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 俺はとりあえず街から脱出することができた。

 すごく嬉しい。これでモンスターからは逃げることができるだろう。

 完璧すぎて怖いな自分が。


「でも満身は絶対にだめ! 俺はとことん遠くに逃げるぞ!」


 俺はまだ足りないと感じ、もう少し離れることにした。

 マラソンの要領で、腹式呼吸で走る。

 街から遠く、勢いよく!

 なんだかさっきから走りっぱなしだな。これでもしこのままのペースで頑張ったとしたら大統領にでもなれるんじゃないか? わっはっは。そこのお前、しねえええ! てな!


 そんなことを考えていると、気づいたときには森の中に突入していた。

 おお、ここはすごく森だ。街の近くにこんな場所があったんだな。森ってガチで最強だわ。すごく温まるし、心がやばい感じになる。もうなんというかマイナスイオン感じまくりっていうの? もう脳もいい感じにマイナスにされて、すごくスッキリって感じですわ。


 俺は早速寝っ転がり、マイナスイオンを感じることにした。

 ふぅ、この感じ。やっぱり最高だな。やべ、いつまでもこんなことしてるわけにはいかないぞ。俺は逃げないといけないんだ。でももう流石にここまでくれば大丈夫かな? いや、慢心は絶対にだめだ。こうなったらとことん遠くに逃げたほうがいいんだ。もうこれは絶対なんだ。


「うおりゃあああああ」


 俺は再び立ち上がり、走り出した。

 あー、いつまで走ろうか。今度は完全に疲れてぶっ倒れるまで走ってやろうかな。そのほうがマジでウケそうだし、完璧に近い形になりそうだから、テンションあがりそうだよ。もうなんなら今から上がってきたよ。これはもうやばすぎるな。


 その調子で走り続けようかと思ったが、突如として少しばかり開けた道が現れた。

 林道といったところか? この道はかなり人為的なものを感じる。ここをたどればどこかにはつながってそうだな。

 俺はその道を進むことにした。

 十分くらい経って、前方から一台の馬車がやってくるのがわかった。

 うお、馬車か。いつの間にか歩いてしまっててあんまり疲れはなくなっちゃったけど、乗せていって貰えないかな。歩くよりは座ってた方が断然楽だと思うし。もちろん俺の進む方向に行ってもらいたいから、逆方向に切り替えしてもらうことになるけど。


「おーい!」


 俺は馬車を止めた。

 立ち塞がり手を挙げる。これで流石に止まってくれるだろう。まさか止まらずに突っ込んでくるなんてことはあるまい。なぜそう言い切れるかといえば、止まらなければ俺は敷かれてしまうからだ。敷かれてしまえば、この馬車を引いている人は人殺しということになってしまう。となれば、この世界の法律がどうなっているかなどは知らないが、間違いなく何かしらの罰則は被ることになるだろう。流石に人殺しが許されるような世の中ではないはずだ。だから俺は安心してこうやって道を塞げるということだな。


 そして結果どうなったかと言えば、俺の予想した通り、馬車は俺の手前でしっかり止まってくれた。


「なんだー……?」


 御者が、俺の方を恐る恐る見ている。

 まぁこんな森の中で人が立ってたら流石に警戒もするかな。

 まぁだが俺だから大丈夫だ。


「ああ、すみません! 実は遭難してしまってて……よろしければ馬車に乗せていただけませんか?」


 俺はちょっと嘘をついて乗せてもらう作戦に出ることにした。


「はい? うーん、遭難かぁ。ちょっとまってくれ」


 御者はそう言うと後ろの窓を開け、中に向かってぶつぶつ言葉を発していた。馬車の中には別に人がいるみたいだ。何か相談してるということかな。

 そしてしばらくして御者がこちらを再び向いた。


「にいちゃん、すまんなぁ。この馬車は今それどころではないということだ。悪いんだが、街までは自力で戻っておくれ」


 えー! なんだよケチかよ。どんなやつが遭難者を置いていくとかいう判断をするんだよ。ガチで人格終わってるな。マジでこの世にいらない人材だわ。俺が逆の立場なら、一人くらいなら乗せてこうってなるけどな。はぁ、こういうやつがいるから世の中腐ってくんだ。くそ、マジでどんなやつだ。ちょっと顔を見ときたいな。いつか機会があれば、殺したいから覚えときたいし。あの窓からならのぞけるよな? よしちょっと待ってろ。


 俺は御者の方に近づいていった。


「ちょ、ちょい、なにを……!」


 俺は御者を押しのけ、御者が先程覗いていた窓から、馬車の中をうかがってみた。

 う……なんだ、おもったよりも暗いというか、うまく見通せない。これじゃ顔が見れないじゃないか。どうしてくれるんだ。


「ちょ、ちょっと! 困ります!」


「あの、中にいる人の顔を見たいのですが」


「た、たすけてー!」


 御者の人が叫びやがった。へっ、馬鹿め森の中で助けなんかくるわけないだろ。そんな叫んで何になるってんだよ。マジで頭おかしいな。これはもう気持ち悪いレベルだわ。


「何事だ?」


 そうこうしていると、御者の窓に唐突に顔が現れた。

 うお! びっくりした! 人だ! 人がいるぞ! おっさんじゃん、なんだよ。臭いな。てことはこの人が俺の乗車を拒否した人物ってことか? なんかダンディな感じの顔なんだな。気に食わないわ。でも顔はしっかり見たからな。よし、これで今後こういった顔の人を殺していけば、いずれはこの人も殺せるだろうな。もうこんな感じでいいかな。でも殺すというのであれば、今殺しといた方が間違いないか。今後いつ出会うことになるのかわからないしな。

 よし、今殺そう。




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