20話 グラス作成!
家に帰ったマリアは早速ガラスの加工に入る。
まずはガラス片に柔らかくなるイメージをして、魔力を流す。
「ん、割と通りにくい。」
乳鉢の中で柔らかくなったガラスを捏ねていく。
「うーん。あまり綺麗なガラスじゃない。」
マリアは固めたやや白くなっているガラスを透かして覗き、悩む。
「不純物なのかな〜、どうやって集めよう。」
もう一度魔力を流してみよう。
液体になるように強く魔力を流してみる。
水よりもさらさらな、液体窒素並の流動体な液体になるように魔力を際限なく込める。
乳鉢の中でガラスが液状になり、微弱に振動し始めた。
「ぐぐぐ、これを、持ち上げて…。」
両手の平の間にガラスが球状になり浮いている。
「よ〜し、汚れが浮いてる。」
球体のガラスの下部分は黒ずんでおり、上部分は白っぽくなっていた。
その部分を取り除き魔力で固める。
10センチほどの透明なガラス玉ができた。
「ふー、透明なガラスはできたわ。」
あとは、形をデザインしていくだけだ。
魔力加工は魔力さえあれば何も道具いらずで、大概の物は加工できる便利な方法だ。
よーし、残りのガラスも使い、結婚式で貰うようなグラスを作るぞー。
マリアは楽しくて…、ひたすらに集中して、作業に没頭してしまった。
カリナが呼びに来るまで…。
ひたすらに色々な形のグラスを作り、更に色付けまでしたものを造った。
ガラスがなくなると、金属製の保冷タンブラー作っていたのでマリアの部屋の床はグラスとゴミで一杯になっていたが、マリアは気にせずに作業に没頭してしまった。
これが、カリナの逆鱗に触れるとは知らず…。
「マリア様…。この散らかりようは何ですか!」
「カ、カリナ。ごめんなさい、気が付いたらこんなに作ってた。」
マリアは初めて周りを見渡し、現状を理解している。
カリナを見ると、下を向きプルプル震えている。
ここでマリアは一番やってはいけない事をしてしまうのである。
「カリナ…、楽しくて、作り過ぎちゃった。てへ。」
マリアは開き直って、ウィンクしながら微笑んだ、天使の笑みである。
カリナはビクっと体を揺すると、それからゆっくりと…、非常にゆっくりと…、諭すように話しながら近づいてくる。
「マリア様…、私は奥様より…、あなた様の…、教育係を…、承っておりました…。でも、私では、そのお転婆を治す事はできそうもありません。」
恐い、怖い。ふざけてる場合じゃなかった。
今から謝ったら許してくれるかな?
「カリナ。ご、ごめんなさい…。恐いから、カリナ凄く恐いから…。まるで…。」
まるで、母様みたい。
カリナは顔をあげて、両手を私を捕まえるように手をあげて近づいてくる。
顔は暗く目だけが光って見える。
やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい。
私、動けない、動かない。どんどん近づいてくる、こんなカリナ見たことない。
「ふふふっ、マリア様、私は、後でセレシア様、アレフ様に相談しますわ。あなた様の…、そのお転婆さんを治す事を…。」
あれ?よく見ると入り口にエルマーとエミーリアが覗いてる。
「捕まえた。さあ!」
カリナはマリアを抱え上げる。
「マリア様、お子様はお仕置きです。ふふふ。」
「ふぎゃー!離してー、話せば分かるー!」
「何が分かるですか?十分今までも話してますよね。」
「お仕置きです!」
カリナは椅子に座りマリアを抑え…、必殺の右手をあげる。
バシン!
「ぎゃー、痛い!カリナ!ごめんなさい!許して〜!」
バシン!バシン!
「マリア様!こんなに散らかして!いつも何でやり過ぎるんですか!凄い物ですけど…、もっとお淑やかにしてください!私が!私も!怒られます!」
バシン!バシン!
「うぎゃー、うわーん。ごめんなさいです。もうしません!」
マリアは泣きながら謝っている。
そんな姉の姿を、恐る恐る覗いている弟達は、やっていけない事を勉強するのだった。
その後、母にも怒られ、厳しい礼儀作法の家庭教師が追加されたのは言うまでもない事である。




