表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
22/48

21.騎士とは如何なる時も肉体を鍛えるものである。

「うぅーねむい」


 明け方まで、いっくんとやり取りしていたため睡眠時間は約2時間、完全に寝不足だ。頭がぼーっとする。

 あくびをかみ殺し、のろのろと布団から這い出しパジャマを脱ぎ黒のカットソーとジーパンに着替え、階段を下り洗面所で冷たい水で顔を洗い歯を磨き髪の毛をとかす。


「おわってる、おわってる」


 昨夜のうちに回しておいた洗濯機の蓋を開ける。

 全自動洗濯乾燥機って素晴らしい。干さなくても乾くので朝でも夜でも雨や雪が降っていようが花粉が飛んでいようが洗濯できる優れもの。


「よかった傷みも縮みもない」


 洗濯機からアルベルトの服を取り出し、適当にたたむ。

 オシャレ着用の少々お高い洗剤使ったおかげか、ごわごわしていた筈の繊維が肌にやさしい感じに仕上がっていた。


 現代日本の洗剤技術すごい。



 洗濯の終わった服を届けるため、アルベルトがいる居間の襖を軽く叩く「どうぞ」と返事をもらったので襖を開け―――きらりと光り飛び散る汗、余計な脂肪が一切ない鍛えられた背中、片腕で腕立て伏せをおこなっていたアルベルトが俯いていた顔を上げ爽やかに微笑む―――無言で閉めた。


 ……なんか前にも同じような行動したような。気のせいかな。

 さて、どうしよう。部屋の空気が熱気でむわっとしていたし、ものすごく居間に入りたくない。

 締め切った部屋で筋トレはしちゃダメだね。


 再び襖を開ける勇気がわかず、その場に佇んでいると手を振れていない襖が勝手にスライドして開いた。


 あれ、いつの間に我が家の襖自動になったの? と思ったら目の前に素晴らしい大胸筋が……視線を上にあげると美しいアクアマリンの瞳がそこに。


「おはようございます」

「あ、はい、おはようございます」


 暫し見詰め合ったのち、にっこり爽やか笑顔のアルベルトに挨拶された。

 何故か上半身裸の状態で。

 襖閉まってる間に上着着てほしかったな。

 この世界の人間は脱ぎ癖でもあるのだろうか。


「服洗濯したので、どうぞ」


 視線を床に落としアルベルトの胸板に押し付けるように服を突き出す。


「ありがとうございます」


 受け取った服の手触りの違いに気づいたアルベルト「わぁ、すごくふわふわですね」と嬉しそうに言った彼を、ついでにシャワーをどうぞとタオルを持たせ洗面台に押し込み扉を閉める。

  

 アルベルトがシャワーを浴びている間に居間に突入し窓を全開にして空気を入れ替える。

 新鮮な空気って素晴らしい。

お読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