7話 何の為に生きるのか
だるいですねぇ。地域によっては夏も終わりがけくらいに涼しい日も増えてきました。季節の変わり目、体調には気をつけてください。
「…う…ああああああああッ」
「彼を抑えて!あと一時間は毒の効果が続きます!」
(…なんで僕がこんな目にあわなくちゃいけないんだよ。ただ生まれてきただけなのに、なんであいつらに殺されかけないといけないんだよ。
もう、疲れたなぁ。……死にたいな)
「はぁ、はぁ…」
「大丈夫か?俺も手伝えるといいんだがな…生憎毒に関係する知識はゼロにひとし等しい。悪いな。」
「いえ。そもそも陛下がここにいらっしゃること自体が稀…手術室に国王が入るなんてきいたことないですもん。」
「そうか。これは、魔術の類いを使ってるのか?」
「いえ。ですがもう少ししたら毒の周りが早くなってしまうため、数時間眠らせる魔術を使いますね。」
「そうか。俺はやらないといけないことがあってな。治療終わってめが覚めたら教えてくれ。」
「了解です。」
ーーーーー数時間後ーーーーー
「おはようございます。」
「…おはようございます。春希さん、ちょっと、話を聞いてもらっても、いいですか?」
「うん?別にいいが…」
「ありがとうございます。
僕は…俺は、なんで生きてるんだろって、思ったんだ。俺は何か悪い事をしたのか?生まれてきたら駄目だったんじゃないのか?この7年、ずっと牢屋で生活してきた。なんで生きてるんだろうってたくさん考えてきた。何度も死にたいと思った。ねえ、俺は何の為に生きてるの?」
「…それは、僕にはわかりません。生きる意味は人それぞれです。ですが、きっと君はこれから幸せになるために生きて行くんですよ。」
そう言うと、蓮は静かに涙を流した。
春希さんというのは治療を担当してくれた救護班のお医者さんの名前です。