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留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
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24.まどろみを邪魔されるとイラッとする。

 火竜の喧嘩が原因の森林火災から一夜明けました。

 ただいまの時刻6時50分。寝起きでしょぼしょぼする目を擦り2階にある自室の窓から外を見る。


「うん、これは無理でしょう。今日は来ないね」


 炎の勢いは弱まりましたがパチパチと音をたて、まだまだしっかり燃えております。

 もし馬で走ってきたらこんがりおいしく焼きあがることだろう。


 クリーム色のチュニックとジーンズに着替え1階へ、歯を磨き顔を洗って乾燥済みの洗濯物を洗濯機から取り出し特売で買ったプラスチック製の衣類収納ボックスにしまう。


 さて朝食はどうしようかと台所に立ち、食パンと睨めっこ。

 今日はパンの気分でもないし、お腹そんなに空いてないし……紅茶だけでいいか。


 今日は久しぶりにハードディスクに撮りだめたアニメを見よう。


 テレビの前に腰を下ろし、座椅子にもたれ再生ボタンをぽちっとな。

 甲子園制覇を目指す青春アニメをぶっ続けで11話まで見終え少しうとうとし始めた時だった。


 ピィィィイイィィ


「っ!」


 鳥の鳴き声のような甲高い音。

 人がせっかく心地よくまどろんでいたというのに、煩いな。騒音で訴えるぞ……って、ここ訴えるところなかった。


 ピュギィイィィィ


 寝起きの頭でぼんやりしていると鳴き声第2弾が私の耳を襲撃した。

 結構頭にキンキン響くな。座布団を頭から被って耳を塞ぐ。

 昨日の火竜さんのようにどうせすぐにどこかに行くでしょう。


 5分経過。


 ピギィィィィィィ


 10分経過。 


 ピギャァアァアア


 25分経過。


 ピギュゥウゥウゥゥ


 30分経過。


 ピギィィィィィィ


 …………これ、永遠に鳴き声止まないとか、ないよね?


 ピィィィギュァァァアァァァァ


「あぁぁぁー、うっさいっ移動しろっ!」


 座布団を壁に投げつけ、頭を掻き毟る。

 だめだ、このままじゃ寝れない。

 階段下にあるクローゼットをあさる。


「えぇっと、確かこの辺に……あったエアガン」


 大事にしていた小さな花のプランターをカラスにひっくり返され激怒した父が勢いで購入し、一度も日の目を見ることなく箪笥の肥やしになっていた哀れなエアガンを取り出しBB弾をセット。

 使い方わからないけど、適当に弄ったら打てるよね?


 ふっふっふ。どんな生物かしらんが、私のまどろみをぶち壊した酬いを受けるがいい。


 エアガン片手に玄関を出る。

 さぁ、私の睡眠を妨害した不届きモノはどこだ。と周囲を見渡すが、ゆらゆら揺れる小さくなった炎と炭と化した木や草ぐらいしか見当たらない。

 空を見上げると、いた。私の頭上をグルグル飛び回る巨大な影が2つ。

 エアガンを空に向かって構える。照準を合わせ、その姿を正確に捉え目を見開く。


「……あれは、まさかっ」


 イギリスのファンタジー小説とかに出てくるアレじゃないですか。

 ファンタジー映画にも出演していらっしゃるアレです。

 英語でグリフィン、フランス語でグリフォンと呼ばれるアレですよアレ。上半身が鷲で下半身がライオンの空飛ぶ伝説動物。

 そんな伝説動物の背中からひょっこりと人影が……。


「よかった出てきた」


 伝説動物の背に跨ったまま、にこやかに手を振るアルベルト。

 長い銀髪が風に靡きとっても美しい。


「迎えにきたのですが、結界内に入れないので困っていたんです。そちらに降りられるようにして頂けませんか?」


雰囲気で判断されるから、オーラを出せばいいんだよね入っていいよー的な。


「ど、どうぞ?」


 ゆっくりと空から降りてくるアルベルトと伝説動物。

 貴方昨日馬に乗って迎えに来るって言ってませんでしたっけ。

 それ、馬、ちがう。

 空飛ぶ伝説動物。


お読みくださりありがとうございます。

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