33・大物狩りと高額品と貴重魔物
春達は森林に行くと、ログベルアの居場所をデバイスで調べる。
「このデバイス、森林のデータが緑一色かよ!」
地球製のデバイスではテオリアの地図までは繁栄されないようだった。
「春くん、さっき購入した地図見てみよう」
テリオスの指示に従って、店で購入した地図を取り出すと、テリオスが現在地とログベルアの生息地を指で示す。生息地は現在地よりも500メートルほど離れた場所だった。
「森林の中の中間くらいか、だとしたらどうやって仕留めるか、だな」
春は魔導剣を握り、いつでも戦えるように準備をする。
「メントドリンクはあと4個か。ログベルアの狩猟に足りるか?」
「ログベルアって地球でも凶暴な熊なんでしょ、4本どころか10本あっても足りない」
その不安を里実が増幅させる。
「ま、まぁ遠距離から攻撃し続ければ、ログベルアでも倒せるだろ」
と少し自信を落としつつも、春は戦術を立てていた。
「狩猟で新鮮な状態だから、出来る限りダメージを与えない方法、つまりファイアやランド系は多少傷を負わせてしまうし、光や闇はまだ使ったことがない。ならウォーターかウィンド系の魔法が一番新鮮な状態で仕留められるんだよな」
春の考えは正しく、テリオスとロウは春を見つめていた。
「攻略法は相変わらず即断即決で決めるよね」
「ガウッ!」
テリオスとロウは春の素早い演算に関心を持つ。
「うまくいけば10万ゼル、早く行きましょう♪」
里実は攻略法が解った時点で瞳が金に変わる。
「よし、倒し方が解ったからログベルア狩りに行くぜ!」
春の一言と共に里実とテリオスとロウは「おー!」と言わんばかりに右手を上げた。
森林の奥に進みつつも春達は周囲を見渡す。木々の形状、植物の葉の形、雑草から薬草、果実まで目を向け、珍しく触れていく。
「この木の実って食べられるんだよな」
とデバイスを起動させ、辞典で調べ始める。
「これはブレーツの実だね。ジュースにするとおいしいから、いくつか取っていこう」
テリオスの言葉で春はブレーツの実を調べ始めた。形状は丸い一つの果物だが、色は紫。
「味はブドウみたいなんだな」
「へぇ、ブドウね。それは楽しみ」
春と里実はブレーツの実を一つ二つともぎ取る。
「5、6個あれば十分か、でもどこに入れるんだ?」
春はテリオスに視線を向けると、次元収納リングを使い、6個のブレーツの実を収納した。
「あとはログベルアを新鮮な状態で狩ることだよな。この辺にいるのか?」
「多分居るんでしょ。早く倒して10万ゼル貰いましょ♪」
春と里実は警戒を怠らず先に進むと、黒く大きな影が目に映る。その姿は地球でも生息している熊、よりも凶暴なログベルア。太く長い爪、大きな牙がよく見える。
「距離は100メートルくらいか、なら一点集中直撃させるぜ!」
春は手を向け言葉を放つ。
「アル・ウィンド・バレット・ダース・インパクト」
風の弾丸を十二発放ち、一直線に飛んでいく。100メートル先まで木々が邪魔しているとしても風の弾丸達は複数の木々を避けていく。
「直撃させる!」
春は無意識のうちに、魔法は操れるのではないかと考えていた。そしてログベルアまでの距離と木々から風の弾丸一つ一つのルートを決め、魔法を決めたルート通りに通過させ、ログベルアの傍までぶつかることなくたどり着かせる。
「インパクト!」
その声と同時に風の弾丸はログベルアに直撃し、強烈な衝撃がログベルアの行動を鈍らせた。
「まだ生きてる可能性があるわよね」
里実は魔導弓を構え、魔力弦を引きながら、追加の魔法を唱える。
「アル・ウィンド・アロー・ダース・インパクト」
十二の矢と同時に十二の風の矢が放たれ、一直線に突き進む。里実の矢は春のように上手くはいかず、木々を削っていき、二十四本の矢のうちログベルアに到達したのは十二本。しかしログベルアに強い衝撃を与え、ログベルアの心臓を確実に停止させ、仕留めることに成功した。
「あとはログベルアのところに行って回収するだけだろ、意外と楽勝だったな」
「そうね、距離があったから成功出来たようなものよね」
春と里実は狩猟に成功したことで少し自信が付いたようだ。
「まだ油断はしないほうがいいよ」
テリオスの一言と共に魔法が放たれる。
「アル・ウィンド・インパクト・ダース・ホーミング」
十二の風が涼しく流れ、木々を避けつつログベルアに直撃、過剰ともいえる数の風が強烈な衝撃を与え、ログベルアの命を完全に停止させた。
「止めを刺すなら完全に♪」
テリオスの表情は笑顔だが、過保護なのか春達の行動に最善の対策をしてくれている。
「お、おぅ、そうだよな。魔物にも止めはきちんと刺さないといけないし、助かったぜ」
春達はログベルアの傍まで行き、テリオスが次元収納リングで回収すると、一息つく。
「しかし遠距離での攻撃も便利な分、楽に戦えるよな」
「テオリアでは子供でも小遣い稼ぎにやってたりするんだ。この依頼も元探索者の料理人が依頼してきたものだから、楽に倒せてあたり前だよ」
「子供でも狩れるのかよ」
「まぁ、遠距離魔法さえ使えれば、創意工夫で簡単に倒せるんだ」
春はテリオスのやり取りで大体は理解したようだ。
「でもガイラ級が出たら簡単に狩猟出来ないんじゃないの?」
里実は一つの疑問を持つ。階級を持たない魔物ならば倒せるであろう。だが、ガイラ級の魔物が現れた場合は話が違う。子供でもひとたまりもないはずだ。
「階級のある魔物ははテオリアの探索者が刈り取っているから大丈夫だよ」
テリオスの一言でテオリアの探索者達の優秀さを理解していった。
「確かに、テリオスもテオリアの探索者だったな」
肝心な事を忘れていたようだ。テリオス『も』テオリア『の』探索者である。
「それじゃあ探索者ギルドに戻るか」
「そうね、戻ってお金をもらいましょう」
春と里実がギルドに戻る支度をしている最中、他の魔物の足音で気配を感じ取った。
「この感じ、魔物だよな」
「確かに魔物ね」
春達の前に姿を現したのは、三本角の魔物。
「へ~、珍しい魔物も出てくるんだね」
テリオスは悠長に語りだす。
「この魔物はユニディアス、めったに表れない貴重な魔物なんだよ」
「ユニディアスって、魔物だから襲ってくるし、あの三本角で突き刺されたら死ぬだろ!」
「こんな場所で死にたくないわよ!」
春達は急いで魔導武器を取り、戦闘態勢に入る。ユニディアスもまた角を向け戦闘態勢に入った。
「ユニディアスは討伐すると50万ゼルだよ。さらに三本角が揃っていれば+30万ゼル」
「よし、倒しましょう!」
「「……」」
里実の即決とお金に対する執着心と何も言い返せず、戦闘が始まった。
入手マテリアルオーブ
火0水13地0風0光0闇0無0雷0
現金56万
テオリアでは9000ゼル
入手鉱石
青いラトグラム鉱石12個
赤いマトリウム鉱石12個
緑のルナテウム鉱石12個
所持アイテム
メントドリンク4本
スピリアルドリンク10本
アブレコドリンク6本
パナシアスドリンク10本
リジェネスドリンク10本
乗り物
ライド・フォートレス・アルテミア号
6人乗りの魔巧ビークル
水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない




