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文芸部!
「だから、君の名前を出してくれればいいんだけど……」
「私は、何度言われても答えは同じです。編集の山神さんとも話し合いで決まったことですので。」
何回目だよこの話。それに、このおっさんの話長い……。これは、精神的にくる。足も立ちっぱなしで疲れてきた。もうきっぱり言って帰ろう。
「私は、高校を卒業するまで、名前は出しませんので。失礼します。」
私は、すぐに校長室を立ち去った。
部室に帰ると、川切先輩と友達が来ていた。
「千、お疲れ様ー。」
「どうも。」
言いながら、先輩の隣に座っている人に目をやった。
「そいつは、山切 渚(やまきり なぎさ)。同じクラスの友達。有名なイラストレイターで、美術部の副部長なんだよ。」
「よろしくね、千ちゃん。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
渚先輩は、おとなしくて、本当に、女子って感じで、山切先輩とは、全くと言っていいほど、性格が真逆だった。