そうよ?こいつの寿命は見るところ…。どれくらいだと思う…?」


私の顔を覗き込みながら言う。

えーっと、見る限り…。


「うーん…。せいぜい…1年と半年ぐらい…?」

「当たり。」


すると、お姉さんはオッケー。と言って、


「あんたを地上の世界に連れて行くわよ。わかんない事あったら心の中であたしを呼んで。」

「あ、はい。」


とうとう行くのか。何か緊張するな…。あ、でも呼ぶとしたら不便だな。


「名前は…?」


そう聞くとお姉さんは、あそっか。と言って、あたしの名前は…と言いかける。

なんだ。最初からそうやって教えてくれれば良かったのに。


「アルターよ。アルター・リニアス。面倒な『さん』とか『ちゃん』とかつけないでね。呼び捨てで。」

「アルターね…。分かった。」

「そしたら…あなたのも教えてもらわないと。」


え?何が?


「名前よ…。」


私が【何の事?】って顔してるのを見たアルターは、あっ…。と言うと。


「無いのよね…。(名前の『な』も字の知らなかった訳だし)」


そう言った。

そう言えば、産まれてから同じ言葉で呼ばれたことが無い。これを「名前『がない』」と言うのだろうか


「うーん…。じゃ、私が付けてあげようか。名前。」

「へ?う、うん。いいけど…。」


いきなり言われて、ちょっとびっくりした…。名前って、私にもつけられるの?う~ん…なんか…照れるな…。

私が、そんな事考えてる間に、アルターは、また辞典という本を読んでいた。

そのまま、しばらくうなったあと、おっ。と言って辞書を閉じた。そして、咳払いした。


「今日から、あんたの名前はテューク!テューク・サスティーよ!」


私は…今日から…テューク…?

生まれて初めて、私と言う自分に『名前』と言うものが付けられた(?)何故か心の中は、ファンファーレが鳴っている。産まれてこの方『生きがい』と言うものが無かった私にとって、これはその生きがいと言うものに相応しいのではないか。とでも思った。あ。でも、もう死んでるから違うか…。…でも、それほど嬉しかった。


「相当嬉しいのね。」


ハッ!とするとアルターが少し微笑んでいた。


ボッ!――――――


首から上が熱くなったのを感じた。

どうやら、顔に出てたらしい…。

…ハズい…。

頭の中が真っ白になる…。

え、えーっと!この話から切り替えないと!


「は、早く地上の世界に連れてってよ!!」

「はいはい。仕方ないわね~。じゃあ、目ぇつむって?」

「ん」


私はアルターが言った言うとおりにする。


「そのまま、さっきの標的の男の人を思い出してみて。目を開くと、地上の世界が広がっているはずだから。変わったのは空気で解るわ。」


それにコクリと頷いて、空気が変わるのを待った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――あ…いま、何か匂いが変わった気がする…。

今が目を開ける時なのかもしれない。

そう思い、まぶたをゆっくり開く。目の前には…


「君…誰…?」


さっきの水晶に写っていた少年がいた。


























窓の外を眺めていた。


ふと気づくと、目の前に立派な翼の生えた少女が、目をつむっていた。


すると、少女はゆっくりと目を開け、僕の方を見た。


「君…誰…?」

どうでしたか?私はやっぱり楽しかったです。前作とは違って、文字数がとてつもなく多いですねww私は書いてて(まだ終わらねえのかな~)と思ってました。猫鼠くんはネーミングセンス抜群ですよね!(自慢気)前作にも言いましたが、動画、動画、小説、絵、動画って感じに進めていきます。前の部分が動画に変わっています。関係ないですけどね!実は3作目も作り始めています。出来れば読んでください!ではでは!ここまで読んでくださってありがとうございました!!

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