プロローグ
男子生徒より女子生徒の人数が多い、私立恋学愛日高等学校。
そのネーミングと清潔感に満ちた校舎に、女子が憧れ集まる事から、生徒の比率が変わっているが、決して女子校などではない。
さっき、女子が憧れ集まると言ったが、男子だって憧れる。
それは何故か?
「可愛い女の子を沢山見れる」
だってそうだろ?
教室の中で、廊下で、校庭で、部活で、屋上その他諸々。
正にパラダイス、そこらの男子校で3年も無駄にするなら、ここの高校に入って異性とふれ合いたい。そう。触れ合いたい。だから選んだ。そして選ばれたのだ。
そして……選ばれし者には、それ相応の責務を果たさねばなるまいて。
俺、奈緒秀生が、この学校で果たすべきはただ1つ。
それは、可愛い女の子との距離を0にする事。と言っても、全校生徒の女子全員って訳じゃない。
俺だって選ぶ権利はあるだろ?だから、あれよ。簡単に言えば彼女。
この学校で、俺好みの女の子を見つけて彼女にする。ぶっちゃけそれ。
人は誰しもパーソナルスペースを持っている。個人差はあるが他人との距離は適度に保ちたい。俺もそう。だから彼女候補の女の子を見つけて、その距離を無くしたいって事なのさ。
ん?それは下心だって?甘いな。何をするにも、距離が離れていては問題外。まずはモテる事が前提で、そこから恋だの愛へと軌道修正すればいい。
ん?そもそもお前はモテる面かって?
愚問なり。俺はこの物語の主人公だぜ?まあイケメンではないのは認めるが、中の下までは行かないと思う。
そうさ、俺は主人公。すなわち、絶対的スキルはとっくに備わっている。
「どんな物語でも、主人公はモテるし、バットな結末にはならないのさ」