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会いに来た話
これは福岡市南区であった話である。
ある人が病気で入院していた。
その人には子供が三人いた。
長男が中学生、長女が小学生、次女が幼稚園だった。
その人の容態が悪化して危篤状態になった。
長男と長女には学校へ連絡が入って、
2人はそのまま病院へ駆け付けた。
次女はおばあちゃんが幼稚園へ迎えに行き、
一度自宅に連れて帰って、
おばあちゃんが仕度してから病院へ行こうとしていた。
次女が縁側で待っていると、
庭の土から白い煙が立ち昇って、
それが人の形になって消えた。
次女が別室にいたおばあちゃんを呼び、
「今土の中から人が出て来た」と言っても、
「そんなことがあるわけがない」と言われたそうだが、
病院に着いた時にはもうその人は亡くなっており、
次女に会いに来たのではないかという話になった。