精神科で見た、新薬を試し続けた医師の話
掲載日:2026/04/07
その医師は、
新しい薬を好んだ。
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新薬が出るたびに、
すぐに試したがった。
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以前は、
多くの薬を使っていた。
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だが、
一つで抑えられる薬が出てきた。
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それ自体は、
間違いではなかった。
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問題は、
使い方だった。
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新しく来た患者だけではなく、
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すでに安定している患者にも、
同じように勧めた。
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「この薬なら、一つでいいんです」
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笑顔で、
そう言っていた。
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「たくさん飲むのは大変でしょう?」
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「身体の負担も減らせますから」
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ある患者は、
はっきりと断っていた。
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「今のままで大丈夫です」
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「変えないでください」
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それでも、
切り替えは行われた。
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しばらくして、
亡くなる患者が出た。
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一人ではなかった。
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その医師は、
変わらなかった。
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同じように、
薬を勧め続けた。
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そして、
ある時を境に、
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やめた。
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理由は、
聞いていない。
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それ以降、
その話をする人はいなかった。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
何が正しかったのかは、
今でもわからないままです。
ただ、違和感だけは残っていました。
この出来事をどう感じるかは、
人によって違うと思います。
もしよければ、感じたことを
一言でも感想で教えていただけると嬉しいです。
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