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留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
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2.新作ゲームが発売すると同時に散財したりする。

 自動ドアから少し離れた場所に自転車を止め、店内に入ると学校帰りに立ち寄ったのであろう制服姿の学生や私と同じように仕事が終わってからダッシュできた社会人で賑わっていた。


 さすが人気シリーズゲームの最新作発売日いつもより客の入りが多い。


 人と人との隙間を縫うように歩き、中古ゲームが販売されているコーナーへと移動し棚を眺める。ここ半年ほどゲームソフト買うのを我慢していたが、今日は散財すると決めている。シリーズ新作が発売したお祝いなのだ。


 格闘ゲームはすぐに負けるからいいや、おぉ! やりたかったRPGソフトいつのまにベスト版が! これは買わねば。はっ、名作ソフトのリメイクが値下がりしてる。あぁ、あれこの間CMで見て面白そうだったのだ!


 厳選した合計7本(ハードゲームソフト4本、携帯ゲームソフト3本)のゲームソフトを手に持ち珍しく混んでいるレジに並ぶ。

 ソフトが嵩張かさばってちょっと持ちにくい。入口近くに置かれている籠を最初に装備して行くべきだったと少し後悔。

 普段だったら絶対我慢して買わないゲームソフトまで持ってきたけど……まっ、いいか。今日はお祝いだし。

 前のお客の会計を終えた若い男性の定員に「お次でお並びのお客様お待たせいたしました」と呼ばれたのでレジに手に持っていたゲームソフトを置くと、バランスが悪かったのかゲームソフトが雪崩れを起こした。


「あぁっ、ごめんなさい」

「大丈夫ですよ」


 慌てる私に、にっこり笑顔で対応してくれる男性定員、良い人だ。

 ニコニコしながら商品をレジ打ちするお兄さん。お会計ちょっと待って、本日の主役まだ受け取ってないから。


「すいません、予約しているソフトが……」

「失礼いたしました。お控えはお持ちですか?」

「はい」


 いそいそと鞄から財布を取り出し財布の中に大切に仕舞っておいた予約券をお兄さんに渡すと彼はチラッと一瞥いちべつすると慣れた様子で「少々お待ちください」と言いバックヤードに消えたかと思うと数秒で、レジに戻ってきた。

 さすが人気シリーズ最新作ソフト。今日はこの予約ソフトのレジ対応を沢山したのか、お兄さんの動きに無駄がない。


「こちらの商品でお間違えございませんか」

「ありません」

「それでは、こちら8点で合計で3万6237円になります」

「はーい」


 この日のために銀行から下ろしたお金4万円を財布から出す。


「4万円お預かり致します。こちら3763円のお返しでございます。お確かめください」


 お釣りを受け取り財布に仕舞う。

 まさかの3万5千円超。税抜ならもっと安いのに……消費税が憎い。

 後ろで会計を待っている人が居るので、素早く財布を鞄に入れ、お兄さんが袋に詰めてくれたゲームソフトを受け取り店を出る。


 いくらなんでも8本はちょっと買いすぎ……いやいや今日はお祝いだから問題ない。


 自転車置き場で袋の中を覗き込み思わずニヤリと笑う。


「明日仕事休みだし徹夜決定」


 とりあえず、徹夜に備えて近くにあるスーパーで3763円を超えない金額のお菓子と飲み物を購入してから家に帰ろう。 

お読みくださりありがとうございます。

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