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25・マテリアルオーブと値段と真実

 陸上闘技場での戦いも終わり、春はボロボロの服を眺めていた。


「魔法一発で服がぼろ雑巾になったよ。この服、気に入ってたのにな」


 春は愚痴を言うが、テリオスは新しい服を張るに差し出す。


「それはごめん、でもプレゼント。テオリア製の服だよ。プロテクトジャケットと言って、防御特化の服なんだよ」


 と新しい服を渡され、春の表情は笑顔に変わる。


「こんなの貰っていいのか!? めっちゃ高級だろ!」


 春はまたしても驚きを隠せない。


「そのために少し本気で噴くボロボロにしたんだけどね」


 とテリオスは笑みを見せる。普通に渡せばいいだけなのだが、ここまでする理由は誰も分からない。


「テリオス、お前わざと服を、いやなんでもない」


 春は疑いの目を見せるが、疑いよりも己の弱さが招いた敗北を心に刻み、さらにテリオスが用意した高級服に着替えると、陸上闘技場を後にする。


「テリオスとロウはこの後どこに行くか決めてあるか?」


 春は一人と一匹に今後の予定を聞くと、


「日本探索者協会・日昇支店に行く予定だよ」


「ガウッ!」


 テリオス達は春から聞いたマテリアルオーブの値段についてのQ&Aを日本探索者協会に問い詰める気だった。


「日本探索者協会・日昇支店か、じゃあ行くか」


 春とテリオス、ロウは日本探索者協会・日昇支店へと足を運んだ。


「せっかく手に入れた雷属性のマテリアルオーブが、一つ5000円なんだよな」


 雷属性のマテリアルオーブは5万の価値がある代物であり、格安で買い取られたことを春は思い出していた。


「確かに5000円は安すぎるよね。で、どの人が担当だったの?」


 春は受付まで行くと周りを見渡し、確認する。


「居たよ、あの人だ」


「ならこれをもっていってよ」


 渡されたのは水色のマテリアルオーブ。


「これって氷のマテリアルオーブだよな!? 俺初めて見たぞ」


 火、水、地、風、光、闇以外のマテリアルオーブは複数のマテリアルオーブを合成して作るか、ごくまれに自然に生み出される。故に貴重である。


 春は受付に行き、氷のマテリアルオーブを出すと、受付の瞳は一瞬変わるも冷静になり、価格を提示する。


「買取価格は常に適正ですのでマテリアルオーブ一つ、5000円ですね」


 常套句のごとく言われる聞きなれた言葉に春の表情はわずかばかり怒りを表す。


「属性、わかります?」


 春はあえて受付に問う。しかし受付も、


「ご存じであります。故に5000円と適正価格を提示しております」


 の一点張りだった。


「それで5000円は酷いよな!」


 と受付に一言の文句を伝え、テリオスに視線を向けるとテリオスは近づき受付の方へ視線を向ける。


「探索者側はマテリアルオーブを提出する義務があり、探索者と探索者協会の間で行われる取引に対しては正当な報酬を支払わなければならない。テオリアと地球で決められた法の一つだけど知ってるよね?」


 とテリオスは受付の一人に二つの世界で決められたルールを伝える。


「ご存じであります」

(子供だけどテオリア人らしいから、よく考えて言いくるめないと)


 受付係は春とテリオスに熟知していると断言した。


 探索者協会で働くものは皆Cランク以上と決まっている。そのため、マテリアルオーブについても地球では詳しいが、テオリア人ほどではない。


「これ、氷のマテリアルオーブだよ。きちんと見た? 鑑定した? あなたのランクは?」


 テリオスから放たれる言葉一つ一つが、受付係に重くのしかかる。


「じょ、上司を呼んできます!」


 受付係の人はその場から逃げてしまった。


「テリオスがいるだけで、態度が変わるんだな」


 春はテリオスの言葉一つで行動が変わったことに関心を持つ。そして5分と経たないうちに戻ってきた。


「お待たせしました。探索者協会・日昇支部担当の蚊室(かむろ)と申します。お客様、今回はどのような用件でこちらに?」


「要件って、探索者協会がやらかしてることだろ」


 春の一言に教会側も黙ってはおらず、一言言い放つ。


「今回の件につきましてはこちらのミスです申し訳ありません」


 用件を聞かずにミスを認めた探索者協会に、テリオスの表情は曇り始める。


「それなら探索者免許を出してよ」


 テリオスは探索者協会の蚊室に視線を向ける。睨みをぶつけ、協会の受付及び担当上司の二人に命令を下す。


 テリオスのランクはB以上。そして手を天にかざすと魔導杖が現れ、握りしめると床を強く叩き、音を響かせる。


(あちゃ~、テリオスの顔が笑顔だけど、オーラむき出しだよ。これじゃあ探索者協会の人たちが恐れるよな)


 春の予想通り、テリオスの放つ圧倒的なオーラに、二人の受付担当者は押し負けて探索者免許を出すと同時に、春のデバイスへ里実から通話が来た。


「はい、もしもし」


 春がデバイスの通話機能を使い、話を始める。


「春、今週アイドルのスマッシャーズ達が日昇市に来るんですって!」


 ウキウキわくわくを感じさせる里実の言葉に春は一つ問う。


「スマッシャーズって、あの歌って踊って戦えるあのスマッシャーズ?」


 地球で数少ないBランクに行けるかもとされる探索者であり、アイドルでもある。


「しかも雷属性のマテリアルオーブ45個も手に入れたんですって! テレビで今やってるのよ!」


 春は45個の数にピンときた。


(俺たちも雷属性45個手に入れていたよな。しかもここに持ち込んだ時、金額詐欺にあったし、まさか)


「あのさ、もしかしてスマッシャーズを呼ぶために雷のマテリアルオーブを使ったとか、言わないよな?」


 春の言葉に二人の受付担当者は、


「「すみませんでした!!」」


 と春とテリオスに謝罪をした。


「わたしはスマッシャーズのファンで、日昇市を盛り上げるため、仲守春様の入手したマテリアルオーブを無属性に書き換えてしまいました!」


 受付係の人は事実と謝罪を春に伝えた。


「申し訳ありません、正当な金額でお渡ししますので、このことは――」


 テリオスの放つオーラがランク上位の証であり、受付二人から真実を暴露させていた。


「これって、違反だよね。それ相応の×を受けてもらわないといけないよ」


 テリオスは二人に伝えると、免許に手をかざし、CランクからFランクに落とされた。


「げっ、ランク落とされるのかよ」


 テリオスが二人のランクを落とす姿を見て驚きを隠せない春。


「自分はテオリアで騎士団所属だから、その権利もあるんだよ」


 春に伝えると、テリオス自ら探索者免許ダイバーズ・ライセンスを見せる。その探索者免許にテオリアの騎士団の紋章が付いていた。


「だから強いのかよ! テリオスの強さに納得いったぜ」


 春はテリオスのライセンスを見て強さと自信に納得した。


「でもさ、Fランクなんて聞いたことないけど、Eランクとどれくらいの差なんだ?」


「10年間魔法も使えず、薬草拾いをしないとEランクに上がれないくらいの格下だよ」


 その言葉を聞いて春は、テリオスには逆らわないようにしよう。と決意した。


入手マテリアルオーブ

火0水0地0風0光0闇0無0雷0


現金56万

テオリアでは1万3000ゼル


所持アイテム

メントドリンク4本

スピリアルドリンク10本

アブレコドリンク6本

パナシアスドリンク10本

リジェネスドリンク10本



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