1人の少女あらわる!!
小説家。
それは、職業としては、不確かな収入や、大量の締切に目を回され、一度大当たりすれば、有名な作家として生きていけるが、反対に道を外れ、人気がなくなってしまえばすぐに見放され出版社に捨てられる。
この厳しい小説界で生きる1人の少女の物語。
あるテレビでは、
「いやー。今回の人気小説ランキングも、やはり1位は・・・・・・。」
あるラジオ放送でも、
「今、1番人気の作家さんは・・・・・・。」
今の報道内容は、この話題が1番多い。
「天才!謎の小説家!」とか、「小説界の救世主」とか、1人の小説家の話題でもちきりだ。
私の名前は、片切 千(かたぎり せん)。高校1年、部活は文芸部で職業は、高校生と小説家だ。
頭は、中の上位だが、運動は全くできない。
「千!校長先生が呼んでたよ!!」
「あ、はい。いつもすみません。川切(かわきり)先輩。」
川切先輩は、高2にして文芸部の部長だ。作家の世界では、「文字の魔女」と呼ばれている。
「いいよ。私もさっき呼ばれたばっかだし、また、いつもの件だからさ、さっさと行ってきなよ。」
いつもの件とは、学校に有名人が通っていると知れば、入学希望者が増え、名門校になると校長は考えているようで、名前を公表しろ言っている事の話だ。