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妖怪事情シリーズ

最近の天狗事情

作者: 束間由一


 昨日、公園で天狗と出会った。

 ジャニーズ系の歌を気持ち良さそうに歌っていたが、話しかけると快く会話に応じてくれた。


 年々、天狗の鼻は低くなっているらしい。

 理由は不明だが、妖力の低下が原因だと言う。人と接しすぎると、妖力が落ちると言うのが彼らの通説らしいが、最近の若い天狗たちは、そんな事は気にせずに人間の世界に良く遊びに行くそうだ。


 かくいう自分自身も、そんな若い天狗のうちの一人で、人間界の芸能界進出及び歌手デビューを狙っているらしい。何度かオーディションを受けているそうだが、今のところ全て一次選考で落とされたらしい。さっきの微妙な歌声と微妙な容姿、スターと言うものを取り違えたようなその服装を見れば、ある程度納得のいく話ではあるが、本人は自信満々で、次のオーディションこそは合格するぞと意気込んでいた。


 他にも聞きたい事は沢山あったが、やめておいた。

 天狗が、話しているうちに天狗になってきて、歌をたっぷり聞かせてくれると言いだしたからだ。

 大変申し訳ないとは思ったが、断るべきところは断らねばならない。


 「鼻の先っぽに火を付ける一発芸ってアピールにならないかな?」

 その言葉を最後に聞き、僕は足早にその場を後にした。

  



 


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