42・森林と安全と巨大
フォートレスの中で食事を済ませ、大浴場に入り、一晩過ごした春達は、フォートレスのコクピットに向かうと周囲に魔物がいることを確認する。
「フォートレスの外に魔物が5匹もいるって!?」
春は周囲に沸いた魔物に驚くが、それ以上に今乗っているフォートレスが無傷であることにより強い教学を覚える。
「このフォートレスすげぇな」
「Bランクになれば皆持ってるからね」
「それよりも周りの魔物、どうするのよ。5匹も相手にしてられないわよ」
最後の里実の意見に春は確かにと相槌を打つ。
「こういう時って、どうするんだ?」
春の質問にテリオスは「とりあえず席に座って」と告げると、春達は従い着席。
「行くよ!」
テリオスがライド・フォートレス・アルテミア号のアクセルを踏むと魔物に突進。ボタンを押しながら「アル・バレット」と言葉を放つと魔力弾が放たれ、その場にいた5匹の魔物に直撃。五匹の魔物はその一撃で倒された。
「……フォートレスがあれば迷宮攻略、楽に行けそうだよな」
「確かにそうね」
春と里実がフォートレスの圧倒的な力を目にし、このまま進もうかと楽な選択をする。
「これは緊急用だからね。迷宮内では使える魔法が決まっているんだよ」
テリオスの言葉に春は少しがっかりした表情を向けた。
「それって最下級しか使えないってことか」
「時と場合によるけど、基本はそうだね」
春は「はぁ~」とため息をつく。
(フォートレスってキャンピングカーみたいなものだから仕方ないか)
「敵はいないようだな」
春はコクピットから降りるとフォートレスで倒した魔物5匹のマテリアルオーブを回収。
「5個とも無属性か」
マテリアルオーブを持ちフォートレスのコクピットに入ると、テリオスから一つの案が出される。
「このままフォートレスで探索も出来るけど、どうする?」
その言葉に驚いた春と里実。
「それマジかよ!」
「このまま探索できるの!?」
二人の表情がそれを望んでいる事を確認したテリオスは、フォートレスでの探索を決行することにし、迷宮二階層の探索に入った。
周囲への警戒をサボらず先へ進むと、迷宮森林にたどり着く。
「ここ一帯が森林だけど、壁とかないのか?」
「壁はないけど魔物が多数、下へ続く階段がどこかにあるよ」
テリオスの言葉に春は固唾を飲む。
「その3階層への入り口を探さなきゃいけないのか、面倒だよな」
「そうね、四方八方から魔物が襲ってくるってことでしょ」
春と里実んはフォートレスに乗ってて良かったと感じていた。
「あとは魔物と下の階だな」
春はガラスに映る森林を眺めながらロウを抱くとふさふさの毛を撫でながら周囲を見渡す。
「索敵系魔法とかあったよな」
春は記憶の中から魔法を引っ張り出す。
「アル・ウィンド・サーチ」
発動した魔法はマトリクスプレートが輝き、魔法陣を生成。索敵魔法を発動。同時に風が東西南北360度に展開し、魔物を探し始める。
「なんか前方に5体ほど隠れてるな」
「じゃあ索敵魔法に引っかかった魔物の位置を映すね」
春の索敵魔法がフォートレスのレーダーに映り位置を正確に特定する。フォートレスの名は伊達じゃない。魔物の距離まで正確に示した。
「距離150メートルだな。このまま行く? それともフォートレスで突っ込む?」
「う~ん、倒すのも良いけどどうしようか」
操縦者のテリオスは春の方を見つめる。
「俺なら入り口を探した後に倒すかな。その方が楽だろ」
里実とテリオスは確かにと頷き、フォートレスを動かす。周囲の木々は生い茂っており、緑豊かなジャングル迷宮であり、春はフォートレスの窓から外を眺めていた。
「この迷宮でも野菜や果物ってあるのかな?」
春はふと疑問に思っていた。迷宮であろうと魔物も食料として扱える以上、ほかにも食べられるものが存在するのではないかと。
「迷宮は湖があったり、山があったりと各種様々な作りだから、ナップルの実も自生してるよ」
テリオスは窓の外を指さし、ナップルの実のある方向を指す。その実を見た春は一つの解にたどり着く。
「そういえば、迷宮って何日もかけて攻略していくんだった。確かに食べられるものが無いと七大迷宮踏破も難しいよな」
迷宮の森林地帯で納得した春。
木々が迷路となる森林をフォートレスは右へ左へと進み続けると、いくつもの探索者を目撃する。地球の探索者とテオリアの探索者が協力しあい巨人の魔物を討伐している最中。
「本来はわたしたちや、あの人たちのように、テオリア人と地球人の協力が必要なのよね」
そこの光景を目にした里実は正論を語った。
「地球人だけじゃ多分七大迷宮も踏破できないのに、どうして学ばないんだろうな。意地の張り合いなんて無意味なのにさ」
春もまた正論を語る。だがその答えも実に単純。
「地球人同士でしか連携が取れない時もあるから、彼らみたいに異世界同士の連携を」
ザウラ・クインアリュトと戦った歌って踊って戦えるアイドルグループ・スマッシャーズの行いが良い例だった。人気者のような戦い方では当然戦術も未熟で終わってしまう。
この迷宮で協力しあう彼らのやり方ならば、Bランクや七大迷宮10階層突破も夢じゃない。
「着いたよ」
一つの場所にたどり着く。そこは3階層へと続く階段だった。春達はフォートレスから降りると周りを見回し、魔物を探す。
「三階層に行く前に魔物を倒さないとな」
「そうね。ここまで楽に進んだから、わたしたちも頑張らないと」
春は魔導剣を鞘から取り出し、里実は魔導弓を構える。
「何もせずに突き進むなんて邪道だよね。戦うべきだよ♪」
「ガウッ!」
春達の前に大きな足音が鳴り響く。その姿は巨人と言っても差し支えないほどの巨体の魔物が現れた。右手には巨大な刀を持ち、春達に視線を向ける。
「これはオリガームだ。斬撃に気を付けて!」
春と里実はテリオスの言葉を聞き、警戒した。春は魔導剣に魔力を流し込み、里実は魔導弓に魔力の矢を生成。
迷宮内部の森林で初の戦闘となる。
「まずは俺からだ!」
魔導剣を握りしめ、オリガームの足元に接近すると脛に一撃切り込み、傷を入れる。
オリガームは刀を振り上げ力強く切りかかるが、春は瞬時に魔力を流し込み魔導剣でオリガームの斬撃を防ぐ。その瞬間、剣と刀のぶつかり合いで激しい金属音がけたたましく鳴り響く。
「見かけ通りに強い!」
春の言葉と同時に里実は魔導弓から魔力の矢をオリガームに向けて発射。
テリオスも魔導杖を構え、オリガームに杖の先端を向ける。
「ここはやっぱりわたしと――」
「ここはみんなで連携が大事だよね♪」
里実の言葉をテリオスが遮り、連携を催促した。
「それ、わたしの台詞よ!!」
里実はテリオスにツッコミを入れて戦いは開始された。
入手マテリアルオーブ
火1水13地1風1光0闇0無6雷0
現金56万
テオリアでは90万9000ゼル
入手鉱石
青いラトグラム鉱石12個
赤いマトリウム鉱石12個
緑のルナテウム鉱石12個
所持アイテム
メントドリンク3本
スピリアルドリンク7本
アブレコドリンク6本
パナシアスドリンク10本
リジェネスドリンク10本
乗り物
ライド・フォートレス・アルテミア号
6人乗りの魔巧ビークル
水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない




