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3・迷宮攻略その1

他の国の名前を出すと危ないので変えました

 春達は探索者ギルドのテーブルでデバイスを使い、地球側とのデバイス授業を受けていた。

 現代の地球では高校に入ると生徒全員が探索者となる。そしてデバイス授業を受けつつ探索もしないといけない。地球環境を救うために義務付けられた任務といえる。


「クラスメイトのみんなも先に来てたはずだから、授業は終わってるんだよな」


 デバイス授業に参加した場合は生存報告につながる。


「わたしたちは数日遅れてきたから仕方ないのよ」


 二人は授業を受ける中、テリオスは狼のロウと遊んでいた。


「ロウは肉食だから、ワイブル(牛)のステーキでも頼もうか。二人は授業終わったら、注文していいよ」


 テリオスは肉料理を頼み、ロウに食べさせていた。


「おいしそうな匂いだなぁ」


 春は香ばしいステーキの匂いにつられて、鼻が敏感に反応する。


「本当に美味しそうな香り。授業を終わらせて食べましょう」


 里実も食欲に負けそうになりつつも授業に専念した。


「よし、授業終わり! ステーキ喰うぞ!」


 と春は目を光らせてテリオスの方へ瞳を向け、里実はメニューに目を向ける。


「メニューにあるものなら、何でも頼んでいいよ。食べたいものから飲みたいものまで、僕が奢るから」


 その言葉に反応し、二人は先ほどテリオスが頼んだワイブルのステーキを注文する。


「ロウは肉が好きなんだよな」


 春はロウの頭を撫でて、反応をうかがう。


「クーン」


 ロウは軽く吠えて好物だと伝える。その後、注文したバイルホーブのステーキが届き、二人はそのジューシーさに瞳が踊りだし、いただきますとともに一口分切ると口に入れる。


「美味しい!! ワイブルステーキ最高だよ!!」


「ワイブルって日本で言うと和牛でしょ、異世界の肉がこんなに美味しいなんて、テオリアに住みたいくらいだわ」


 と感動し、食欲が進みだす。


「食べ終わったら、迷宮攻略に行こうよ」


 テリオスの提案に乗り、食事を済ませると、最初に行った迷宮へと足を運んだ。


「これから行く場所は最初の迷宮だろ?」


 春の質問にテリオスは「そうだよ」と答える。


「地球産の安い武器じゃないから、簡単にはやられないわよね」


「ガウッ!」


 二人はロウの声に勇気をもらい、迷宮の入り口にたどり着くと、軍服を着た海外の人たちとテオリア人が揉めていた。


bbf6;qak(ここは俺たちの)u0f@lq@(縄張りだ)b\x;qhu:;f(殺されたくなければ)@qax;!(立ち去れ!)


 聞いたことのない言葉でテオリア人に喧嘩を売る愚か者たちだった。5人の地球人は一人のテオリア人に銃口を向け、威嚇する。


「テリオス、これってどうなるの?」


 テリオスは答える。


「十割十分、テオリア人が勝つよ。見ててよ」


 春達は言われた通りに様子を見ていたら、


「地球種の探索者ごときが俺たちテオリアの探索者に勝てるはずないだろ」


 そう伝えると、テオリアの探索者の一人がアサルトライフルを掴み、捻じ曲げる。

 軽く拳を振るうと顔面に当たり、吹き飛ぶ。

 ナイフは簡単に砕かれる。


「ね、言った通りでしょ」


「テオリア人と地球人は差があると聞いたけど、ここまで差があるなんて」


 驚きを隠せない春は口を開け、逆らわないようにしようと心に決めた。


「元々逆らったらマテリアルオーブもらえなくなるでしょ。逆らうだけ地球側に損失があるのよ」


 二人は納得したように首を下に振ると、側の迷宮に足を踏み入れると先ほどのテオリア人が声をかけてきた。


「俺はアフェク、お前たちは迷宮探索初めてだろ。何かあったら助けてやるからな」


 と春と里実、テリオス、ロウを見ながら、迷宮へと進んでいった。


「じゃあ俺たちも進んでいいかな?」


 里実とテリオス、ロウの意見を聞く。


「わたしはいつでも」


「僕もOKだよ」


「ガウッ!」


春はみんなの解答を聞くと迷宮に足を運んだ。


 迷宮内は幾何学的な模様で造られたブロック状でやはり明るかった。

 左右に分かれた迷宮はその名の通り迷路と言える。



「いつ見ても地球とは全く違うよな。迷宮なのに暗くないし、近未来的な技術だ」


 春は異世界テオリアの迷宮をほめる。


「そのおかげで地球もうるおいを取り戻しつつあるんだからありがたい存在よね」


 春達一行は迷宮の奥に進んでいくと、そこにシンキーフ(猿)の群れが姿を現す。


「魔物だ!」


 春の一声で里実とテリオスは武器を構え、ロウは「グルルル」と吠える。


「丁度覚えた魔法を試してみるか」


 春は指先を向け、魔力弾を放つ。


アル・バレット!(最下級魔力弾)


