45話 マーレ邸の生活4
早速マーレ大叔母様の授業が始まった。
「今日はマリアさんの勉強してきた事を確認しながら、復習していきましょうか?」
「はい!」
マーレはマリアのお茶の飲み方、目上の人に対する態度や話し方、その時の使用人への接し方、また使用人への指示の出し方、こっそり使用人に頼むやり方など細かくチェックしていく。
マリアはこういう時は、演劇だと思い、今まで教えてもらった通りに実績していった。
「う〜ん。やっぱり教える事は無さそうね。後は本番で緊張無くできるかどうかね。」
「そうね、呼んでみようかしら?」
えっ?! 大叔母様が呼ぶと、どんな人達が来るんだろう?
マリアは凄く嫌な顔をしている。
「ふふふ、マリアちゃん顔に出てますね。顔に出やすいのかしら?」
「……。」
「大丈夫よ。男性は呼ばないから……私みたいな皺だらけの、萎びた顔の婆が来るだけよ。」
マリアはそっとマーレの顔に触れ、再生の魔法を掛けた。
老化によるものは治らないが、紫外線や表情による皺は治っていく。加齢により落ちた筋力は鍛えるしかないが、肌に付いたシミや皺は一時的に治っていた。
「何? 体が楽になったわ? 魔法なの?」
「うん、回復魔法を使ったの……。 鏡見てみて?」
今までは60代の顔だったが、肌だけは40代に若返っている。
「ちょっと待ってね。持ってきた化粧水、分けてあげるから。」
部屋に戻り、化粧水を小瓶に分け、水の魔力を込める。イメージは潤いだ。
ちょっと試しに自分に付けてみる。
おぉ、ひやっとしてるな〜。
気持ちだけでも込めとかないとね。
ポーションと化した化粧水である。
マリアはニコニコ顔で、マーレの部屋に戻り化粧水を渡す。
「はい、これを寝る前に塗ってね。 朝起きると肌がしっとりするからね。」
マーレの顔に塗ってあげる。
「信じられないわ。 夢じゃないかしら?」
「明日から顔の筋トレね。ちょっと試してみるね。」
マリアはマーレの頰に触りながら、|身体強化(筋肉)《フィジカル・エンチャント》を掛ける。
すると全体的に垂れていた顔が引き締まり、遂には30代の顔になった。
「お婆様じゃ無くなったね。 何かお母様みたいね。」
「……これ、私? 」
「うん、でも、これは魔法だから1時間くらいしか保たないわ。 顔の筋トレしなきゃね。」
マリアは顔の筋トレを始める。頰を上げる訓練、目を大きく開ける訓練、鼻を開ける訓練、口を開ける訓練など……。
「あっ!これ私の勉強だった。ごめんなさい、勝手にやっちゃって……。」
「マリアちゃん。嬉しいけど誰にでもやっちゃうのは駄目よ。 お母様がまた心配しちゃうわよ。」
「うっ!内緒……は無理。」
がっくりと諦めるマリアであった。




