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留守番したら異世界でした。  作者: 上城樹
第一章 異世界と私
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11.待ち時間は眠くなる。

 お姉ちゃん貴方の妹は今日、初めて異世界人に出会いました。とってもイケメンです。


 少し離れた玄関アプローチに腰掛け、その美しいお顔を鑑賞中。


 うん、イケメン好きの姉が見たら間違いなく発狂するぐらいのイケメンだ。

 駐車場で仰向けに倒れているだけなのにイケメン。

 

 所々溶けたり焦げたりしているかと思いきや案外無傷っぽい、きっと全身鎧でガッチリ固めていたおかげだろう。

 鎧の外し方など知らないので兜を外した以外は何もせずに絶賛放置中。


 武器を隠さないのかって?

 それも考えたけど、武器を隠す必要ない事が判明したので放置になった。


 あれは、汚れた手を洗おうと室内に戻り汚れた靴下を洗濯機に投げ込み(洋服やタオルは残念ながら自動で綺麗にならないのだ)洗面台でキ〇イキ〇イのポンプを押し手を洗いして「剣どうしようかなぁ。鋏でベルト切って外してもいいかな……でもアレ革製品だよねぇー弁償しろってなったら困るし」とぶつぶつ呟きながら、騎士が起きた時に外で手足綺麗にできるように石鹸とバスタオル持って外に出た時のこと。

 毎度お馴染み石文字の君のメッセ―ジがアプローチに。


 いわく〝でてけ ねがう てき けっかい そと とぶ けっかい なか さき こうげき あたらない ちょーあんぜん〟らしい。


 関係ない話だが、普段1~4単語で終わらせる石文字の君が、沢山の単語を使ったことにとても感動した。子供の成長を見守る親のような心境でした。


 つまり、「でてけ」と願うだけで対象は結界の外に弾かれるよ。さらに結界内では武器使用しても私には当らないから安心して大丈夫だよ……と。


 やったね。紗希の結界内無敵伝説誕生。


 まぁ、そんな訳で騎士から剣を奪うことなく放置している。

 心優しいヒロインだったら、このぬめぬめした鎧脱がせて体拭いてあげてさらに室内へ入れ布団に寝かせてあげたりするのだろう。

 そして、そこからラブロマンスが……。


 私はやらないけどね。生憎そんな体力は残っていない。是非、自力で頑張って欲しい。




 騎士が目覚めるのを待っているのだが結構暇だ。


 物置小屋にホースあったよな。水洗い場の蛇口にホースつけて顔に水かけたら起きるかな。ねばねばも多少は流れ落ちるだろうし一石二鳥。

 いや、やっぱりやめようホース探すの面倒。


 太陽の日差しも心地よく、さわやかな風が吹き抜ける。

 しばらく、イケメンの顔を観察していたが、慣れない肉体労働をしたせいかものすごい睡魔が襲ってきた。


 膝を抱えて丸くなる。

 結界内なら私に攻撃当らないらしいし、寝ても大丈夫だよね。


「…………おやすみなさい」

 

 ゆっくりと瞼を閉じ、そのまま夢の世界へ旅立った……。



お読みくださりありがとうございます。

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