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ヌーヴォー・アヴェニール   作者: 龍槍 椀
たとえ、悪者になっても
74/111

クロエ 王家主催の【精霊祭】に出席する

 



 王家主催の【精霊祭】の日。





 侍従長(薄ら禿げ)が、学院の、お部屋に来た。 ははは、間違いの無いようにだって。 なんだろうね、これ。 



 朝からさ、(あぁ、勿論、鍛錬終わってからね)髪を纏めて貰ってた。 そんで、お化粧も。 ミーナの大魔法。 そんだけで、ものっそい、美少女が出現するんだよ。 鏡の前で、ちょっと引いたね。 どんな魔法なんだ? 私には、再現、不可能だよ。


 でね、エルに伝えた。 魔法で、水の精霊の【 聖水 】を、お風呂一杯に貯めといてって。 帰ってきたら、沐浴するからってね。 ほら、いまから、もしかしたら、ミールフルールと直接対決するかもしれないじゃん。 嫌だよね、あれ……  だから、みそぎ用に、準備しておいてもらうの。 必要でしょ?


 侍従長うすらはげに連れられて、内郭まで一緒に行ったのよ。 侍従長、なんかチラチラ見てんの。 制服がそんなに嫌か? 学生の正装だぞ? まぁ、いい。 今日は、ちょっとしたいくさだから。 手配はした。 この間から、城下の八大精霊教会に行って、上位大精霊様に上奏してきた。 


 王家主催の【精霊祭】において、ミールフルールが具現する可能性がありますってね。 だから、出来るだけ、下位精霊様達を、王家主催の【精霊祭】に向かわせないでくださいってね。 了承は貰えた。 ほら、街区にある、精霊教会に街の人が祈りを捧げてるし、遠い辺境の地でも、やっぱり祈りはきっちり捧げられてる。


 だから、わざわざ、王家主催の【精霊祭】に出向かなくても、十分な祈りは捧げられるからね。 ミルブール国教会の教皇様には、ちょっと理解出来ないよね。 そう、祈りは集約された場にではなく、龍王国中に広く住まう民が捧げるからね。 少しの祈りでも、数が膨大なのよ。 ぜってい、負けねぇよ。



 よっしゃ、やるか!



 侍従長うすらはげに連れられて、内郭【 祈りの間 】に到着。 中は、ぐるっと一回り、ありとあらゆる、精霊様の祠が安置してある。 中央に祈りが通りやすいように、【 潔斎 】の、魔方陣が描かれているんだよね。 でも、魔力を通さない限り、見えない。 


 恭しく一礼し、【 祈りの間 】 に入るの。 もう、上位貴族の皆さま到着済み。 白龍大公閣下とか、白龍系の公爵、侯爵の方々。 そんで、その御令嬢、御子息の方々。 さらに、ミルブール国教会の導師様方。


 わりと人数居るね…… で、まだ、入室されてないのが、国王陛下、妃殿下、王太后様、ミハエル殿下、エリーゼ様。 そんで、ご出席と聞いていた、グレモリー様と、ミルブール国教会 教皇ボディウス猊下。


 まだ、皆さん談笑中。 ふんふん。 私が入室しても、だれも、気にも留めないし、完全ボッチ。 ヒソヒソまでやってるね。 全然、進歩無いよね。 この人達。 まぁ、なんだ。 ちょっと準備しとこうかね。


 中央の、【 潔斎 】の魔方陣に近づいて、ちょろっと、魔力を流すの。 起動しない様にね。 で、魔方陣展開。 見えない様にね。 で、書き換え…… うん、光の大精霊様の呼び出し印紋を書き加えただけ。 


 そんで、また、元に戻しといた。 誰にもバレない。 不思議よねぇ…… 此れだけ人が居るのに、誰にも気が付かれ無いのは…… はて? まぁ、見ようによっちゃ、誰にも相手されてない私が、魔方陣の近くで、聖句を紡いでたようにしか見えないしね。 懺悔でもしてるように、見えたのか? ほうほう。 



       悔い改めるのは、お前らだろ! 



 知ってっぞ! 祈りの場を政争の場、諍い口の場、謀略の場にしてる事はな! 捧げられる祈りが、自己中心的な、欺瞞に満ちたモノならば、精霊様は見向きもしない。 判って無いだろ…… ホントにどうしようもない……


 うん、ちょっと怒ってる。 だって、ミルブール国教会の導師が、説法してんだよ。 ” 神を崇めよ! ” ってね。 妖魔精霊、崇めて、どうすんだよ……  ホントに胸糞悪くなって来た。


 でね、顔が固まって、「氷の令嬢」に、完全移行した頃、国王陛下のお出ましになったのよ。 国王陛下、祈りがどれだけ重要なのかを、お忘れみたいでね…… もう、気分は晩餐会に飛んでるの…… 龍王国……大丈夫か? と、いうより…… 国王陛下様、大丈夫か?





 ―――――





「【精霊祭】に参列、嬉しく思う。 精霊様へ、祈りを捧げよう」





 陛下の御言葉。 これはいいね。 形式通りとは言え、祈りの本質だからね。 おや? ミハエル殿下がしゃしゃり出て来たぞ? うん? エリーゼ様と、グレモリー様が両脇に? ほう…… 何様のつもりかね……





「今年は、ミルブール王国の、グレモリーが参列してくれた。 隣国の高位貴族が参加してくれた栄誉を受けよう。 エリーゼも未来の国母として、この場で祈る。  さらに、ミルブール国教会の教皇猊下が我らを導いてくれよう! 感謝を!」





 おいおい……マジかよ…… 



      でたよ……ミルブール国教会の 教皇ボディウス猊下。 



 純白の高い帽子から覗くのは、漆黒の髪、透き通る様な青白い肌、半眼で灰色の瞳で、周囲を威圧しとるな。 ものっそい整った御顔だね…… ほら、お貴族の御令嬢、ポーって見てるよ。 そんで、着てるもの、めっちゃ豪華だね。 金糸、銀糸をふんだんに使った、贅を尽くした、ローブだねぇ。 





「ハンダイ龍王国の【精霊祭】に招かれた。 嬉しく思う。 皆の真摯な祈り、間違いでは無いが、それでは、届かぬ。 我は精霊に愛され、精霊と交感出来る。 そう、精霊の声が聞こえるのだ。 今までの方法では、精霊に届かぬ、いや、愛されぬ。 我が導こう! 皆の祈りを我が精霊に届けよう!  さぁ、我に祈りを! 」





 けっ! 何言ってやがる。 精霊の声? お前の信奉しとるの、ミールフルールじゃねぇかよ…… 奴は体を持たないんだよ、だから、声しか聞こえねぇんだよ。 なんてもん、召喚しやがるんだ。 偽りの光使いやがって…… 神々しく見せる ” 遣り口 ” 、文献に書いてあった通りだ。 ついでに、魔法発動しやがった。 【 威厳 】と、【 魅惑チャーム 】 と、【 捕縛結界 】だと? 


 それに、この部屋にいる、高位貴族、及び、その子弟…… お前ら、今まで、精霊様に祈りを捧げてこなかったのか? 何のために、精霊様の祠があるんだ? 理を思い出せよ…… まったく。 そんで、そのミルブールの教皇が、部屋の中央近くに立ってね、その周りに、王妃様、ミハエル様と、エリーゼ様、貴族様とその子弟が集まって、膝を、折りやがった。




      妖魔精霊に、帰依するつもりか? 馬鹿者共が!




 グレモリー様、抵抗してるなぁ…… 国王様、無関心だね……そうか……陛下は精霊様には関心ないんだ…… それも、どうかと思うけどねぇ…… 王太后様? どうしたの、顔色悪いよ? なんか、急速に老け込んだね。 お疲れなんだね。 なんか、哀れなものを見ている目だよ。 あぁ、そうか、その瞳は、自分も見てるんだ……なにも、状況を改善出来ない、御自分に無力感を感じておられるんだね。 



 目の前に広がる、トンデモ情景に私はドン引きだよ。 本気で、精霊様の御加護を失うぞ……



 でもね、此処には私が居るんだ。 きっと、教皇猊下の指示だね。 私を取り込もうとしたんだね。 だから、こんなに強く、【 威厳 】を、私に向かって放って来るんだ。 屈服させようとしとるの、バレバレなんだよ。 負けねぇよ。 強く、強く、私を睨んできやがる。 【こうべ】を垂れさせ、【 膝 】を折らせようとね。 


