30話 街歩き
ちょっと書き方変えてみた。
石畳の道に朝日が差し込み、オレンジ色の光が建物の壁を眺めている。屋根には赤茶色の瓦が並び、窓辺には色とりどりの花が咲いている。広場では市場が見え、人々の活気ある声が響いていた。
「……で、なんでほんとに遊びにきてるんだ?」
蓮は少し遠いところにいる翔也を見た。
「たまには息抜きも必要だろ?」翔也が肩をすくめる。
「連れてきておいてあれだけど、もう大丈夫なのか?」
「もう平気だって。動かないと鈍るし。」蓮は軽く腕を振り返りながら少し笑う。
「それならいいか……って言うか、いつのまにか敬語じゃなくなってる?」
「だって友達みたいな近づきかたしてくるから。いいか、と思って。」
翔也はふと市場のほうへ目を向ける。
広場の市場には、焼きたてのパン、オリーブ、香ばしいチーズ、熟した果物が並んでいる。通りには屋台も出ていて、焼き栗やスパイスの香りが漂っていた。
「お、いい匂いがするな」蓮が鼻をくんくんさせながら、ある屋台の前で立ち止まる。
翔也が目を細めると、そこにはこんがり焼かれたアランチーニ(ライスコケロッケ)が並んでいた。外はサクサクで、中にはチーズがたっぷり入っている。
「……たまにはいっか。」翔也はコインを取り出し、二つ注文する。
「──熱っ! でも、うまい!」
「馬鹿か、もうちょっと冷ませよ。」翔也はそう言いながらも、自分もひと口食べる。
市場を抜け、しばらく街を歩く。石造りの建物の間を風が吹き抜け、どこからかギターの音が聞こえてくる。
「そういえば、ガラクタ市がやってるって聞いたんだけど」翔也が思い出したように言った。
「ガラクタ市?」
「掘り出し物があるかもしれないよ」
そんなにお金持ってきてないんだけどな、と思いつつもついていく蓮だった。
──ガラクタ市
広場の一角に、小さな露店が並んでいた。
「へえ、面白いね」蓮が物色しながら言う。
「まあな」翔也は古い医学書を手に取る。
「やっぱり仕事絡みじゃん…」蓮は翔也を横目に、近くの店で銀の指輪を手に取れる。
「指輪とかに興味ないタイプだと思ってたよ」翔也はちらりと見る。
「そう?」蓮は楽しげに指輪を置いた。
気づいて、もう日が傾き始めていた。
「……そろそろ帰るか」翔也が言うと、蓮は少し寂しそうに空を見上げた。
「なんだか、もっとゆっくりしたかったな」
「また来ればいいだろ」翔也は少し笑って、軽い蓮の背中を向いた。
「はは、確かに」
二人はゆっくりと石畳の道を歩いていく。街の灯が少しずつともり始め、どこか温かい雰囲気が感じられた。




