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留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
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4.我が家の敷地外がジャングルになってました。

 目を酷使しすぎたのかしょぼしょぼする。

 清々しい朝……を過ぎ現在の時刻は10時54分。あと1時間ちょっとでお昼ご飯の時間です。


「………さすがに疲れた。そして眠い」


 そのまま横になって眠りたいのを我慢して、テレビとゲームの電源を落としゆっくりと立ち上がる。

 今寝たら夜まで爆睡しそうだから、先に自転車に油をさそう。昨日ペダル漕いだ時の音ヤバかったし。


 怠い体を引きずりながら玄関へ。下駄箱からスプレータイプの油を取り出す。

 外へ出ると照りつける太陽の光が私の眼球に攻撃を仕掛けてきた。効果は抜群だ。太陽の光から逃れるため俯くと視界に黒っぽい何かが映った。

 じっと目を凝らしてみると黒っぽい何かは小石であることが分かった。さらに、その小石は均等に同じ感覚を開けて綺麗に並べられ〝ごめんなさい〟の文字を象っていた。


 何だろ? 昨日はこんなの無かったはず。


 どうやら〝ごめんなさい〟に使われている小石は我が家の駐車場の砂利からちょうどいいサイズを選んだもののようだった。

 誰だこんな悪戯したのは。玄関前から砂利の敷き詰められた駐車場まで続く長さ約7メートルあるアプローチのに真ん中あたりに〝ごめんなさい〟などと書かれていたら配達のお兄さんが吃驚するでしょうが。

 つま先で文字を崩し小石を一か所に纏める。自転車に油さしたらこれ駐車場に戻そう。


 さて、またせたね我が愛車よ数ヶ月ぶりの油だよと、板塀フェンス横に止めてある自転車へと視線を向け一時停止。

 板塀フェンスその先に広がっていたのは、


「……きぃ?」


 そう木でした。軽く10メートル以上はあるどっしりがっしりした木沢山生えていました。


 右を向きます。


 やはり板塀フェンスの先に木が沢山生えてました。


 左を向きます。


 こちらも板塀フェンスの先に木が沢山生えていました。


 グルッと回って後ろを向きます。


 草が生え放題だった庭は、イチゴ、イチジク、リンゴ、トウモロコシ、トマト、キュウリ、ピーマン、ナス、ネギ、などなど様々な収穫時期を無視した様々な野菜、果物が溢れんばかりに実っている立派な畑に育っていました。

 そして、その畑の向こう側にはやはり木が沢山生えていました。


 上を見上げます。


 生い茂った木々の葉が太陽に照らされてキラキラ輝いてました。

 

「なんかジャングルっぽい……」


 変だな、我が家は前後左右一軒家に囲まれているから隣の家の壁とか植木とか電柱ぐらいしか見えないはずなんだけど。


 目を擦って再確認。

 変化なし。


 これは、あれか噂の異世界トリップか。ご丁寧に家ごとトリップさせてくれた感じの。

 どうせなら家族全員そろってる時がよかったな、そしたら皆で異世界スローライフ的な生活を……。


「…………じゃない! いやいやいや、異世界とかそんな馬鹿なっ」


 ほら、もう一度目を擦ればいつもの住宅地的光景がひろ……がらなかった。


「…………そうか、これは幻覚だ」


 ははは、一晩徹夜したくらいで幻覚見るとか……もう歳かな。

 とりあえず、寝よう。

お読みくださりありがとうございます。

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