 そんな姿を、毅然として跳ね除ける。 頭を上げ、強い視線とまともに正対する。 背筋をまっすぐに伸ばして、お腹の上で手を組む。 私が祈りを捧げるのは、精霊様にだ。 


 教皇猊下の周りに、薄い靄が、漂っとるね。 あれが、ミールフルールの ” 手 ”であり、” 口 ”なんだ…… 周りの精霊を喰う為に、手を出してきやがった……


 でもな、残念だったな。 ココには、精霊様は来ないよ。 私が、そう頼んだ。 八大精霊様にな。 で、了承された。 そうさ、ミールフルール、お前の糧は来ないんだよ。 参加者の僅かに残る、祈りの残滓でも喰らうんだな。 


 おや? 猊下…… あてでも外れたか? 思ったほど、妖魔精霊が満足しとらんって、わかったか? そうさね、妖魔精霊、お食事出来ないもんね。 お膳立ては、王室の晩餐会みたいな豪華な設え。 でも、出て来たの萎びたサラダ一皿…… そんな感じだよな。 


 喰ったところで、美味しくないしな。


 なんか、判ったのか? 猊下。 私を睨みつける目の色が変わったよ。 そうさね、” 怒り ” だ。 周囲を 【 探索 】 したんだね。 そんで、この部屋の外側に意識を向けたんだね。 精霊様がコソコソ喋ってんの、聞こえたんだ…… 





 《 あの部屋から、祈りを感じるんだけど……》

 《 ダメよ、行っちゃ。 光の精霊様から、言われてたじゃない。 今日は行くなって》

 《 人の子が、お願いしたんだって?》

 《 そうよ 》

 《 なんで? 》

 《 あそこに、ミールフルール来るからだって 》

 《 やだぁ……食べられちゃうよ 》

 《 だからね、行くなって 》

 《 ……教えてくれたのって 龍の…… 》

 《 そうよ、龍の巫女よ 》

 《 あの子なんだね……うん、わかった 》





 ってね。 これ、猊下聞こえたんだ。 だから、殺気絡めて、私をみてるんだ。 受けて立ってあげる。 威厳に満ちた声で、問いかけてきやがったよ。 猊下がね。





「お前、何故、我に膝を折らん?」


「精霊様への祈りを捧げる時は、立礼が基本です。 精霊様は一方的な隷属は望まれません」


「我が届ける」


「不要です。 精霊様は個からの祈りを望まれます」


「我が神は……」


「精霊様は、あまねく龍王国の民に等しく加護を与えられます」





 さてと、ちょっと、反撃に入るか。 手は組んだまま、用意してた魔方陣に魔力を注ぐ。 【 精霊召喚 】 水の大精霊様、御降臨を…… 私の周囲にパァ~って光が紡ぎ出された。 ムリムリと歪な結界を割って、水の大精霊様が御降臨された。 あまりにも歪な空間に、水の大精霊様がギロリって、周囲を睨む。 睨んだ先に、猊下が居たね。 そんで、まとわりついてる、靄に気が付いた。




      ⦅願わくば、清浄の水を持って、穢れを払い給え⦆




 私の口をつくのは、真摯なお願い。 いくら妖魔精霊が強力な邪霊だったとしても、手と口だけじゃ、大精霊様には、敵わない。 大精霊様、祝福を与えた水を、直接その靄に振りかけた。 黒紫色の煙が上がる。 焼かれよったよ。 猊下もかなりダメージ、負ったんじゃない? でも、周りの人、気が付いてない。 ほら、自分で、色んな魔法かけてたじゃん。 あれが、裏目に出たね。 見てるけど、見えないのよ……



        んじゃ、全部を返してくださいねっと!




    ⦅光の大精霊様 御降臨、賜らん事を 光の英知 我に力を!⦆




【 潔斎 】の魔方陣に、光の大精霊様の召喚魔方陣ちょろっと、書き加えといたから出来る、力押し。 水の大精霊様に、空間の浄化をお願いしたから、お願いは、真っ直ぐに届くよ。 もう、力一杯お願いした。



         光の大精霊様……降臨して下さった。


          ……光が満ち溢れた……



 眩しくて眼も開けられない。 でも、とっても優しい光。 全てを包み込むようなね。 私の祈りを捧げます。 




       《 どうぞ、どうぞ、龍王国の民に加護の力を 》





    包まれる光は粒になって、昇華していく。 祈りは届いたかな? 


 気分悪そうね、猊下。 そう、貴方達には、毒にしかならない。 でも、それをここで言い出すわけにはいかない。 だって、此処にいる人達、龍王国の民がほとんどだもの。 龍王国の民なら、今見た情景は、絶対に否定できない。 もし否定するなら、自分から加護を捨てるって事。 加護無き者は、龍王国では暮らせない……と云うより、見放される。 




          だからでしょ? ミハエル殿下。




 何か言いたげな、ミハエル殿下。 でも、言えないよね。 ほれ、言ってみろよ。 ” この慮外者 ” とかさ。 グレモリー様は、優し気に私を見てるね。 そう、かつては、ミルブールでも当たり前の光景だったもんね。 





「……退出する、気分が優れない」





 猊下、そう言って、思うように動かない体を引きずって、退出された。 一緒に来てた導師たちも、同じね。 妖魔精霊なんぞ、信奉するからだ。 しらんね、本当に知らんよ。 私は、龍王国の民の為に此処に来たんだ。 それ以外無いよ。 



 アレクサス御爺様、ありがとう。 これで、民は加護を受けられます。 ミルブール国教会の侵攻は取り敢えず止めました。 暫くは、膠着します。 貴族も、その子弟も、思い出してくれたようです。 それを出現させた者が、誰なのかは、すっぱりと記憶から消してますけどね。


 私を憎々し気に見て、退出する、猊下を追うように、ミハエル殿下が後を追った。 きっと、追従するか、私を貶めるか…… そんな所だろうね。 放って置こう。 ……第二王太子だもんね、手が出せないよ……






「みなの者、大義であった。 精霊様の加護が、このように具現化される。 ハンダイ龍王国は、精霊様の加護に護られて居る。 さぁ、宴ぞ! 共に喜ぼうではないか!」






 国王陛下の御言葉。 ……多分、判ってらっしゃらない。 妃殿下が、皆を誘って、晩餐会会場へ向かってる。 私には、一瞥もくれない。 よほど、イラついているらしいわね。 国王陛下も退出された。 部屋の中に残ったのは、私と、アナスタシア王太后様の二人だけ…… 早く消えてくれないかなぁ……後始末、残ってるんだけどなぁ……





 ―――――





 そう、後始末ね。 書き加えちゃってる魔方陣を元に戻すのとか、あいつらの残滓をこそぎ落とすとか……でもねぇ……アナスタシア王太后様が、居るのよ。 出来ないじゃん。 





「あの……なにか?」





 ちょっと、小首を傾げてみた。 うん、ミーナの大魔法のお陰で、「氷の令嬢」が、幾分・・柔らかく見える筈よね……幾分・・。 でね、王太后様、私の顔を見ながら、なんか、言葉を紡ぎ出したのよ。






「クロエ……貴女は、龍王国の民へ精霊様の加護を導いたのですね」


「ええ、その通りですわ。 貴族の義務であり、矜持として。 決して、汚されるべきモノでは、御座いませんから」


「貴女、何処までご存知なの?」


「龍王国の精霊様を妖魔精霊が狙っていた と、言上すれば、お分かり頂けるかと」


「……そう……皆、気を揉んでいるのでしょうね……フョードル国王陛下が、こういった事には、無関心ですから……」





 ニッコリ笑っておいた。 まさか、王家ごと、排除を考えているって、言えないわよね。 言えたらいいんだけど。 もう、その方向に進み始めてるのよ。 国王陛下だけでなく、王妃様、そして、次期国王であらせられる、フランツ殿下と、ミハエル殿下、状況は切迫しているのよ。 


 色々と、古文書も読んだわ…… 天龍様から受け取った、いにしえの契約の内容もね……それに、いま、マリーに伝える為に、精査しながら、読込んでて判った事もあるの。 国王陛下は、王権は、天龍様が保証しているって、感じておられるけど、それは、間違い。 



