2話 神への生贄
今回は血縁関係者からの暴言など、不快に思う表現があります。嫌な方はご注意ください。
今回登場する人物と主人公の関係はあとがきに書きます。誰それ?と思った方は先にあとがきをご覧ください。
次の日。彼は久しぶりに鉄格子の部屋から出た。黒装束に着替えさせられて焚き火の前に跪かされた。彼の周りには集まった一条家の面々が立っている。彼は何が始まるのだろうと思って見ていたら、志弦が彼の目の前に何かの魔法陣をかき、意味のわからない言葉を唱え始めた。おそらく古代語だ。一区切り唱え終わったところで彼は聞く。
「発言の許可を求めます。」
「許す。さっさと言え」
「これから何が始まるのでしょうか。」
「なんだその程度も知らないのか。無知なやつだなお前は。立場を弁えろクズが。」
「友也様、勉強不足で申し訳ございません。何か…教えていただいても?」
「ふん、馬鹿なお前に教えてやる。これはな、創造神の加護をうける為の儀式なんだよ。お前は反神の呪い子だからな、良い生贄になるんだよ!」
彼はそんなのきいたことすら無かった。王家に秘密裏でやってるのかもしれない。貴族のトップのくせに…
「お前の誕生は公表してないが一条家の汚点にかわりはない。さっさとくたばれ!」
「そうだな。衛兵、こいつを抑えてろ。残りの詠唱を終わらせる。」
「かしこまりました、志弦様。」
彼は死ぬ危機なのに落ち着いていた。薄々わかってたのかもしれない。
(まあ、残り生きるのは諦めよう。志弦様達の命令は絶対だから。仕方ないよ。)
そう思ったとき、玄関のほうが騒がしくなってきた。だんだん声が近づいてくる。
「………!…ですから!只今旦那様はお取り込み中ですので入ることはできないと申し上げているではありませんか!」
「静かにしろ。それは国王の急な用時よりも大切なことなんだな?」
「…はい。」
「なら尚更だ。それ以前に俺は今お前たちが今やっていることを知ってここに来ている。死にたくないのなら今すぐどけ。」
「! …わかりました。」
どうやら国王陛下が急遽来たらしい。ここでやっていることを知っているのは…
「たのもー! お前達、今すぐ逮捕だ!」
主人公の家族構成と関係の良し悪しをかいておきます。
関係
父親 志弦 悪
母親 優香 悪
長男 静希 良
次男 友也 悪
長女 花 (はな) 悪
三男 友希 悪
四男 匠 (たくみ) 良
五男 蓮 (れん)
主人公は関係の悪い血縁関係者のことを様付けで呼んでいます。ご注意ください。
今後とも宜しくお願いいたします。