 春の指から放たれた魔力弾はシンキーフの頭に直撃し、一匹を倒す。


「やるね、春くん」


 テリオスの言葉に春は照れくさく笑う。


アル・バインド!(最下級拘束)


 里実の魔法はシンキーフの群れを捕え、身動きを封じる。


「よし、全員戦闘開始だね!」


 3人は武器を構え、シンキーフに挑んだ。


 春は剣を構え走り出すと、シンキーフの胴体を横に叩き風を巻き起こしながら薙ぎ払うと、その奥にいる他のシンキーフに刃を突き刺す。

 里実は弓の弦を引き、魔力で作られた矢を撃ち放ち、シンキーフの一匹を撃ち倒す。

 二人の攻撃は上手く連携されており、里実の弓術が春の動きに合わせて的確なサポートを行っていた。


「自分も負けてられないね」


 テリオスは魔導杖を構え「アル(最下級)バレット(千の)サウザンド(魔力弾)


 テリオスの放つ魔力弾は春と里実に当たることなくシンキーフ達に命中し、確実に仕留める。テリオスの魔法を見た春達は、


「テリオスの魔法凄げぇ!」


「わたし達に当たることなく魔物に当てるなんて、流石テオリア人」


 テリオスをほめる二人。しかし二人は油断していた。その奥にシンキーフの親玉、ガイラ・シンキーフ(下級シンキーフ)がいることを。


「二人とも、今までのシンキーフとは違って下級ではあるけど親玉が来たよ!」


 春達は振り向き、シンキーフの親玉、ガイラ・シンキーフんじょ姿を目にする。


「まだいたのかよ!」


「あんなの今のわたし達に勝てるの!?」


 二人にとって初めての恐怖。シンキーフよりも二回り大きい猿のプレッシャーに足元がガタガタと震えていた。そこに、


「ワオーーーーン!!」


 ロウの遠吠えが一つの技となり、ガイラ・シンキーフの圧を押し返す。

 まるで格上を相手にしているようにガイラ・シンキーフは怯え膝をつく。


「春くん、里実ちゃん、いまだよ」


 テリオスの言葉でプレッシャーを振り払い、武器を構えるとガイラ・シンキーフに挑んでいく。


「喰らえ!」


 春は魔導剣を縦に振り、親玉に傷をつける。里実は魔導弓で魔力の矢を作り、強い一撃を放つ。


「ギャウ!」


 ガイラ・シンキーフは痛みで野生の声を放つ。


「止めだ、ここで死止める!」


 春は魔導剣を力強く握り縦に一振り、一閃を与えると、ガイラ・シンキーフの体を切り裂いた。


「や、やったか!?」


 春は乱れる呼吸を深呼吸で整えつつガイラ・シンキーフの体を見つめると、胴体は綺麗に真っ二つだった。


「二人とも、よくやったね! 初めてにしては上出来だよ!」


 テリオスとロウは春と里実の傍に駆け寄り、褒め始める。


「テリオスの援護があったからだよ」


「そうね、ロウの咆哮のおかげで勝てたようなものよ」


三人は笑いながらシンキーフ達からマテリアルオーブを取り出す。無属性のマテリアルオーブを30個、ガイラ・シンキーフから地属性マテリアルコアを1個手に入れた。


「テリオス、この迷宮、何階層まであるんだ?」


 春は疑問に思っていた。初心者用とはいえ、階層数を知ることも重要だ。


「ここの階層は十回だね。みんな弱いから安心してよ」


 とにっこり笑いながら二人を和ませる。


「そうか、十階層か。なら剣術の腕も上げながら進めるな」

 と笑顔を見せながら先に進むぞと全速全身を開始する。


春、里実、テリオス、ロウは入り組んだ迷宮を右へ左へ進みながら、二階層の入り口を探し出す。


 一階層は意外と簡単に進み、二階層への入り口にたどり着く。


「ここから二階層か。みんな準備は――」


 春が言う前に里実やテリオス、ロウは、


「もう準備できてるよ」


 と答えた。


入手マテリアルオーブ

火0水0地2風0光0闇0無30


出来る限り更新していきたいと思っています!

感想など貰えたら気力が限界突破しそうです!

評価してくれると、もっと励みます!

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