31話
「なぜここに呼ばれたか、わかるな?」
「知らん」
「わかるよな?」
「知らん。見当もつかない。心当たりもない。」
「だろうな。今日は、お前に頼みたいことがあるんだ。」
「は?」
この2人は国王と大臣。別の言い方をすれば友人と言うだろう。どちらも今の位になる前からの知り合いで、まあ仲が良いだろう。
「一条家没落の話は知ってるよな?」
「担当俺だからな。で?」
「そこの長男はうちの医局で働いているんだが、四男の匠が行方不明となっている。捜索を続けているが、痕跡なども全く見つからない。手伝ってくれないか?」
「は?別にいいが…痕跡がないってのはどういう意味だ?」
「そのままだ。没落の原因になった儀式に、俺が乗り込んだ後の足取りが全く掴めん」
「ふーん…今までの担当者は?」
「暗部に頼んでいた」
「なのに見つからない、か。そりゃおかしいな。よし、やるわ。給料上げとけ」
「わかってる。頼んだぞ」
……
「っは〜…疲れた、」
この位についてもう11年。28歳なのにこんなに老けてるのはきっと俺くらいなものだろう。
最近、一条家没落、神谷家四男の保護、神谷家三男の失踪などとんでもない案件が増えてきていろいろ忙しい。ちょうどもうすぐ神谷家四男、蓮の診察結果が報告されるはずだ。
「失礼します。医局の司波春希様から書類が届いております」
「わかった。確認する」
「失礼しました」
どうやら届いたようだ。読み飛ばすことがないようにゆっくり確認する。
ニールが、蓮の担当を4人の若手医師に任せたのには理由がある。
まず、一つ目の理由として年齢が近いことだ。一条家のこともあるし、下手に大人が関わるよりも信頼できる者の方が良いだろう。
二つ目の理由として、身内…静希がいることだ。蓮は大して気にしてないようだが、静希は助けてあげられなかったことをとても気にしている。蓮には静希がいることで安心してほしいし、静希の気持ちを理解している3人だからこその人選だった。
さて、話を戻そう。
手紙を受け取ったニールは4人にある命令を出す。手紙を受け取った4人は声にならない叫びをあげるのだが…それはまたの話である。




