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森永さんの話 その3
前回は「テレビが意外な活用のされ方をしている」、
ということについて書いたが、
実は森永さんには同じような体験がもうひとつある。
ある年の年末に森永さんがテレビを見ていた時のことである。
その番組では京都のお寺を紹介していた。
森永さんはそのお寺に行ったことがあったので、
「ああ、あのお寺だ」と思って見ていたそうである。
すると森永さんの頭の中に声が聞こえてきた。
それは「Yさんの所へ連れて行ってください」、
という意味の言葉だったのだが、その言葉使いが、
絶対に森永さんは使わないような、
とてもていねいな言葉使いだったのだそうである。
それは、その寺にまつられている、
さる、高貴な身分の方の「意識」が言っていたのだった。
森永さんはそのお寺に行ったことがあるので、
それが誰だか知っていたのだが、
日本史の教科書に出てくるくらいの人である。
森永さんは、
「今は年末なので、年が明けてからお連れします」
と答えたそうである。
これで森永さんの話全3話は終わりです。