 この国と、天龍様の契約は、たった一人の人が成した、契約。 



 その方の血を引くものが、一人でも残っていれば、資質を見極め、天龍様が加護を与えるの。 だから、別に王家が無くったって問題無いのよ。 



 資質…… それは、天龍様の浄化が出来、領域の安寧の為に、心を砕くの。



 決して驕ることなく、民と共に歩く。 龍の巫女が居れば、後はどんな政体であろうと、彼等は気にしない。 事実、ミルブール王国も、南アフィカン王国も、ハンダイ龍王国とは全然違うまつりごとを行っているよね。 でも、龍族は何も言わない。


 だから、私も何も言わないの。 「天龍様の愛し子」としてね。 






「もう少し、祈りを捧げたく思います」


「判りました…… クロエ」


「はい」


「……龍王国を宜しくね」






 踵を返し、部屋を去る王太后様。 最後に、王太后様のお顔に、寂しげな笑みが浮かんだのが見えた。 あぁ……もしかしたら、アナスタシア王太后様、全てを御存じなのかもしれないわね…… 私と最初に逢った時には、本当に私が龍印を持ってるって思ってなかった。 だから、偽物は排除しようと、強引に【降臨の間】の、門の精霊ゲートキーパーに、会わせたのかな。


 で、門をスルッと抜けたから、びっくらこいたっと。 まぁね。 そうかもね。 強い龍印を持つ、「龍の巫女」が居れば、王家は必要ない。 だから、王家と結びつけるために、私と、ミハエル王太子をくっつけようとした。 ……でも、ミハエル殿下には、その気は無いと。


 アナスタシア王太后様……自縄自縛になってるよね。 きっと、彼女の護るべきは、ハンダイ王家。 その王権が続く事を願ってる。


 それは、今も変わっていない。 龍王国を宜しくって、ミハエル殿下と結婚して、龍王国を護って欲しいって事なんだろうね……


 深々と頭を下げながら、そんな事を考えてた。


 多分、無理だろうなぁ……


 そんな未来……来ないだろうなぁ……


 アナスタシア王太后様が 【 祈りの間 】を、退出されてから、後始末を終えた。 当然、誰も居ない。 侍従長(薄ら禿げ)はおろか、侍従の姿すらない。 まぁ、いいんだ。 さっさと内郭を後にしたんだ。 残ってても、良い事無いし、姿を見られれば、きっと、” 宴 ” とやらに出席強要されそうだしね。





 **********





 着て行った制服は、焼いた。


 あれはもう着れない。 下着もね。 全部、火の大精霊様の業火で焼き切った。 灰すら残さないようにね。


 お風呂に入って、沐浴した。 聖水たっぷりあったからね。 エル、ありがとう。 こびり付いてる、あいつらの残滓、こそげ落したよ。 聖水が触れると、黒紫色に溶けてなくなる。 穢れって奴ね。 もうね、ほんとに、気持ち悪~~ 


 こんなの沢山ある中、よく飯食ってられるよ…… 反対に感心するよ……


 今は、ちょっと、色々無理…… 


 鍛錬部屋に籠って、聖句を…… 聖句を唱えてるの。


 本当に、消耗した。


 魔力は有るんだけど…… なんか、私の元になってるものを、大量に失った気がする。 妖魔精霊に対峙するって、こういう事なんだろうね。 心を強く持って……



         誇り高く、穢れなく……




            母様……




            すこし……




            苦しい……よ





夏本番ですね。 暑い中、皆様に読んで頂ける、至福を感じております。

そして、物語も、本番ですね。


ミルブール国教会の最高責任者、教皇との対決です。 圧勝です。

姿なき敵に、彼女は精一杯戦いを挑み、勝利しました。 でもね、表立った賞賛は無いの・・・


また、王族と、白龍系の貴族から、嫌悪を買いました。 もうぶっちゃけ、クロエには、可哀想な状況です。 かなり積みあがっております。 救いは、その他大公家、および、その傍系、庶民が好意的に見てくれていると思われます。 


 龍王国を護り通すのが、クロエの矜持・・・頑張れ! 負けるな!


また、明晩、お逢いしましょう!!

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