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猫の王国 ~CAT~

作者: seno

つい、猫への愛が高ぶってやってしまった。

可愛いよね、猫。


「ニャッ!ニャニャッ!(聞け!我等が同胞よ!)」

「ニャァッ!ニャフニャー!ニャッニャッ!(長年我等が敵であったクア帝国も滅び、これから我等には、長年の平和が約束されるだろう!)」

「ニャッ!ニャッッッ!ニャッニャッニャァ!(今!ここに!猫の!猫による!猫のための!王国の建設を・・・)」

「ニャァァッ!(宣言する!)」


ニャァァァァァァッッッッッッ!

割れんばかりの歓声。それらは全て城の上に立つ一匹の王に向けられたものに他ならない。

ここに集まった者たちは長年クア帝国の圧政を受けており、誰もが新しい王国を待ち望んでいた。

それが、猫々の間で勇猫とされる猫、ニャーサーであるならば尚更だ。


ニャーサーは元々、国を守るための騎士になろうとしていた。

だが、ニャーサーは帝国内に蔓延る汚職、それによる大きな町の表と裏の差、そういったものを知らぬ、田舎の出であった。

税は厳しかったが、ニャーサーのいた土地は豊かで、税に困ることは少なかった。

だからこそニャーサーは騎士になろうとした。

だが、ニャーサーが騎士になろうと城下町にやってきたとき彼は愕然とした。

そこら中にやせた子猫が居て、大きな怪我をした猫が居た。ぽっちゃりとした猫はそれを見ても鼻を鳴らすだけ。

兵らしき猫は、盗みを警戒するように子猫や弱った猫を睨んでいた。

そんな状況をニャーサーは許せなかった。

激情に狩られたニャーサーは、子猫を救った。

自分の持っていた財を全て投げ打ってまで治療を施した。

そんなニャーサーに助けられた猫々は、彼を御伽噺に出てくる勇猫に例えた。


正しく彼は勇猫だった、彼が救った怪我猫の中に賢猫がいた。

その猫は彼がこの国の王となるように策を立て、実際に実行した。

結果は成功した。それにはニャーサー自身のカリスマや武勇によるものも多いだろう。

ニャーサーが救った猫々は彼にとって戦友となった。とても勇敢に彼らは戦った。

各地で税に苦しめられていた猫たちも、彼の活躍を聞き、彼ならば、と我先に彼の兵となった。彼らは一丸となって敵に向かっていった。

ニャーサーは仲間達が傷つくのを恐れ、常に最善の手を打てるように賢猫と毎日語り合った。

その結果なのだ。

猫々を苦しめたクア帝国は滅び、今ここに新たな王国が誕生しようとしているのは。


「ニャッ!ニャニャニャー!(新たな王国、キャットキングダムの為に!)」

「ニャァッ!ニャンニャー!(民よ!どうか協力して欲しい!)」

「ニャンッ!ニャッー!(共に歩もう!共に進もう!)」

「ニャッ!ニャニャッー!(我等の未来はすぐそこにある!)」

「ニャ!ニャニャニャァ!(私は!王としては至らない点が多いかも知れない!)」

「ニャッ!(だが!)」

「ニャッ!ニャニャニャニャ!(平和を約束しよう!豊かな生活を約束しよう!)」

「ニャン!・・・ミャア!(だから・・・支えてくれ!)」

「ニャッ!ニャニャッニャ!(至らぬ王を・・・私、ニャーサーを!)」


ニャァァァァァァァ!ニャッ!ニャァァー!

猫々は言う、もちろんだ、と、

ニャーサーは太陽だ。

彼らの行く先を照らすのは間違いなくニャーサーだ。

ニャーサーは月だ。

彼らに安寧をもたらすのは間違いなくニャーサーだ。

今、この場にいる猫たちは全てニャーサーに救われている。

彼に触れている。

だから、ニャーサーを信じている。

そんな彼が作る国になんの問題があろうか、と彼らは叫ぶ。


「ニャッ、ニャッ!(ありがとう、皆の者!)」

「ニャッ!ニャッッ!(もし、私が道を違えるようなことがあったなら、)」

「ニャンニャンニャー!(戸惑いなく叱ってくれ!迷うことはない!)」

「ニャッニャッニャー!(ここは私の国ではない!我等の国なのだから!)」


猫々は瞳に涙を浮かべる、失った犠牲を想って、明るい未来を想って。

猫々は決意をする、ニャーサーに任せるのではない、我等でニャーサーを支え、よりよき国を作るのだと。



これはそんな猫の国の物語、彼らの未来には多くの困難が待ち受けるだろう。

周りには多くの侵略国がある。

だがしかし、彼らにはニャーサーがいる。

ニャーサーがいる限り、彼らは折れない、諦めない。

何があろうと、大きな柱を支えるため彼らは支柱となって支え続けるだろう。


これから先、この国に何があるのかは分からないし、知りようがない。

だから今、猫々は喜びをかみしめる。

未来は明るい、さぁ、進んでいこう。

そうニャーサーは言う。

そうだ。ニャーサーに着いていこう。

人々は明るく言う。


彼らの歩みに終わりはない。今尚進んでいる、きっとどこかで・・・

続きは好評だったら書くかもしれない。

むしろ建国までの流れを書く可能性がある

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