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四日目~いざ行かん、ボロの装備を携えて~

あっぶなかったです!

かんっぜんに忘れてました……。

見直しなしで誤字&矛盾あるかもしれませんがすいません。

『マスター、マスター、そろそろ約束の時刻です。起きてください』

「う、ぐぅ。……あ、と、5秒」

『マスター、意外と義理堅いんですね……』

「……んぅ。はぁ。あーダルイ。ダメだー、働きたくない」

 俺はフォンの目覚まし機能(ただ起こされてるだけ)で目を覚まし、少しぼーっとした。

  実は俺、低血圧なのだ。

 それゆえに朝のスタンバイ状態が長い。

「…………よし! 行くか」

 窓を見ると、そろそろ薄明るくなってきた頃合だ。

 たしか、明け方にここを出るって話だったから、少し遅れ気味かもしれない。

『マスター、間違いなく遅れ気味です』

  うっさい。

 とりあえず寝て起きたらいちいち暴発しているこの髪をなんとかせねば……。ロングヘアーうぜー。

 俺は髪をある程度直した後、宿で朝食(味を排除し栄養すら無視した満腹感しか味わえないもの)を優雅にとることにした。食べた後吐いた。

 完全に遅刻だが気にしない。

  俺は元魔王だ!

 人との約束なんて破って当たり前なんだよ!

  ふはははははは!!








「すいませんでした」

 土下座である。

「……まぁ、別に依頼受けないんならいいよ」

「本当に、すいませんでした」

  くぅ!

 魔王であった俺が、今では獣人女に頭を下げるようなことになろうとはな。

「そっちがどうしてもってんだから、受けさせてやるんだ。アタシは別に依頼を王都に持ち込んだっていいんだよ。神クラスの魔力あるからってなんでも許されると思ったら大間違いだからね」

  くそぅ!

「はい、まったくもっておっしゃるとおりです」

『マスター……』

「ったく。とにかくすぐ出発するから」

「はい」

 獣人女はどうやら許してくれたようだ。

  まったく、手こずらせやがって。

 ふ、まぁいいさ。

 さっさと秘境の里とやらに案内してくれ。

  勇者がもうマジで近いんだよ! すぐそこにいるから!

 バレないか不安で仕方がない。

「さぁ、いこう! 出発だぁ!」

「ちょい待ち」

 ここで獣人女からストップがかかる。

「なに?」

「ウラン、アンタ、その状態で行くの? え、もしかしてそれで準備万端なの?」

「そーだけど?」

  なんだ? なにかおかしいことでも……。

「その服で?」

  …………?

 このボロのワンピースの何がいけないんだ。

『マスター、順応性が高すぎです』

「まともな服、買ってきたら?」

  うっさいなー。

 だいたいさ……

「金が……無いんだよ」

『「…………」』

  おいフォン! お前くらい察してくれてもいいだろ!?

 俺が好き好んで宿屋の主人の飯を食べてたとでも!?

『しかしマスター、銀貨が七枚残っていたはずです』

  虎の子なんだ。

 この七枚の銀貨はもうどうしようもないときに使う。

『マスター、もう既に貧乏性が……』

「ちっ! しゃーないな。もうそのままでいいよ」

 あ、そこは買ってくれるとかじゃないんだ……。

『マスター、他人を頼りすぎです』

「にしても、じゃあ武器すらないのかい?」

 おぉ? なんだその目は。

 コイツ、俺が魔力に頼って生きてきたやつだと思ってるな。

『マスター、事実です』

 失敬な! 武器くらいあるさ!

「武器はある。コレ」

 そう言って俺は時空間魔法で収納していたパチンコを取り出した。

 (石ころ)もちゃんと一緒に出す。

『…………』

  ふっ。

 フォン、お前忘れてただろう?

『マスター、そういえばそんなものを作っていましたね』

  うむ。

 なかなかの出来栄えでな。

 捨てるに捨てられなかった。

「……ふざけてんのかい?」

「ふざけてないよ?」

  おいおいおいおい。

 巫山戯てるわけないだろう。

 俺が結構な魔力を込めて作り出した、魔武器だぜ?

 しかも知らなかったし偶然だがゴム部分に俺の髪を使ってる。

  疑ってるのか? しかたないな。

「ただのパチンコが武器だと」

「ただのじゃないよ」

 俺はそういってそこらへんの木に向けてパチンコを構えた。

「パチンコ界の究極をみせたげるよ」

 (石ころ)をセットして引っ張る。

 そして…………離す。

 

  スォッッッッッ

 

 と静かな音がして、狙った木に石ころの形のキレイな穴が空いた。

 当然、貫通している。

「なっっっ!?」

「ふっふ。すごいだろー? あぁ、安心してくれ。もちろん人がいないことは確認してるから」

「なんだい……その兵器」

「だからパチンコだよ。でも、あえて言うなら頭に究極(・・)が付く、な」

  簡単な話、全体的に魔力で色々してるだけ。

 この世界で最高の硬度を持つレベルまで(石ころ)を土魔法で覆う。

 そして当たっても砕けず爆発も起きないから貫通するだけの、正しく弾が完成。

 それを普通のパチンコと同じように放つ。

 しかしパチンコ本体も魔力で色々されている。

 放った瞬間に、作成当時は何故か分からず放置していたが、おそらく俺の髪の持つ高密度魔力を吸って風魔法の加速が加わる。

 一応放つ瞬間に風魔法が発動するように組み込んでいたが、俺の髪が想像以上にアレだったので風魔法の威力もおかしくなった。

 結果、超々高速度で破壊ほぼ不可の石ころを打ち出す兵器とも言える物が完成した。

  余分な破壊は一切起きない非常にクリーンな武器である。

「……こわっ!!」

 獣人女は何故か急に叫び出した。

  一体なんだ?

 まぁいい。

  さぁ、もう納得したろ? 

 いざ行かん、秘境の里へ。







 なおも渋る獣人女を説得し秘境に向かって一時間。

  俺はバテていた。

「ぜぇ、はぁ、はぁ、ぜぇ……ぇほっ、ぇほ! ふぅ、はぁ、ぜぇ」

「体力なさすぎだろアンタ……。歩きだよ?」

  う、うるさい。

 俺は普通のニンゲンの四分の一程しか体力無いんだよ。

 だいたい森の中、キツすぎ。

 獣人女はスイスイ歩いていてそんなことが出来ないこっちから見ればイライラするし、汗で頭のフォンがますます邪魔にも感じる。

「ちょ、ちょ、ぇほっ、きゅ、きゅー……けー」

「はぁ、まだ全然進めてないんだけど」

 そんなこと言われてもな、無理なものは無理だ。

「やれやれ、天は二物を与えずってやつかね……」

  天? あのクソ神どもの事を言うな。

 って、ん?

