1.俺が力を持った理由
初投稿です。文才無いなりに頑張ってみました。
春、それは出会いと別れの季節。憧れていた先輩が卒業して新しい後輩が出来たりと人間関係に様々な影響を与える季節でもある。
皆が出会いと別れに一喜一憂しているこの時期に俺、葛城 冬馬は
「葛城さん、残念ながらあなたは死んでしまいました。」
命とお別れしてしまったらしい。
「えーっと、どゆことですか?というかあなた誰です?」
「えぇ、えぇ。仰りたいことは分かります。そうですね、自己紹介からしましょうか。私の名前はカレンデュラ。死者を別世界に送る仕事をしています。そうですね…あなたの世界の言葉で表すならば…女神です。」
腰まで伸びた青髪。グンバツなスタイル。女神あるあるなベール。正直死んでなければ惚れてたかもしれない。
「つまり、死んだ魂を異世界に送って生活させようっていう事ですか?」
「えぇ、えぇ!!その通りです!いやぁ最近の若者の方って説明しないでも分かってくれるから楽だなぁ
」
おい女神今楽とか言ったか?
「そんなこと言ってませんよ?失礼ですね。」
「おい今なんも言わなかったろ俺」
「心を読むぐらいできますよ。女神ですもの。話を戻しましょう。」
女神の話がクソ長かったので要約すると、だ。「ひどい!!」
この女神(自称)「自称じゃないですって本物ですよぉ」が統治する世界…えーっと…名前なんだっけ「リーフルです」あぁそうだリーフル…って
「割り込んで来ないで欲しいなぁ!!!あと心を読むな!!」
んで、リーフルに魔王と配下の魔物が出たから倒して欲しい、という事らしい。
「というか俺闘う技能とかないぞ?The・インドア派だし」
というか今の服装ジャージだし普通に着替えたい。
「えぇ、えぇ!その辺はご心配なく!あなたにチート能力を授けます!」
「チート能力ってアレか?剣の達人になったり魔法を使いこなしたりするやつ」
疑問を女神に言った時、奴は謎の箱を持っていた。
「よいしょっと…これを使ってチートを決めます。」
「おい女神、これはなんだ?まさかチートを決めるのはくじ引きとか言わないよな?」
「えっ?くじびき以外あるんですか?あと私は女神カレンデュラ様です様をつけなさい様を」
「えっ」
「えっ」
なにそれこわい
「この中にはありとあらゆるチート能力が書かれた紙が入っています。引いた時点で能力を授けますので後で変更は出来ませんのでご了承ください。」
とつぜん淡々と女神が語り始めた。
女神は続ける。
「突然チートとかって言っても何があるか分かりませんよね。例えるならアレです。剣の達人になったり魔法をつかいしたり出来るやつです。」
おい、その発言俺が言った奴なんだが?
「ヒュー!ヒュー!」
「吹けもしない口笛を吹こうとすんじゃね
ぇ!!」
「ん゛ん゛ッ!!まぁとにかく引いてみてくださいよ」
「えぇ…でもガチャだしなぁ…」
「引けって言ってるでしょうがァ!!」
何故か女神に怒られたので渋々引くことにした。理不尽である。
俺がくじ引きの箱の中に手を突っ込んだ時周囲の様子が変わった。
『ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、四元素の根源接続完了。対象のID認識完了。』
周囲に謎の呪文が広がりだしたのだ。
『対象IDに権限付与申請。承認。能力未定、保留』
「あぁ早く引かないと詠唱止まっちゃうんでさっさと引いちゃってくださーい」
女神が煎餅片手に言ってくる。本性表したなこいつ。
まぁいいやさっさと引こう。中に入っている紙を1枚握り箱から手を抜いた。
そこには綺麗な字で【未来確定の言霊】と書いてあった。
『能力確定、指定IDに【未来確定】を付与、権限申請。承認』
言葉が聞こえた直後体が暖かくなる。
「あっ何これ暖かい…いやこれあっつくね?…あっつ!!!!!」
徐々に温度が増してきた。現在体感温度50度と言ったところか。
「あっ言い忘れてました。能力付与中は死にたくなるぐらいの苦痛に襲われるのでー」
煎餅片手の女神が今更言ってくる。 めっちゃイライラ来るなおい!!
【お前にも…同じ苦しみを味あわせてやる…ッ!!】
その直後、女神に変化が起きた。
「えっちょっあっつ!!あっつ!!!!なんで私まで苦痛受けてるんですかぁ!!」
「フハハハハッ!!天罰が下ったんじゃないか??」
「天罰は私が与える側なんですけどぉ!!!あっつ!!!!」
ふむ、俺の方は熱が無くなってきたな。能力の付与が終わったみたいだな。
すると聞きなれない声が聞こえてきた。
『使い方説明を始めマス。この能力は自分が望んだことを現実に反映する能力デス。』
ほう、つまりさっきの女神のもこの力のおかげか
『そうデス。アナタが女神カレンデュラに同じ苦痛を味合わせたいと強く願ったから起きた現象デス』
お前も心の声読むのかよ。もう慣れたわ。
『心の声を読むというかワタシはアナタの心に今さっき埋め込まれたアシスタント兼リミッターなんデスけどね』
「あ、なるほどだから周りが騒がしくてもはっきり聞こえるのね」
「あづいいいいいい!!!!だずげでええええ!!!!!!うげぼぁぁぁぁ!!!」
未だに女神は熱にやられている。うるせぇ。
『あぁ、言い忘れてマシタ。この能力ってマスターが解除しないとずっと続くんデスよ』
んお、マジか。解除ってどうやるんだろ?
『簡単な方法デス。対象のことを意識しながら心の中で解除って唱えるんデス』
うるさいし解除しよう。うん。解除っと
「あづいあづいィィィィッ!!ってあれ?突然熱が引きました。なんだったんでしょうこれ」
「俺の能力らしいぞ女神よ」
「やっぱり貴方でしたか!!死ぬかと思ったんですけど!!神罰与えますからね!!リーフル行ったら覚えててくださいね!!」
神罰食らうのは嫌だなぁどうにかこの状況から抜け出さないとなぁ・・・。
「それでは貴方をリーブルに送ります。神罰に震えて待ちなさい!!」
あっそっか。神罰受けない良い方法がある。
「なぁ女神様よ」
「今更命乞いなんてしても無駄ですよ!神罰は必ず受けていただきますからね!!」
「リーブルに行く件なんだがな?」
向こうに転移したら神罰を受けるというならば
「もう貴方が行くことは私の中で決まってますからね?やめてなんて言っても無駄ですよ?」
「俺、異世界なんていかないわ」
異世界行かなきゃ神罰もクソもねぇんだよな
「えっ・・・・・えっ??」
あ、女神困惑してる
「駄目ですー!!!貴方が行くことは確定していますー!!!」
ほう、すでに決まっているとな
「ならばその運命・・・俺が塗り替える!!!」
【俺はッ!!元の世界に帰るッ!!!!】
『マスターからの門【ゲート】の解放申請・・・承認しまシタ。元の世界への門、開きマス。マスター、これからもよろしくお願いしまスネ?』
そして俺、葛城 冬馬は、チートを手に入れ女神を無視し元の世界に帰るのであった。
というか脳に聞こえるこの声あの詠唱の声にそっくりじゃん
『あ、今更気づきまシタ?』