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読者さんをひきつける展開とは

 小説を書かれている方の中には、真面目に市販の「小説の書き方」の本などを読み、実践されている方もいらっしゃることと思います。

 しかしこの手のものが本当に役立つかというと一概にそうとも言えないのが現状だそうです。


 誤解ないようお伝えしますが、「小説の書き方」の本が全く役に立たないとか、読むなど無意味、小説の書き方など勉強しなくてもいい、ということではありません。

 ウェブ小説と紙の小説は、何度も書きますが、求められる形や展開にズレがありますので、そこを理解しないとせっかく書いた小説を最後まで読んでもらえないということになりかねないのです。


 私も市販の小説の書き方は図書館で借りて何冊か読みました。勉強になったことも、もちろんあります。言葉の使い方ですとか、展開の書き方、キャラの生み出し方など、小説を書きたいけど、具体的になにから始めればいいのかわからない方には大いに役に立つと思います。


 しかし、この手の小説の書き方はあくまでも「紙の小説の書き方」に過ぎず、ウェブ小説というスタイルには当てはまりません。


 小説と言えばストーリーは「起承転結」が大切だと言われていますが、すでに購入し、すき間時間ではなく、「今から読書します」というような時間に、腰を下ろしてじっくり読み進められることの多い紙の小説なら、盛り上がるまで時間がかかったとしても、たいていの人は最後まで読んでくれます。


 しかし、たくさんの作品があり、試しに少し読んでみようかな、面白かったらブクマして、続きはまたすき間時間に読もうかな、という感覚で読まれることの多いウェブ小説でこれをやると、「いつまでたっても盛り上がらない」「退屈なシーンが続いている」と思われますし、盛り上がる場面まで読んでもらえず、結果、誰にもブクマしてもらえない、感想をもらえない、ということにもなりかねません。


 それなら、どうすればいいかと言うと、「最初からクライマックス」にすればいいのです。

 最初からクライマックスとはなにかというと、そのままの意味で、冒頭に盛り上がるシーンを持ってきてしまうというやり方です。


 火サスにありますね。始まった瞬間に人が殺されて、犯人が逃亡、その途中で不審な動きを……みたいな、いきなりの展開が。

 あんな感じで、最初の一行目で事件やアクシデント、読んだ人が「これはなに?」と思いそうなものを持ってきてしまうのです。

 読み始めてすぐに驚きの展開、ヒロインがさっさと登場、速攻で不思議な事件が発生する……などです。


 さらに、「禁止」「禁忌」などが含まれるとより気になる度はアップ(すると思います)。

 どういうことかといいますと、映画のCMとかにありそうな「もう恋なんてしたくないと思っていた。あの人に会うまでは……」みたいなやつです。


「俺は二度とサッカーをしないと決めた。それなのに、サッカー部に入部する羽目になった。すべてはあいつが現れたからだ」


「それは禁断のゲーム。参加すれば、最後に必ず死ぬ」


「あそこは、子供絶対に入っちゃだめよ。鬼に食われてしまうよ。何度も大人たちに言われてきた。けど、どうしても、私はあそこへ行かなきゃいけない」


 ……のように、「やってはダメ」と言われると余計にやりたくなるのが人の性です。

 それを主人公と一緒に、もしくは、主人公になりきってやってしまうとなると、興味を持たれる人も増えるのでは、と思います。あくまでも個人的な考えですが。


 また、ダメだとわかっていながらやってしまう主人公の気持ちや理由を知りたくなって読んでくださる方もいるかと思います。



 それと、連載小説は、続きを読みたいと読者さんに思ってもらう必要があります。そのためのお手本になるのが紙の小説ではなく、「連載漫画」です。


 毎週、もしくは毎月発売される、週刊漫画、月刊漫画を読んでいる方もいらっしゃると思います。この手の漫画は「肝心なところで次回に続く」展開となります。


 読者さんで、「もうちょっとキリのいいところで終わってくれたいいのに」と思われた方はたくさんいらっしゃるでしょう。このもやもやとした、続きが気になる、というタイミングで区切ってしまうことが、読者さんを引き付けるやり方です。


 主人公がピンチ! → どうにか切り抜ける → しかし、この後主人公を待っていたのは!? ……というような、「それからどうなるの?」「それはなに(誰)?」というような、疑問や気になるものを読者さんに残して終わるやり方です。

 これを毎回繰り返します。


 前回はもやもやしたけど、今回読んだら謎が解けてすっきりした、という展開になっても、その後、少しでも、「あのキャラが言った言葉がなんか引っ掛かるな」程度の新しい疑問や謎をちょいちょい落としていくと、「まだまだ連載は続くみたいだけど、気になっていたことが分かったし、もう次から読まなくてもいいや」となることは少ないと思います。



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