「あ」

「どしたんだい? 休憩はもういいの?」

「あー、そっか……げほ。天は二物を与えず、でも一物は与えてる。うんうん。成る程。簡単なことだ ったんだなー」

  気付いてしまった。

「???」

「歩けないなら、歩かなければいいじゃない」

「は?」

 獣人女の「あ、コイツやべーな」という視線を無視して、俺はまず闇魔法を使い自らの体重をプラスからマイナスまで下げていく。

 するとやがて軽くなりすぎた俺は少し浮く。

 そこから高すぎず低すぎず、丁度獣人女の顔ぐらいのところまで浮き上がり、そこで止まるように調節する。

 えっと、このぐらいか。

 そして体を横にする。

 これに意味はない。

 立つのに疲れたからだ。

 そして俺は空中で寝そべっている状態になった。

「へー、さすがは魔灰色の髪を持ってるだけあるね。空中に浮かぶなんて」

「え? 簡単だろこんなの。闇魔法でなくても風魔法で飛ぶには飛べるじゃん」

  俺は効率をとかいろいろ考えて闇魔法だけどな。

「いや、そんな静かに浮かぶ(・・・)奴はまだアタシは見たことないよ」

「あー、調節か」

「そうゆうこと」

 確かに、飛ぶ(・・)のと浮く(・・)のとでは難度が違う。

 飛ぶのは力任せでもある程度まではいいが、浮くのは結構繊細である。

 力加減を間違えれば落ちてしまうのだ。

 その落ちるか落ちないかのギリギリの調節ができる奴はニンゲンではそうそういないのだろう。

 何気に精密魔法なのだった。

 そういや俺、器用さもずば抜けてたなー。

 天、二物与えてんじゃん。

 こうして俺は体力ではなく魔力を使って移動することにした。

 体重がなければ綿のように、風魔法で行きたい方向に風を吹かせればスーーっと進む。

  ラクチンである。

 俺は仰向けになり空を見る。

 森なので木々に遮られて眩しいとは感じられない。

 いい感じで日陰になり涼しいとも言える。

「はーー。楽だ」

  寝てしまおうか。

 なんて走っている獣人女を横目に思う。

『マスター、前方に』

  ゴン!

「っ!?!?」

『木があります』

  言うの遅せーよ……。

「はぁ、アタシ、こんなのに任せてほんとに大丈夫か不安になってきたよ……」

 獣人女は俺が墜落したのを見るとそう呟いたのだった。







 今、俺達は予定外の野宿をしている。

  理由?

 もちろん勇者の動向を気にしてですがなにか?

 アイツら何でか俺達の進行方向にいたんだよな。

  意味わからん。

 なんなのその追跡能力?

  反則だろうが!

 マジ神が直接教えてんじゃねぇの?

「なぁ」

 と、俺がいろいろ考えていると獣人女から声が掛けられた。

「なーに?」

「あー、その、アンタには結構聞きたいこと一杯あるんだけどさ……とりあえず、寝る時くらいその耳あて? 外したら?」

「…………」

  外せたら、苦労しねーよ!

 確かにフォンはなかなか役に立たないこともないが、元の姿がやっぱり恋しい。

『マスター、諦めるの得意じゃないですか』

  それは俺に諦めろということか!?

 まぁ、今のところは

「外せないので」

「え?」

「だから、この耳あて呪われてて外せな……違うか。えーと、能力として外せなくなってるんだよ」

「そ、そうなの? へー、アンタも大変なんだね。邪魔じゃない? 髪とか巻き込んで」

「うん」

  はっきり言って、邪魔である。

『マスター……』

  うっさい。

 てめーホント髪がたまに巻き込まれたりとかしてイライラするから。

 無駄に痛いし。

 そもそも寝る時も頭に違和感抱えたままなんだけど。

『マスター、慣れてください』

  うっさいわ!

「ふーん。そんな力持ってても思い通りにいかないこともあるんだね」

「まぁ、ね」

「そんな『地面が痛いし、石の枕硬いし寝にくい。魔法で浮くわ』とか言って常時精密魔法発動状態ができるのにねぇ」

「ふっふっふ。持つべきものの特権だから」

「はぁ、アタシはもう寝るよ。今度こそ明ける前に起こすから」

「あーい」

  ふぅ、俺も寝るかなー。

『マスター』

  なによ?

『勇者たちの魔力反応が消えました』

「マジでか!?」

  うぉっとっと。

 獣人女がこっちを怪訝な目で見てる。

「いや、なんでもない」

 とりあえずそう言っておいた。

 それで、フォンよ。

  どういうことだ?

『いえ、マスターの命によりずっと探知していたのですが、ある地点で唐突に一行の反応が消えました』

 ……なるほど。

  これはもしかして、死んだか!?

『マスター、それはないです』

  知ってたさ!

 少しぐらい夢見せてくれてもいいだろーが!

 あーあ、多分、認識阻害魔法でも使われたんだろう。

  まぁいいや。

 どうせまだ俺が魔王だってバレてないし。

  はぁ。

 いつまで逃げればいいのやら……。

  もう寝よう。







 このとき俺は、何故勇者の反応が消えたことを詳しく考えなかったのだろうか。

  ちくせう。




とりあえず、てーきこうしん、むずかしーくなりました。

いえ、一応ストック頑張ってたんですけど、その、あの……。


あ、それと、文章の書き方?ですか?

横書き表示だと寄って見えるのをなんとかしたかったり……。

やんわりと(厳しいと本気でへこむので)教えて下さると嬉しいです。


ではでは、次回は多分いつかの日曜日に、です。

うむむ、次くらいは来週、いけますかね……



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