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よくある異世界転移のむちゃぶりチート特典

白い世界、足元に雲のようなふわっとした大地が見渡す限り広がる平原とくれば、神様的な存在に導いて貰えそうな予感に少しワクワクするものの、死んでしまった事実にちょっとだけ打ちひしがれている自分がいたりして、なんかちょっとモヤモヤな感じ。

取り合えず、女神様が降臨して欲しいかも!?

美人で清楚で押しに弱そうななら言う事なっしんぐ。

などとアホな事考えてたらホントにそれっぽい女神様が降臨なさった。

『あなたが、沖田誠二さんで間違いありませんか?』

『はい、そうです。ところであなたは女神様で合ってますか?』

『正解!といっても賞品はでませんが。あなたは、駅のホームで投身自殺を図った男性を羽交い絞めにして押さえつけた所までは良かったものの、もみあった拍子に入線した列車に接触、かすっただけなのに当たり所が悪くそのままお亡くなりになりました。』

『あのー、なんでちょっと楽しそうに話してるんです?』

『いえいえ、命がけで他人を救ったのに周囲に居た人に引かれて可哀そうとか間抜けそうとか思ってないですよ。』

『ひょっとして、ワザとですか?いくら神様だからって言って良い事と悪い事があるくらい分かってますよね!?』

さすがにムッとしたので、不快感を顕わにして女神を睨みつけた。

『怒っちゃいやん~♪転生特典、奮発してあげるから。』

『まじっすか?それなら俺、自重しませんよ、めっちゃ無茶ぶりチート特典要求しますよ、いいですね!?』

『えーと、私の権能の範囲でならOKよ~♪』

『それじゃあ、生前俺が熱中してたオンラインMMOが【宇宙戦艦ムサシ・銀河の覇権】ていうんですが・・・』

『もちろん、知ってますよ、分不相応な額のリアルマネー突っ込んで、随分入れあげてたみたいですね。』

『なんか、棘がある言い方が引っかかりますが、チート特典奮発してくれるのなら我慢します。俺はあのゲームで育てた俺の宇宙艦隊を転生先に持って行きたいんだけど?』

『それくらいはなんでもないわ。希望はそれだけで良いのですか?』

『あと、普段は艦隊丸ごと異空間に収納していて、必用に応じて召喚する感じにしてもらえますか?』

『それは、良いけど有人惑星で安易に呼び出したら大惨事よ!』

『じゃあ、時と場合によって任意の宇宙戦艦を呼び出せるように最低1隻から最大で全戦艦を同時に召喚できるようにしてください。』

『それなら、まあ良いけど。まだ何か希望はありますか?』

『俺の見た目と能力もアバターの提督ぽくアップデートして下さい。』

『気持ちは分かるから希望に沿うように努力するけど、やりすぎるとあなたの自我が保てなくなって、人格の連続性が保てなくなっちゃうんだけど、まあ、わかりやすく言うと別人になっちゃう感じかな。』

『それは嫌なので、俺が俺のままで居られる範囲で、可能な限りお願いします。』

『なんか、あなた引きニートとは思えない交渉上図ね、そのコミュ力あれば普通に人生勝ち組になれたんじゃ?』

『課金の為に働くのは我慢できるけど、勝ち組になるために、ゲームが自由にできなくなくなるのは許容できないが!』

『ダメな大人発言をここまで力強く言う人初めて見ました・・・』

『それと、異世界で無双できる兵装を、失われた超古代文明の遺産的な、または神具的な武器でも良し。もちろん、俺が意のままに制約なく振るえるように条件整えて、よろしいか?』

『うーん、段々遠慮が無くなってきたというか、それならいっそ転生先の銀河が欲しいとか言わないの?』

ちょっと不思議そうに小首をかしげた女神様はその美貌と相まってちょっとコケティッシュだが、ここで欲望のままに押し倒したら天罰くらうのは目に見えているので、我慢、我慢。

『それじゃ、つまらんでしょ。苦労せず無双して銀河を手に入れるから楽しいんでしょうが!』

『私、あなたという人が、段々分からなくなってきたんだけど、まあ、お仕事だから最大限ご希望に沿うよう全力を尽くすワ。理解はできそうにないけど・・・まだ他にも何かあるかしら?』

若干引き気味な女神様からこれ以上ねだるのは難しいと考えておねだりの最終奥義を発動することに。

『あとで欲しいモノができた時に、あなたに連絡できる手段が欲しいかな。』

『あなた、私に一生たかる気ですか?』

此処に来て、さすがの女神さまも顔を引きつらせていたが、気にしない事にする。

『たかるなんて、人聞きの悪い、ただ神域一美しい女神さまの恩寵にいつまでも浴したいと思うのは罪でしょうか?』

『いえいえ、罪なのは私の美しさの方です~♪』

身をくゆらせてもだえる女神さまはかなり俗っぽい。

『(ちょろい!?ホストとか結婚詐欺に騙されるタイプだ。)では、それでお願いします。』

『はいはい、じゃあこのブローチに向かって私に呼びかければ、念話ができるようにしますね。』

『ありがとうございます。向こうの世界で必要な知識やスキル、言語や能力は言わなくても揃えて頂けるんですよね?』

『もちろん、一番良いセットをプレゼントするワ、あなたは見かけによらず良く物事を弁えてるからトクベツ大サービスですわ~♪』

『(一言多いから誉められ慣れてないんだろうか?まあ、どうでもいいけど。)ありがとうございます。さすが美とこの世界の全てを司る女神様です。(歯が浮きそうだけど、ここは辛抱だっ!)』

『はいはい、じゃあ向こうに転送するわね、それじゃあまたねー!』

『(軽っ!?)』

笑顔を取り繕いながら、手を振って別れの挨拶を済ますと、ふっと視界がブラックアウトした数秒後俺はのどかな草原の街道に立っていた。

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